北朝鮮の兵士二人を韓国に送還したとゼレンスキー大統領が話したことで、韓国政府が公式に謝罪と解明を要求しました。ウクライナ側は「秘密にするという合意は無い」としていますが、韓国政府は、ウクライナ側が嘘をついていると主張しています。SBS(28日)、韓国経済(28日)などが報じています。各メディアも「韓国政府の主張が正しい」を前提にして多くの記事を載せています。韓国の与党からは、対ウクライナ支援を中断すべきだという主張も出ていて、野党からは、「政府が北朝鮮の顔色をうかがっているだけだ」としています。さて、どちらが嘘をついているのか・・はわかりませんが(心証ならいろいろとありますけど)、27日本ブログで紹介した朝鮮日報の記事、<<・・2人はウクライナで、すでに外部に存在が知られていた捕虜であり(※韓国政府が主張する本人の安全のための非公開主張はすでに成立しなくなっている)、自ら韓国行きの意思を公に明らかにしていました・・
・・さらにゼレンスキー大統領が捕虜の韓国行きを公開してしまった以上、両国間の意見の違いは外交ルートで解決しつつ、ウクライナが捕虜を韓国に送ってくれたことに対しては、まず感謝の意を表す方が外交的により適切だったのではないか・・>>という指摘が、もっとも合っている気もします。ちなみに、記事本文の中で「1億ドル支援」という話が出てきますが、本文では「した」となっているものの、私が知っている限りだと、ちょっと違います。7月8日の聯合ニュース(日本語・ヤフー版)によると、「ウクライナに対し、韓国政府が1億ドル規模の支援を実施する。青瓦台の魏聖洛国家安保室長が7日(現地時間)、李在明大統領に同行し訪問しているトルコ・アンカラで明らかにした。魏氏はウクライナへの1億ドルの支援表明を通じ、国際平和と安全保障に貢献するという韓国政府の意思を行動で示したと評価し・・」となっています。これとは別かもしれませんが、7月発表なら、まだ支援していないのでは?
あと、以下の引用部分では、「ウクライナ再建のときに韓国企業が参加できなくなるではないか」という、「え、そこ?」な話が盛り上がっていますが・・個人的に、「これから、ウクライナで韓国行きを希望する北朝鮮兵士がいた場合、ウクライナ側の協力が必要ではないか」という話が気になりました。まさかウクライナ側がこのことで韓国行きを希望する人を無視するとは思えませんが、すべては韓国政府との話し合いがあってこそ可能なもの。いまのままだと、かなり動きづらくなるのではないでしょうか。李大統領が望んでいるのも、ひょっとするとそういうところだったりして・・それでは、<<~>>で引用してみます。
<<・・最近ウクライナが「韓国政府と北朝鮮兵の送還事実を非公開にすることで合意した事実はない」と主張したことに対し、大統領府(青瓦台)が虚偽の主張だと反論しました。大統領府は非公開合意を破り、公報発表まで虚偽で行ったとして、公式な説明と謝罪を要求しました・・・・ウクライナ大統領府のある消息筋が「秘密維持を約束していない」とメディアを通じて反論したことで、真実を巡る論争にまで発展しました。これを受け大統領府は昨晩(27日)、声明発表して強力な遺憾を表明し、ウクライナ政府に対して公式な説明と謝罪を要求しました。ソン・ギホン大統領府広報秘書官は、ウクライナ側がむしろ自国の捕虜交換の機会を放棄したという批判世論が起きることを意識して、非公開を要求し、韓国側もこれに合意して送還手続きが進められたと背景を説明しました。
その上で、ウクライナが非公開合意を破り、事前協議はもちろん通知すらなく一方的に公開したことも非常に重大な問題だが、「非公開合意はなかった」という虚偽の事実を発表したことは両国の信頼を深刻に損ない、友好関係に甚大な支障をきたす行為だと指摘しました。また、韓国国内の一部人物が外交・安保事案を政争化しているとし、不当なウクライナ側の行為を擁護して国益を損ねていることに深い遺憾を表すと述べました(SBS)・・>>
<<・・キム・ビョンジュ共に民主党議員は28日、Facebookに「ウクライナ政府は謝罪せよ」と投稿し、これまで人道支援や1億ドルの経済支援を行ったにもかかわらず返ってきたのは「首脳間の合意破棄」と「虚偽事実の公報発表」だけだと主張しました。続いて「政府間の信義を守らない国家、首脳間の合意を無視する国家に支援する理由も必要もない」とし、「大韓民国政府はただちにウクライナ支援を再検討せよ」と促しました。ただし野党側からは、政府の対応が国益を害するという批判が出ました。無所属の韓東勲 議員は同日、Facebookに・・・・「大韓民国はウクライナの戦後復興事業に参加しないつもりなのか。李在明政権は弱みを握られた北朝鮮の機嫌を取るために、この莫大な国益を捨てようとしている」と刃を向けました。
外交官出身であるキム・ゴン 国民の力議員もFacebookに「ゼレンスキー大統領が国連総会演説で彼らの韓国行きを公開した際、政府が最も先に行うべきだったのは外交ルートを稼働させることだった」とし、「立場が変わった理由について説明を聞き、遺憾を伝えた上で、その結果をもとに両国間で調律された経緯を国民と国際社会に説明すれば済む話だ」と指摘しました。
その上で「大統領が直接SNSを通じてウクライナを批判し、広報コミュニケーション主任秘書官が出てきて『虚偽公報』『公式謝罪』『追加措置』まで公開で取り沙汰した」とし、「両国の大統領府が真っ向から衝突する構図を作ることが、一体誰の得になるというのか」と追及しました。続いて「今後もウクライナの戦場で別の北朝鮮兵捕虜が発生し、大韓民国行きを希望する人が出てくる可能性があり、その時もウクライナ政府の協力が必要だ」とし、「今後の復興プロセスで我が国の企業が参加する機会も模索している中で、外交的ルートと信頼を強固にするどころか、不必要な公開衝突を引き起こすのは理解しがたい」と批判しました(韓国経済)・・>> ちなみに、韓国の憲法では「北朝鮮も韓国の領土(違法占拠されている)」ので、公式には、間違っても「亡命」とは書いてはダメだそうです。「送還」と書かないといけない、と。
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。