分かりやすさがウリである、終戦宣言シリーズです。つい2週間前まで「米国と終戦宣言にちうて協議していて、文案まで議論中だ」としていた韓国ですが、それから米国側から何かの反応や発表はありませんでした。また、12月1日から開かれる米韓安保協議でも「終戦宣言は議論されないだろう」と話しました。
すると今度は、韓国大統領府「関係者」が韓国側の取材陣と会い、「中国と終戦宣言について論じている」と話しました。北京冬季オリンピックをきっかけにした終戦宣言を推進している、というのです。つい2週間前に「文案を作成中」としていたその米国は、オリンピックに外交的に不参加すると言っていますが・・どうするつもりなのでしょう。以下、イーデイリーの記事です。<<~>>が引用部分となります。
<<ソ・フン大統領府国家安保室長が、来月初めに中国を訪問、終戦宣言の推進について議論する。大統領府の核心関係者は30日、取材陣と会って、「韓中両国は高位級交流を通じて戦略的疎通を維持している」とし「両国は終戦宣言を協議中であり、確定次第、詳細な状況を追加的に知らせるだろう」と明らかにした。ソ室長は今週中、杨洁篪 中国中央政治局委員に会い、北京冬季オリンピックを契機とした終戦宣言推進の可否を議論する計画だという・・
同関係者は北京オリンピックに対する国際的な外交的不参加トの動きについて、「北京オリンピックが南北関係改善のための転機となり、世界平和に寄与するきっかけになることを望むという基本立場に変わることはない」と話した・・・・また、台湾の潜水艦の開発に韓国を含む7カ国が支援を与えているというロイター通信の報道については「事実ではなく、個人レベルで違法に(潜水艦)情報を提供したことがあるかどうかについては確認中だ」と話した。ソ室長の訪中と関係があるかという質問については「知っている限り、関係ない」と答えた>>
一方、米国は、相変わらず「案件そのものを避ける」スタンスです。どうせ話したところで「米韓の間で異論が出た」というニュースだけ広がるから、案件そのものを封じている、そんなところでしょう。ここからはペンアンドマイクの記事です。
<<米国国防部は29日(現地時間)、北朝鮮核抑制のための米国の核傘政策に変化がないという事実を再確認した。また、第53回韓米安保協議会(SCM)にて、終戦宣言についての議論はないだろうと線を引いた・・・・ロイド・オースティン米国防長官は30日、第53回韓米安保協議会(SCM)出席のために韓国を訪問する。オースティン長官は、ソウルで国防長官に会い、在韓米軍部隊を訪問すると明らかにした。
これに関連して、カーリン米国防部政策副次官は、「オースティン長官が抑止政策を含めて生産的議論を進めるだろう」とし「それに先立って何らかの変化に言及する理由はないと思う」とした。ジョン・カービー米国防総省の報道官も同日、ブリーフィングでオースティン長官が第53次SCM出席のため韓国を訪問するとし、「この年次会議は韓米同盟の発展に中心的な役割を果たしており、両側は同盟の継続的な発展を約束すると予想される」とした。彼は「今回のSCMで幅広い事案が議論されるだろう」とし「中国、そして中国が域内に引き続き提起する挑戦に対する議論があると予想される」と話した・・
・・一方、カービー広報担当は、終戦宣言と関連して今週に発表がなされるかという質問に「それに対する発表は予想していない」と線を引いた。彼は、オースティン長官の議論内容には韓米日協力も含まれていると明らかにした。カービィ広報担当者は「韓日両国が、時には緊張関係であることを、米国は念頭に置いている」としながらも「私たちは空中でも海上でもさらに地上でも、訓練と作戦において三者(協力)の機会に真の可能性があると思う」とした>>
誰がどこからどう見ても、「米国に話したけど相手にされず、とりあえず『かなり協議が進んでいる』と言ったのにそれでも相手にされず、今度は中国に行って終戦宣言を議論するとし、わざとその内容を漏らした」流れです。中国側としては、やることは一つです。本当に終戦宣言まですることは無理があるでしょうけど、「いいですとも、議論しましょう」として、韓国が北京オリンピックに『外交的な参加』をするように仕掛ければ、結果に関係なく、中国は得をします。
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