今度はマッコーリーのレポートがサムスン電子の目標株価を約5割カット・・一部からは「サムスン電子危機論」まで

数年前まではちょっと考えられなかったことですが、複数のメディアが「サムスン電子危機論」を報じています。個人的に、「趣旨」はわかるけど、ちょっと大げさではないのかと思っています。なにかあればすぐ出てくる「◯月危機説」と同じく、いますぐなにか問題が起きるというわけではなく、不安定さを表す現象ではないでしょうか。本エントリーのソース記事はノーカットニュース SBSですが、朝鮮日報など他の大手メディアも報じています。最近、韓国では、コスピやコスダックなど、証券市場とか株価関連のニュースが大幅に増えました。去年、日経平均がバブル後最高値(33000~34000)を超えたあたりから、韓国では一気に株価や企業バリューアップなどの記事が増えました。

そこで企業バリューアップというものが政府政策として話題になって、ついこの前「バリューアップ指数」が発表されましたが、いまのところこれといった『アップ』は確認できません。日本のJPXプレミアム150指数のようになるには、まだまだすべてがゆるすぎるとされています。そんな中、特にサムスン電子関連の記事が目立ちました。最近3年間でサムスン電子の株価を買った人は8割がマイナスになったとか、外国人投資家たちが集中的に売っている(国内個人投資家たちは買っている)とか、7月に87800ウォンだった株価が10月2日に6万1300ウォンまで下がり、一時は5万ウォン台(いわゆる5万電子)になった、とか。そして、一部の海外メディアの報道も加わり、ついにサムスン電子危機論というものまで出てたわけです。サムスン電子の時価総額は、コスピ(KOSPI)全体時価総額の約20%とされるサムスン電子。何があったのか、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・3ヶ月前だけでも9万ウォン台を目指していたサムスン電子の株価が、昨日(2日)場中一時5万ウォン台まで下がりました。国内外ともにおもわしくない見通しが広がる雰囲気ですが、なぜそこうなのでしょうか。海外投資銀行マッコーリーのレポートです。サムスン電子を「虚弱な半導体の巨人」と表現し、目標株価を12万5千ウォンから6万4千ウォンに下げました・・・・導体委託生産、すなわちファウンドリ分野で不振を免れない点などが理由です。実際、DRAMやNANDフラッシュなどメモリ半導体は供給過剰の懸念の中、価格が8月以降下落傾向になりました。ファウンドリ分野は今年も「兆」ウォン単位の赤字が予想され、一部の設備稼働を停止した状態です・・・・サムスン電子は海外法人は人材を大幅に減らしていると知られており・・・・外国人投資家たちは先月3日以降、1ヶ月続いてサムスン電子を売り越ししていますが、この期間に売ったのが8兆7千億ウォンに達します(SBS)・・>>

 

<<・・株価がファンダメンタル(財務状態や経営戦略など企業の基礎体力)に直接影響するわけではないが、サムスン電子の成長可能性に対する市場の期待値が低くなっているという点は、企業への警告だと解釈される。専門家たちは、技術リーダーシップの回復と明確なビジョン提示などを通じて「危機論」を克服できなければ、サムスン電子が本当に危機に直面することもあると懸念している。モルガン・スタンレーはメモリ半導体であるDRAMの需要減少とHBM(広帯域メモリ)の供給過剰などで、来年から「半導体市場に冬が来る」と見通し、以後サムスン電子とSKハイニックスの株価が急落した・・・・マッコーリーは最近のレポートを通じて、メモリ部門のダウンサイクル(下方局面)進入による収益性低下やメモリ供給過剰などの影響による実績鈍化の懸念を理由に、サムスン電子の目標株価を既存の12万5千ウォンから6万4千ウォンに下げ、投資意見を「買収」から「中立」に下向き、外国人と機関の売り上げによる株価の下落が続いた・・・・サムスン電子の株価下落傾向の根本的な背景は、サムスン電子の事業競争力にあるという指摘が多い・・

 

・・サムスン電子の主力であるメモリ半導体事業の反騰が市場の期待水準に及ばず、収益率の高いHBMとファウンドリ(半導体委託生産)では市場を主導する企業に追いつけずにいる。ある業界関係者は、「サムスン電子は危機なのかと問われたら、私は『今はそうではない』と答える」としながらも、「主力事業である半導体事業で技術リーダーシップを失っており、デバイス・家電市場は成長率が下がりつつある状況が懸念される。危機論に対してサムスン電子が早く答えを出すことができなければ、本当の危機に直面するだろう」と話した。リーダーズインデックスのパク・ジュグン代表は、「サムスン電子の最大の力は技術リーダーシップだったが、今は新しいことはおろか、今までやっていたことさえ弱体化している」とし・・

・・「最近10年間、サムスン電子を分析してみれば、自ら新しい市場を作り出すのではなく、DRAMとNANDのように既存の市場成長に、運良く乗れて利益を受けてきたが、新しい市場開拓が必要な時点だ」、「このような問題を打開するためには鮮明な方向性が提示されているが、内部でも今後サムスン電子がB2B(企業間取引)中心に行くのか、AI(人工知能)中心で行かなければならないのか、グローバルデバイス企業として残るべきか、総合家電会社に行くのか、わからないでいる」、「イジェヨン会長が長い沈黙を破ってサムスン電子がこれから出る方向を明確にしてくれなければならない」と強調した(ノーカットニュース)・・>>

 

 

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