韓国の言う『バランス』とは

韓国側の記事の場合、「起承転」までは上から目線で書いておいて、「結」は無いという、妙な特徴があります。特徴というかなんというか。この特徴が、最近、特に悪化したような気がします。

米韓首脳会談の後に急に増えたパターンが、米国ともっと親密な関係にならないといけないと長々と書いておいて、最後に「でも中国も大事だ。知恵が必要だ」としながら終わる記事です。さらに問題なのは、これらが『バランス』を論じながらも、その『バランスの取り方』、どうすれば米中の間でバランスが取れるのかについては、何も書いてない点です。

ウクライナ事態に関しても、韓国では、「ロシアとの関係を考えて、国際社会の動きに積極的に関わってはならない」という主張が常にありました。領有権問題で韓国の味方をしてくれたロシアと、なんで対立する必要があるのか、そんな主張(過去エントリー)もありました。最近も、5月30日、中央日報にも、ウクライナ事態において国際社会に同調するのもいいけど、「狼にやられる鹿を可愛そうだと思う子供に対し、親は『あれこそ自然界の摂理だよ』と教えるべきだ」とする記事が載っていました。ニュアンスからして、バランス(均衡外交)のつもりで書いたもののようです。

 

一応、彼らなりのバランス取り(のつもり)かもしれませんが、要は、「どうやってそれを両立させるのか」です。そこについては何も書いてません。米中関係をどうやって両立させるのか、ロシアとの関係と、ウクライナ事態に関する国際社会への協力を、そのバランスをどう取るのか。そんな内容は一切ありません。

米国との関係は大事だ、しかし!韓中関係も大事である!大統領頑張れ!で終わります。これでは、結論は無いと言ってもいいでしょう。「起承転切(起承転まで言って電話を切る)」とでも言いましょうか。そういえば、起承転鶏(何をやっても結局はチキン屋をやるしかない)という言葉もありましたが。

 

そういう「バランス」記事の中でも個人的に「ああ、これこそ韓国ならではの書き方だ!」と、思わしくない意味で感嘆した記事があります。一応、教授が書いたもので、中央日報です。テーマは『貿易・経済こそが、そのまま外交・安保である』とするもので、中国、米国との関係はその分大事だとしていますが・・韓国外交は最高だ!芸術だ!と長々と書いておいて、米中のバランス取りをどうすればいいのかは書いておらず、「千回、万回考えてみよう。そして飛躍を夢見よう」で終わります。中国との貿易規模が大きいという点を散々書いておいて、後は「やはり米韓同盟」がどうとか言ってます。じゃ、それまで書いたものは何だったのでしょうか。せっかくなのでちょっと引用してみましょう。<<~>>が引用部分となります。

 

<<・・(※中国との貿易規模がもっとも大きい、米国との貿易もその次に大きいという点を強調しながら)われわれが危ない絶対的な境界(※地政学的に)で疾風のように先進国に疾走できた核心原動力の一つは、まさに外交だったのだ。外交が貿易であり、政治が経済であり、友好関係がそのまま利益であり、繁栄であることに気づく。韓国の貿易統計は、外交・安全保障と経済・貿易を分離できないという点を明らかに示している。外交・安保・平和が経済・貿易・利益なのだ。

韓国の世界危機と経済発展と先進国進入の中心基軸が外交の大成功だという点はあまりにも明らかだ。韓米同盟以後、渾身の力を尽くして、まるで扇子のフレームや孔雀の尾の羽のように、アメリカ・日本・中東・ソ連・中国・世界に広がる、まさに芸術のような外交を具現してきたのだ。もちろん、根幹基軸として韓米同盟があったため、韓日、韓中外交が可能であったことは、再論を要しない。韓米同盟があったため、韓中交易が可能であり、韓中交易により韓中交易を通じた莫大な貿易利益が可能だったのだ・・・・外交・安保・平和問題は千回、万回を考えよう。絶対的な境界で、もう一度絶対的な飛躍を夢見てみよう>>

 

いや、だからどうしろって(笑)。リメイクの話もありますが、変と変を集めてもっと変にしましょうって感じです。あ、そうか。夢見ようではなく、すでに夢を見ている、夢オチですか。それなら納得ですが。バランスというと、もう一人、盧武鉉大統領を思い出さずにはいられません。彼も本当にバランス好きでした。彼の「結」は、実に悲しいものでしたが。

 

 

本当は撮影スタジオとかそういうところでちゃんとポーズつけて撮って、それからレナスレにしたいところですが・・最近、相応の写真もなく・・サブブログのほうに、旅先で撮ったレナの写真を載せました。よろしければ、ぜひ御覧ください。ドール写真ですので、苦手な方はご注意ください。韓国関連情報などは一切ありません

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