救護活動のためにガザ地区に向かっていた船が、イスラエルによって拿捕されましたが、その中に韓国人活動家が二人乗っていたそうです。このことで李在明大統領が明らかにオーバーな発言をしました。ネタニヤフ イスラエル総理は国際刑事裁判所で逮捕状が出ているではないか、韓国に入ってきたら、私たちも判断してみよう」などです。この発言の翌日、活動家二人は釈放(追放)されましたが、韓国メディアは「大統領の強い発言の翌日のことだ!」と、嬉しそうに大きく報道しています。ですが、イスラエルは韓国とFTAまで結んでいる国で、明らかに「友好国」に分類されます。
この前の、すでにイスラエル側が調査に入っている映像のことで急にイスラエルを批判し、外交問題になったこともある韓国政府。朝鮮日報は社説で、「そこまで言う必要が無いのに」としながら、「前回のことを根に持っているからではないだろうか」としています。前回もそうでしたが、私は別に「人道的な問題」とか、「国際法を守る」などの趣旨には同意していますし、大統領が強く発言することも、それ自体は「あり」だと思っています。しかし、これはどう見てもやりすぎで、タイミング的にも、明らかに別の何かの底意があるのではないか、そう思わざるを得ません。
国際法が大事なら竹島問題でさっさと国際裁判を始めるべきであるし、国際刑事裁判所を論ずる前に、まず「自分の裁判の公訴取消」問題からなんとかすべきではないでしょうか。本ブログでも取り上げたことがありますが、いま韓国では、「公訴を取り消すことができる特別検事」関連で、国会がうるさくなっています。大統領が任命する特別検事が、大統領関連の公訴を取りけることもできるようになるわけです。
こんな中、イスラエル関連の話をここまで持ち上げるとは、これはさすがにちょっとどうかな、と。さらに、「中国や北朝鮮にはなんで強く言えないのか」という話をせずにはいられません。率直に言って、韓国政府は金正恩委員長に逮捕状を出すべきでしょう。憲法上、北朝鮮も韓国の領土となっていますから。イランのドローン攻撃で貨物船が破損、船員が1人負傷したときにも、韓国政府は「どこの国のものかはわからない」というスタンスを貫きました。それに、翌日に釈放されたのも、タイミング的に李大統領の発言とはズレていると思われます。本人は深刻に言ったかもしれませんが、いろいろ「何の騒ぎだ(笑)」としか思えません。以下、<<~>>が引用部分です。
<<・・李在明大統領が20日、国務会議でベニヤミン・ネタニヤフ イスラエル首相に対して「国際刑事裁判所(ICC)から逮捕令状が出ているではないか」と、韓国に入ってきた場合、逮捕する案を検討しようと話した。イスラエルは最近ガザ地区を封鎖しており、国際活動家たちが船に乗ってガザ地区に向かうと、イスラエル軍が彼らを捕らえた。抑留者の中には韓国人もいるが、そういうイスラエルの措置を批判しながらこの発言をしたのだ。李大統領は、「欧州のほとんどの国は(ネタニャフの)逮捕状を発行して、国内に入ると逮捕すると発表した」とも述べた。 ICCは2024年にネタニャフ首相に対する逮捕令状を発行した。一部の欧州諸国がICC措置に原則的に賛成の立場を明らかにしたが、国家指導者を実際に逮捕することは、それとは別の問題だ。ICCは2023年にウクライナでの誘拐容疑でロシア・プーチン大統領に対する令状を発行したが、多くの国がプーチンを批判するだけで、大統領が直接プーチン逮捕を取り上げたりはしていない・・
・・国家の首脳が、相手国の首脳に逮捕令状執行を取り上げたのは、前例を見つけるのが難しい。米国はICCのネタニヤフ逮捕決定に「とんでもない」と反発した。米国と同盟国である韓国がイスラエルと外交関係をやめる覚悟をするほど、重大な事案があるわけでもない状況さ。李大統領の今回の発言はやりすぎだと思われる。外国の韓国人抑留を批判し、彼らの安全な送還を促すのは、通常、外交を通じる。さらに、イスラエルは韓国とFTAまで結んだ友好国だ。こうした国と外交的に韓国人送還を協議できない理由はあるだろうか。そうではなく、大統領が直接出て、公開的に相手国の首脳を逮捕とまで言及することは、非常に非・外交的だと言わざるを得ない。李大統領は先月、ソーシャルメディアに事実と違う動画を載せてイスラエルを批判した。国内でも議論が起こり、イスラエル政府が反論に出て外交問題も浮上した。李大統領のこの日の発言は、それに対する感情的対応ではないだろうか。イスラエルとネタニヤフの軍事行動は国際的批判の対象となっている。『度が過ぎた』からだ。それを批判する李大統領の発言は、度を過ぎてはならない(朝鮮日報)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。