いつもよりちょっとだけ早い時間に更新します。 結構前から話は出ていて、私も拙著に書いたりしましたが・・1970年代から(指摘する専門家によって時期、期間は異なりますが)始まった、韓国社会の男児選好風潮。すなわち生まれる赤ちゃんの男女比が、男が多いこと。それが、今(データは2021年基準)の社会にどんな影響を及ぼしたのかに関するデータが公開されました。ソースは韓国経済です。儒教思想などにより、男児選好が強かった韓国。1970年代から、超音波などを利用した胎児の性別鑑定が可能になってから、赤ちゃんの男女比が大きくゆがむようになりました。不幸中の幸い、2007年からは生まれる赤ちゃんの男女比が自然範囲内になったと聞きますが、言い換えれば、1970年代から約30年間、赤ちゃんの男女比は自然範囲におさまらない状態でした。
普通、自然範囲は男性を100にした場合、女性は103~107くらいまで・・とされていますが、1980年代、韓国は110を超えました。実はこれ、政府政策の思わぬ副作用でもあります。いまだとちょっと考えられないことですが、「家族計画政策」というのがあって、当時の韓国政府は『男子区別せず2人だけ産んでちゃんと育てよう(아들 딸 구별말고 둘만 낳아 잘 기르자)』というフレーズのもと、出産抑制政策を進めていました。そこで、「じゃ、ふたりとも男がいい」という人が多くなって、この政策も赤ちゃんの男女比に影響を及ぼした、とされています。「区別せず」の部分は見なかったことにしたのでしょうか。
ついに政府も問題を認識し、1987年、胎児の性別を告知してはいけないという法まで作りました。ちょうどこの法、今年2月に違憲判定となりました。これが、今年0.6人台になると言われている、合計出生率問題の一因だとする指摘もあります。個人的には、「社会風潮の変化(結婚の必要性に対する認識そのものなど)」以外だと、なんだかんだで経済、景気の問題がもっとも大きく、それは補助金などで急に好転するものではない、全般的な稼ぎなどもっと安定した土台が必要だとも思っていますが・・とはいえ、一つだけで説明できる案件でもありません。この男女比『だけ』が理由だとは思いませんが、この件が出生率問題に関わっていることそれ自体は、もう明らかでしょう。結論から書きますと、2021年時点で、結婚していない男のほうが、女より約20%(19.6%)多い、とのことでして。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・男児選好思想などの影響で、未婚男が未婚女より20%ほど多く、性比不均衡が深刻な水準であることが調査された。韓国保健社会研究院が17日に発表した保健福祉問題&フォーカス・「韓国の出生性比の不均衡と結婚性比」を見ると、2021年を基準にして未婚男性が未婚女性より19.6%多いことが分かった。できるだけ多くの未婚男女がマッチングしたとしても、多くの未婚男性は残ることになり、人口学的にみると未婚男性が未婚女性より、それだけ結婚するのに不利な構造であるわけだ。未婚男性がより多いこの不均衡は、首都圏よりも非首都圏で特に深刻だった。未婚男性の過剰割合は慶尚北道(34.9%)、慶尚南道(33.2%)、忠北(31.7%)は30%を超えた。ソウルは2.5%、釜山も16.2%で平均より低かった。
結婚性比の不均衡は、男女間の未婚率の差としても現れた。2020年時点で1985年生まれ(当時35歳)の未婚率は男性が46.5%で、29.1%の女性よりはるかに高かった。このように未婚の男女の性比不均衡が大きいのは、生まれる赤ちゃんの男女比が、男が多い状況が長く続いたためだ。出生性比(出生男児が女児より多い状況)は1970年代から自然性比を超過し始め、1980年代後半~1990年代半ばまで高い水準だったが、2007年から自然性比の範囲内に入ってきた。これにより、結婚性比の不均衡が1990年代初頭に現れ、2000年代半ば以降はどんどん強くなった。男児出生が多かった理由としては、男児選好思想と、出産率の減少(家族計画事業)、超音波検査など子供の性別を事前に知るようになったことなどが挙げられる(韓国経済)・・>>
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