何度か取り上げた「休んだ」問題、今日は政府の対策に関する内容を取り上げてみます。まず、日本の労働市場関連報道が基本的にネガティブ方向だからかもしれませんが、韓国側の関連報道を見ていると、ポジティブすぎる印象を受けます。別に労働市場だけでなく、大統領の支持率が高い時期だと、この流れは特に強くなります。本題の「休んだ」人口などもそうです。日本の就業氷河期問題などを見ても、この問題は結構長引くものだと思いますし、一応「記事の数」は結構あるけど、重みが無い(重視されていない)というか、話題にならないでいます。初見だという方のためにちょっとだけ説明しますと、韓国では何の理由もなく仕事をせず・求職活動をしていない人たちを「休んだ」と言います。非経済活動人口の一部で、彼らは失業率や雇用率など各種経済指標にカウントされません。
「仕事をしていない(休んでいる)」にもいろいろ理由があります。体の調子がよくないかもしれないし、なにかの勉強、すなわち就職のための努力をしている場合もあります。しかし、「ヤスンダマン」たちはそうではありません。これといって理由もなく休んでいるということで、記事や論文などによっては「ただ休んだ」と表記する場合もあり、個人的にこの表記が適切だとも思っています。ちなみに、関連調査においての項目が「休んだ」だったこともあって、それがそのままネーミングになったと言われています。中国の「寝そべり」と似たような現象です。去年11月~12月あたりの記事だと、その数は244万人。特に、昨年基準で、20代・30代の「休んだ」人口が71万7000人です。20代だけで見ると、全20代人口の7%を超えています。関連統計が作られたのは2003年からですが、去年が最高値で、パンデミック期間よりも多かったそうです。実際は人口減少が続いているので、この「青年層の雇用市場離脱」は、結構深刻な問題です。
ソース記事にはいろいろ政府対策が書かれていますが、内容が「老人働き口」政策とそっくりです。政府が高齢層に「簡単な仕事」を提供する、いわゆる仕事バラマキ政策のことです。これで失業率を低く、雇用率を高くできるので、文在寅政権、尹錫悦政権でもどんどん強化されてきました。現政権では「115万人分」の「政府による高齢層働き口」を提供すると公言しています。ソース記事は「女性経済新聞」(20日)というメディアで、結構批判的な論調です。なにせ、数ヶ月前のことですが、労働部長官(労働厚生省大臣)が「『休んだ』ではなく、『準備中』と呼ぶように、用語の修正を進める」と話した、とのことでして。記事は「用語を変えるとなんとかなるのか」としています。
ちなみに、「なにかの勉強(たとえば、あるライセンス取得のために教育機関に通うなど、ちゃんと勉強中)のために仕事をしていない」は、「休んだ」カテゴリーとは違います。「休んだ」は、そのような理由も無しにただ休んでいるだけの人たちのことで、長官は関連項目そのものをちゃんと把握できていないのではないか、と思われます。それとも、単に「イメージをよくする」ことしか考えていないのでしょうか。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・「休んだ→準備中、用語を変えることが対策? 就業者泣かせの「統計のためだけの働き口」(※題)・・・・最近の20代の就業者は、前年同期間と比べて19万5000人減った。製造業・建設業・流通業など伝統的な「青年雇用」産業が、同時に萎縮した影響だ。就職準備期間も長くなっている。大学卒業後、初めての就職まで1年以上かかる事例はもう一般化されているし、就職も求職もない、いわゆる「休んだ」青年規模は最大水準を続けている。
これにキム・ヨンフン雇用労働部長官は、今年初め、新年人事会で「これから’休んだ’青年を私たちは’準備中’青年と呼びたい」と用語修正の意志を見せた。政府が8000億ウォンをかけて推進した「青年ニューディール」政策は、公共短期雇用2万3000個の創出だ。この中で「税務滞納管理実態調査員」が9500個、「農地全数調査人材」が4000個を占める。公開された雇用の半分以上の1万3500個が、現場調査・点検業務に集中している。公共の「短期アルバイト」集中で編成されているわけだ。
労働界と学界では、このような職務構成は、青年たちの実質的な就職能力の強化につながらないと考えている。税務滞納者を訪問したり、農地の現状を把握するような短期契約職の経験が、IT・先端製造・金融など、民間企業の正社員採用過程において、有意な職務経歴としては認められないという理由からだ。青年雇用問題の背景には、景気鈍化とともに、労働市場の構造変化が重なっている。建設景気低迷で現場採用が急減し、内需不振で流通・サービス業採用も減った。製造業は自動化とAI転換の影響で、新入採用規模を縮小する流れが続いている。現在、主要大企業は、定期公開採用を事実上、廃止している。随時・経歴職採用の割合だけ増やしている。韓国経済人協会の最近の調査でも、主要企業の半分以上が新規採用計画を縮小したり、凍結したことが分かった。いままで、上・下半期の公開採用が青年層の大規模労働市場進入のための通路の役割を果たしてきた。しかし、もうそれとは異なり、現在は就職経験のない青年ほど、初参入の障壁が高くなったのだ(女性経済新聞)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。