最近よく取り上げている(韓国メディアも複数の記事を出しています)「自主派」と「同盟派」の話。前者は、米韓同盟が弱体化されても問題ないという主張で、後者は米韓同盟が無いと安保を維持できないという主張です。日本の場合は「日本の防衛力増強」と「日米同盟強化」がほぼ同じものとして論じられていますので、この議論は日本からするとかなり違和感があります。前にも書いたことがありますが、韓国は「自主(的に)」「主体(的に)」という言葉に憧れていて(いままで無かったから、でしょうか?)、こういう言葉に弱いという側面もあります。北朝鮮の独裁思想である「主体思想」のネーミングセンスもそうですが。李在明大統領は自主派で、駐韓米軍のことを「外国軍隊(が無くても問題ない)」という発言をしたり、最近特にこのテーマが盛り上がっています。そんな中、CBS(ノーカットニュース)と韓国日報に、同じ5月6日にそれぞれ自主派と同盟派の典型的な見解が載っていたので、両方から該当部分を引用してみます。以下、<<~>>が引用部分です。
<<・・可能性としてみると、在韓米軍の削減より、彼らの役割の調整(※中国など北朝鮮以外の地域にも対応する体制を取る)がより現実的だ。ブランソン司令官は昨年8月、「(在韓米軍が)一箇所に固定されているのは軍事的に実用性が落ちる」と戦略的柔軟性を強調した。同様の時期にダラル・カードル米海軍参謀総長は「(台湾有事の時に)韓国軍も明らかに一定の役割があるだろう」とさらに一歩進んだ発言をした。実際、在韓米軍は今年に入って、私たちの反対にもかかわらず。パトリオットなどを中東に搬出した。黄海で戦闘機を発進させ、中国と軍事衝突を負うこともした(※戦闘機が対峙しました)。イラン事態にて米国は、私たちの意思にかかわらず私たちを巻き込もうとしている。ホルムズ派兵要求はその一部に過ぎない。
このような一連の状況変化は、在韓米軍の存在理由を真剣に問いかける。米国の新しい国防戦略は、対北朝鮮抑制は韓国が専担し、米国は「決定的だが制限された支援」(核の傘)をするということだ。これにより、節約した力で中国を牽制しようとする計算だ。しかし、これは韓米相互防衛条約に反する可能性が大きい。この条約は、米国は軍事基地の提供を受けて、韓国を外部攻撃から守るという契約だ。条件が変わったら契約書を書き換えることが理想的に正しい。もし在韓米軍が私たちの最大のリスクである北朝鮮ではなく、中国に向けられた存在であれば、莫大な費用を払いながらまで、駐韓米軍を留めておかなければならないのか、という根本的疑問を生むことになる。中国を常時刺激し、やや衝突する恐れがあり、安保において得よりも失うものが大きい可能性があるからだ。
問題は、在韓米軍を減縮するかどうかが話題になっているが、それより可能性がより大きいのは、役割調整(戦略的柔軟性)のリスクだ。それを見落としやすい。兵力削減は量的な変化にとどまるが、役割調整は、それとは次元が異なる質的な変化だから、冷徹な判断が切実だ。在韓米軍はすでに数十年間、私たちの意思とは無関係に一方的に縮小してきた。それでも韓国は、何とか自主国防力を育てて、揺れなかった。軍事強国となった以上、見方も変わらなければならない(CBS、自主派の意見)・・>>
<<・・(※北朝鮮は相変わらず強硬な流れなのに)韓国では正反対だ。韓米連合軍将兵らは連合訓練などに余念がなかったその時、鄭東泳統一部長官は韓米連合軍事機密に該当する北朝鮮核施設情報を公開的に言及した。米国側の抗議を誘発して以後、対北朝鮮核関連情報の共有制限につながったという報道が続いた。李在明大統領は、イスラエルと不要な外交的摩擦を誘発し、在韓米軍司令官の「条件に基づく戦時作戦統制権転換」発言に対しても「特定国家への依存を縮小」を強調する発言を出した。魏聖洛 国家安保室長も、韓米関係を「正常な協力状態に早急に正さなければならないと考えており、そのような方向に米国と協議を進めている」と言及して、同盟の亀裂を認めた。これは単純なノイズではない。同盟弱化のシグナルはそっくりそのまま抑制力弱化を意味し、相手側に「攻撃の可能性」という間違ったサインを送ることになりかねない、最も危険な条件だ。
特に北朝鮮のように弁証法的戦略・戦術を駆使する行為者にとって、同盟の亀裂はすぐに行動誘引を提供する信号として作用する。米韓同盟は、北朝鮮が負担しなければならない戦争費用の高度化を強要する防衛優位の核心構造だ。韓米連合防衛体系の統一された連合指揮体系、及び情報・打撃力量の優位は、北朝鮮に「冒険などするな」と語っている。1953年の休戦以来、約73年間、大韓民国の繁栄を維持してきた核心基盤だった。すべての戦争は、誤判定から始まり、同盟の介入意志が不確実になったときに起こるものだ。韓米同盟はそのような不確実性を無くすための核心である。今必要なのは、韓米連合防衛態勢の強固化と、同盟結束の強化だ。したがって・・・・同盟の信頼を弱化させる要因たちががもたらす結果は、あまりにも自明である。抑止力は弱くなり、戦争勃発はより近くなるだろう。そして最悪の結果を誘発した政治家たちは、責任を負う隙もなく、そのすべてを国民が背負うことになるだろう(韓国日報、同盟派の意見)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。