昨日も、旧朝鮮半島出身労働者たちがまた敗訴したとお伝えしましたが、すでに個人賠償判決が出ている件(本エントリーの場合は『日本製鉄』)では、何も変わっていません。日本製鉄の抗告(即時抗告)が、また棄却されました。少なくともすでに個人賠償が決まった件においては、少しずつではあるものの手続きが何も変わらず『進行中』であり、別の裁判での判決(原告敗訴)の影響はあまり感じられません。
この件で日本製鉄側は「基本条約で解決済みだ」という既存の立場を繰り返し、韓国側のマスコミはそれを「日本製鉄が賠償の拒否を示した」と報道しています。以下、聯合ニュースから引用してみます。<<~>>が引用部分となります。
<<「日本製鉄が、抗告の棄却に『徴用問題、すでに解決』・・賠償拒否を示唆(題)」。韓国最高裁判決に基づいて、日帝徴用被害者に慰謝料を与えるべきである日本製鉄(旧新日鉄株金)が、日本政府が承認しない限り、判決の履行を拒否するしかないという立場を繰り返した。12日NHK放送によると、日本製鉄は韓国裁判所の資産差押命令に不服して提起した即時抗告が、前日、再び棄却された。このことと関連し、「日韓両国政府の外交交渉の状況等を踏まえ、適切に対応していく」と明らかにした。日本製鉄は徴用被害者の賠償問題について「国家間の正式合意の日韓請求権・経済協力協定に基づいて、完全かつ最終的に解決されたものと理解している」と付け加えた。これは、日本政府が許可しない限り韓国最高裁の賠償命令を拒否し続けるという立場を再確認したものであり、注目される・・
・・日本製鉄は、韓国の裁判所がPNR株式差し押さえ決定を下すと、売却(※現金化)関連手続きの中止を要求する即時抗告で対応した。しかし、大邱地裁は昨年8月以降、日本製鉄が提起した即時抗告をすべて受け入れず、大邱地裁民事2部も、前日、日本製鉄の即時抗告を再び棄却した。日本政府は、原告側が日本製鉄の韓国内の資産を売却して現金化する場合、対応措置に出るだろうと警告している>>
だからといって現金化に向けて何か動きがあるわけでもなく、個人的に、韓国側の外交カードにされている気もします。GSOMIAのときと同じく、韓国はこの件を「いいのか?私たちは日韓関係を破綻させることもできるんだぞ」と思っているのでしょう。「日本が『それだけはやめろ』と反応している案件だ。すなわち、これこそ日本を動かせる外交カードだ」、と。
あと、昨日紹介した『時効』の件ですが、韓国市民団体が『時効を廃止せよ』と要求しました。ここはKBSです。万が一廃止したとして、いまから廃止してどうしろというのでしょうか。
<<日帝強占期の強制徴用など反人道的戦争犯罪に対する損害賠償請求権の場合、法的消滅時効をなくすべきだという主張が提起されました。「勤労挺身隊ハルモニと共にする市民の会」は、現行法上の損害賠償請求権の消滅時効が3年に制限されて、今後の日本の強制徴用被害者が日本戦犯企業に対して追加の訴訟を提起することは困難であるとし、反人道的戦争犯罪については、消滅時効を排除する特別法の制定を促しました>>
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