5日午前のエントリーでもちょっとだけ紹介しましたが、米ジョージア州の現代自動車が建設中の工場に、米当局による捜査が入りました。LG系列社と一緒に建設中の、電気車バッテリー生産工場だそうです。違法就業(基本的には、就業する資格のないビザなどで働いしていました)などで450人以上が摘発され、その300人以上が韓国人だった、とのことです。チェーンで繋がって連行される映像なども公開され、李在明大統領が総力で対応するよう指示するなど、大きな案件になっています。MBN、デジタルタイムズなど多くのメディアが、「トランプ大統領に呼応し、米国に投資したのに、なんでこんなことになったのか」という記事を載せています。中央日報などは現地の反応を紹介する形で、題などに後頭部という単語を使っています。
ただ、それら多くの記事の中に、なんでこんなに違法就業者が多いのか、という指摘は見当たりません。時期的に、米韓首脳会談関連でなにかあった可能性もありますが、共和党員の人がこの工場を通報した、とのことでして。MBN(別記事)に載っている通報者の主張だと、この工場(詳しくは書かれていませんが工場の建設現場もそうなのでしょうか)はジョージア州の住民を採用する条件で、3200万ドルの税金減免を受けているそうです。ちなみに、前から本ブログ、トランプ大統領の関税に対しては「これはない」という書き方をしながらも、「中には支持する政策もある」と書いてきました。その支持するというものが、こういう違法の取り締まりです。案件そのものより、「そういう指摘がまったくない」という部分をメインで取り上げてみます。以下、<<~>>が引用部分です。
<<・・ドナルド・トランプ米大統領は、今回の取り締まりについて「何も知らなかった」と述べ、そして、取り締まりは政府がしなければならないことをしただけだと言いました。一部では、韓国企業に現地のアメリカ人採用を圧迫しようとする意図ではないかという解釈も出てきます・・・・今回の取り締まりが行われた工事現場は、2023年現代車とLGエネルギーソリューションが合弁して着工したバッテリーセル工場です。約6兆ウォンほど投入される事業で2031年までに8500人の雇用創出を約束していました。しかし今回の取り締まりで工事に支障は避けられなくなりましたが、ドナルド・トランプ米大統領は「知らなかった」という立場を明らかにしたのです・・・・また「現代車は米国で自動車を売る権利があるではないか。一方的な取引ではない」とし、取り締まりの正当性を強調しました・・
・・他の意味もあるのではないかという疑問が提起されます。まず、該当工場がバイデン全米大統領が2022年5月に訪韓したとき、建設を発表し、自分の業績として掲げていた点で、政治的意図が敷かれたという分析です。トランプ大統領の米国内投資誘致計画に呼応して韓国企業が米国に工場を建てているが、あまりにもやったことではないかという声も出ている。特に先月25日(米国現地時間)米韓首脳会談を開催した後、両国間に関税と対米投資案をめぐって後続交渉が続いている中、このような取り締まりが行われたという点で韓国政府と企業は緊張している姿だ(MBN)・・>>
<<・・米国土安保捜査局(HSI)は5日(現地時間)記者会見を開き、前日ジョージア州の現代車グループ・LGエネルギーソリューションの合弁バッテリー工場建設現場で実施した取り締まりの結果を発表した。この過程で475人を逮捕し、このうち多数が韓国国籍だと明らかにした。米当局は具体的な数字を明らかにしなかったが、韓国人は約300人であると伝えられている(※韓国政府関係者からの情報でも、同じ数字です)・・・・ただし、米当局が自国内の大規模投資に乗り出した海外企業を相手に、このように大々的な取り締まりを行ったのは異例だという評価が出ている。現場で逮捕された職員の所属会社は、現代自動車など本社だけでなく下請業者や、その下請業者の下請業者などだったと米当局は明らかにした・・
・・韓国職員の場合、米国内の勤労が可能な合法的なビザを取得せず、ESTAなどを通じて勤務した場合、違法に該当するため注意が必要な部分だ。ただし、米国政府が投資誘致をしながら海外企業に就職ビザを十分に出さない点、または現地で直ちに雇用できる熟練した労働者があまりいないという点で、韓国企業が置かれた「ジレンマ」という話も出ている。ホワイトハウスはこの日、「特定プロジェクト(事業)に参加することになった外国人労働者は、誰もが必ず米国に合法的に入国しなければならず、適切な就職許可がなければならない」と明らかにしたとロイター通信が報道した(デジタルタイムズ)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。