全斗煥元大統領の遺骨、4年経っても埋葬できず・・政治家・市民団体の反発などで

すでに故人である全斗煥元大統領ですが、もう葬式から4年が経ったのに、遺骨を埋葬できずにいると報じられました。聯合ニュース(14日)です。韓国では、(今は)遺骨を家に安置することはほとんどありません。また、なんとか葬地を見つけようとしたものの、葬地を手に入れることができなかった、とのことです。そういえば2023年12月1日、6日にも「2年経っても~」という記事を紹介したことがあります。すでに国立墓地で眠る資格は失っており、故人の「北朝鮮が見えるところに埋めてほしい」という遺言もあって、相応の場所に墓を作る予定でしたが、そのことがニュースになって、「葬地を売ってはならない」という世論が強くなり、結局、葬地購入契約はなかったことになりました。

全斗煥元大統領に対する評価とはまた別に、なんというか、韓国社会の「人」というのがどういう圧力の中で生きているのか、よく分かる内容ではないでしょうか。今回聯合ニュースの記事本文に、「(2年前に)葬地を購入しようとしていると報じたは私たちだ」というふうの文章があります。このように、迂回的な書き方もあるものの、多くのメディア、市民団体が、「埋葬」そのものに反対しています。ただ、すごく珍しい事例ではありますが、そうではないところもあります。2023年11月20日、京義日報というローカルメディアが「ここまでやる必要があるのか」と、この問題を見ているとどうも後味がよくない、と記事を載せたことがあります、今回、もう一度引用してみます。以下、<<~>>が各紙からの引用部分です。




 

<<・・11月で4周忌を迎える全斗煥元大統領の遺骨を自宅に奉安する案が検討されている。全氏側の関係者は14日、聯合ニュースに「遺骨を、自宅の庭に永久奉安する案を議論している」と明らかにした。現在、遺骨は箱の中のまま、約4年間も自宅に臨時安置中だ(※日本とは関連法律が異なると思われます)。全斗煥氏は内乱罪などで実刑を宣告されたため、国立墓地に安置することができない。遺族側は「北の土地を見下ろことができる前方(※軍事境界線近く)の高地に埋めてほしい、白骨になってもそこに残って統一の日を迎えたい」という全氏の回顧録に従って、休戦線付近に埋葬する案を推進してきた。

2023年、京畿道坡州市文山邑長山里の土地を可契約したが、聯合ニュースの報道でこの計画が知られ、地域内で反発が起こり、負担を感じた土地主が契約を放棄した。以後全氏側は現在まで葬地が手に入らず、結局は家族の所有権が認められた自宅の庭を全斗煥氏の最後の居所にしようと考えている・・・・現在全斗煥氏の追徴金2千200億ウォンのうち860億ウォンほどが回収できなかった状態だ(聯合ニュース)・・>>




<<・・この問題について、気楽に論じられる人はいるだろうか。さらに、「それでも埋葬すべきだろうと言える「度胸」が、誰にあるのだろうか。そう、全斗煥元大統領は、いまだ埋葬出来ないでいる。2021年11月23日に臨終した。その際に火葬した遺骨は、いまでも自宅にある。葬地を見つけることができなかったのだ・・(※当時はまだ葬地の仮契約が生きていた頃で、一部国会議員と市民団体がこの件に強く反対していました)・・時期的に、総選挙が約4カ月後にある。共に民主系の政治家たちが声を高める政治的環境ができているのだ。経験による話だが、埋葬は容易ではないだろう。埋葬までできたとしても、墓の管理がきちんとできるのか、安心できない。私たちの文化の中には、亡くなった人に対して罰を下すものがある。それほどではないにしても、抗議訪問、破壊などが続く可能性は十分にある・・

・・遺族がこのようなことを予想できないはずがない。他の案を考えてみたほうがいいかもしれない。しかし、亡くなった人に対する、このようなこと。これは、本当にこれでいいのだろうか。全元大統領の行いを肯定する国民はほとんどいない。全斗煥が正しいという主張は社会に存在しない・・・・(※しかし)亡くなった人に対する責任追及、許しと怒り、亡くなった人の「痕跡」への物理的措置。そういうのが正しいことなのか、そうではないのか、それについて答えを出すつもりはない。ただし、このような姿を見て、嘆かわしいと思ってしまうのも、また事実だ(京義日報)・・>>

 




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

おかげさまで、「日刊SPA!」にも、4日から3回連続でシンシアリーの記事が載ることになりました。新刊の内容の抜粋となります。
プレジデントオンラインに、記事が載りました。よろしければお読みください。新刊の内容の一部です。
・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
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