本ブログでも何度も取り上げていますが、韓国では「休んだ」が問題になっています。休んだって何だ、たとえばブログ更新が告知も無しに遅れたとかそういうことか? と思われるかも知れませんが、そうではありません(きりっ)。表記によっては『ただ休んだ』とも書きますが、個人的にこれが適切だと思っています。普通、仕事をしていなくても、失業率や雇用率などにはカウントされない人たちもいます。それは別に韓国だけの問題ではありませんが、「仕事をしていない(休んでいる)」にもいろいろ理由があります。体の調子がよくないかもしれないし、なにかの勉強、すなわち就職のための努力をしている場合もあります。しかし、そうではなく、これといって理由もなく(ただ)休んだという人たちがいます。調査においての項目が「休んだ」だったこともあって、彼らを「休んだ」「ただ休んだ」人口と言います。
なぜこれといった理由も無しに休むのか・・構造的な問題だという指摘もあります。上下関係をものすごく気にする社会で、しかも想像を超える競争社会なのに、大企業に就職できる人は他国に比べて少ない(経済全体において大企業による部分が大きいのに、雇用創出などは日米にくらべてずっと少ない)ので、いっそのことやめてしまったという見方もあります。こういう部分は、中国の「寝そべり」と似ていると言えるでしょう。また、ただ「目(職場に求める基準)が高すぎる」という話もあります。どれ「だけ」が理由ではなく、複合的なものではないでしょうか。ニュース1(17日)がこの問題を取り上げ、「青年層の労働市場離脱が深刻」という題の記事を載せました。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・昨年、20代、30代の「休んだ」人口が71万7000人となった(※20代の場合、全20代人口の7%を超えています)。関連統計を集計した2003年以降、最高値だ。「休んだ」とは。求職も学業もせず、休んでいる非経済活動人口をいう。17日、韓国経営者総協会によると、20・30世代の休んだ人口は2022年パンデミック以後、いったん下がった後、3年連続急な増加傾向を見せている。実際、2030世代の休んだ人口は、2021年の67万5000人から、2022年には62万2000人に下がった後、2023年には64万4000人、2024年には69万1000人に増加し、2025年には71万7000人に増加した。協会は、「労働市場に参入する段階から離脱してしまった青年層の規模が70万人を上回るにつれて、国家成長潜在力低下が懸念される状況」と明らかにした。
特に、中小企業及び臨時・日雇い雇用から離脱した青年が「休んだ」人口に流入する傾向がはっきりと現れた。20・30世代休んだ人口71万7000人のうち59万8000人(83.4%)は、就職経験があることが分かった。「休んだ」青年の約16%程度だけが、就職経験がないことが調査された。就職経験がある59万8000人のうち28万5000人(47.7%)は、最近1年以内に就職経験があることが分かり、労働市場への参入以後に離脱した事例が少なくないと見られる。2030世代休んだ人口のうち最近1年以内に職場があった青年の主な退職事由は、「個人的理由」(36.6%)、「作業条件不満足」(29.9%)、「臨時・季節的な仕事の終了(19.1%)」などの順だった。作業条件の不満足率が30%水準で高く、賃金だけでなく組織文化、仕事と生活のバランスなど、雇用の質的要因が大きな影響を及ぼしていることが分かる(ニュース1)・・>>
4日にも引用した内容ですが、韓国の全就業者を1次労働市場(プライマリー・レイバー・マーケット、賃金など労働条件、安定性、昇進の機会などにおいて優れている職業のこと)と、2次労働市場(そうではない労働)に分けたデータがあります。ブリッジ経済というメディアの記事(4月12日)です。記事は「1次労働市場」を「大企業の常用職や雇用主など」としています。零細自営業者や中小企業(常用職、または臨時色でも)を2次にしています。ちなみに、一般的に雇用期間が定められていない、または1か月を超える期間の契約による労働者が「常用職」、それより条件思わしくない・短い人たちを「臨時職」と言います。その結果、全就業者の84%が「2次労働市場」にいた、とのことでして。これの影響なのか(高学歴だからそんなところには就職したくないという心理もありますし)、20代が求職をあきらめるばかりで、20代全人口の7.1%が求職を断念している、とも。
最後のこの段落はジェミニの説明ですが、日本におけるプライマリー・レイバー・マーケット(一次労働市場)の比率は、「明確な定義値はありませんが、一般的な指標となるのが正規雇用者の割合」であり、そのデータで見ると、雇用者全体の約6割です。一方、セカンダリー・レイバー・マーケット(2次労働市場)を指す一般的な指標は「非正規雇用者」で、こちらは約4割です。日本でも結構前から労働市場の二極化、非正規雇用問題が指摘されてきましたが、それでも約40%。基準が多少異なるとは言え、韓国では84%が「2次」になっているわけです。 今日の更新はこれだけです。明日11時頃に再開します。今日、更新が遅くなって申し訳ありませんでした。本エントリーのコメント欄は日韓首脳会談関連でも自由にお使いください。
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。