シンシアリーとか言う人が2日間も休んだのでちょっと遅くなりましたが(幽体離脱)、韓国がCPTPP加入を、事実上、見送ることにしました。6月に韓国が「今度こそ」CPTPPに加入するという意志を表明、日本でも結構報じられましたが、今月6日に李在明大統領が加入について原点から再検討するようにしたと話し、8日には、加入保留が正式に報じられました。で。案件自体よりも、気になるのは日本の反応です。6月、本報が伝わった時、各メディアは(日韓共に)「日本も支持」ということになっていました。それは、水産物問題を事実上「別件」とする動きになるのではないか、そんな懸念も出ていました。いまちょっと(個人レベルで適当に)探してみたら、6月12日共同通信に「独自」記事として載っているのがありました(※リンクはヤフー版です)。題は<【独自】韓国、TPP加盟申請へ 下旬に表明、日本支持>、です。多分、これが最初の報道ということでしょうか。「加盟に当たって懸案となっている東京電力福島第1原発事故を受けた韓国の日本産水産物輸入規制問題は、改善基調にある日韓関係を踏まえ事実上切り離す。日韓外交筋が12日明らかにした」、となっています。
もちろん、<・・一方で、韓国政府関係者は「水産物の輸入再開に向けた協議が難航した場合、日本が最終的に加盟に難色を示す可能性はあるだろう」との見方を示した・・>、ともなっていました。そこから、8月にまたCPTPP加入を検討するという報道(事実上加入を前提にするような雰囲気でした)も出たりしましたが・・今月、朝鮮日報(7日)などの記事を読んでみると、日本側と水産物などに関する話はしていなかったのはないか、としか思えません。特に朝鮮日報の場合、関係者の話として、「最初から、日本側は(韓国が加入すると言っても)大して反応しなかった。だから取り消すこともできた(再検討すると表明できた)と思う」、とも。裏の事情までは分かりませんが、本当に「支持表明」というものがあったのか、水産物関連で(別枠にするかどうかも含めて)なにか話し合いはあったのか?など、ちょっと不自然です。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・李在明大統領は6日、包括的・漸進的な環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP)への加盟問題を、白紙の状態から再検討するよう指示した。農民たちが政府による農地の全数調査に反発し、「農産物市場の開放による農家の被害が懸念される」としてCPTPP加盟にも反対したことを受け、立場を変えたものだ。青瓦台(※大統領府)は今年初めから、日本が主導してきたCPTPPへの加盟を希望する姿勢を示してきた。日本はCPTPP加盟にあたり、福島産の農水産物に対する輸入禁止措置の緩和が必要だとの立場だったが、韓国政府も今年8月には、下半期にもCPTPP加盟の是非を検討するとしていた。
青瓦台のカン・ユジョン首席報道官は同日、文大統領が非公開の閣議でCPTPP加盟の再検討を指示したと伝えた。李在明大統領は「農水産業界の懸念が非常に大きいという意見が出ている」とし、「結論をあらかじめ決めて急ぐのではなく、白紙の状態から改めて対話を始めよ」と強調したという。さらに「政策の推進は、農漁民の信頼や共感を得ることを前提に、国益を考慮して行うべきだ」とも述べた。カン首席報道官は、これが「ゼロベース」で加盟そのものを再検討するという意味だと説明した。CPTPPは、日本、オーストラリア、カナダ、シンガポール、メキシコなど12カ国が参加する多国間貿易協定である。文在寅政権でも加盟を推進していたが、国内の農漁業界からの反発などを理由に見送っていた・・
・・青瓦台はそのような損失を承知の上で推進していたはずだが、突然、立場を変えたことになる。これは、最近の農地全数調査に対する農民の反発が予想以上に大きいためだと解釈されている。同大統領もこの日、公開国務会議で「農漁村共生協力基金」に関連し、「少なくとも政府が約束した1兆ウォンを確保できるよう、まずは来年度予算において財政から2000億ウォンを投入する」と述べ、怒る農民の心をなだめた。また、遊休農地を収益性の高い太陽光発電に活用しようとも提案した。与党関係者は「大統領が投機筋を摘発しようと主導した農地調査は、後戻りできない状況にある」とし、「CPTPPについては、そもそも日本もそれほど乗り気ではない雰囲気だったため、再検討も可能だったはずだ」と語った(朝鮮日報)・・>>
引用部分に農地全数調査という言葉が出てきますが、ちょうど取り上げたことも無いので簡略に説明してみます。5月李在明大統領の指示で始まったもので、韓国での全数調査は初めてです。投機目的で取得された農地があるのか、無断放置または違法賃貸関連のものはないのか、そういう取り締まり目的での調査です。ですが、こういう「正義の政策」のほとんどがそうですが、現実的にちゃんと検討されてから施行されたものではなく、現場の混乱も、農民の反発も強く、さらに大統領の支持率が30%台まで下がったことで、大幅な方針転換が行われ、「明らかな(どうやって明らかなのかはともかく)」投機行為以外は調査結果に関係なく「なにもしない(ペナルティー無し)」ことになりました。
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。