盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領のとき、日米関係が強化され、米韓・日韓関係は何の動きも見せないでいたときのことです。韓国では、「何もしなくても、うまく解決される。なぜなら、相手側(この場合、米国)が韓国に声をかけてくるから」という主張が広がりました。韓米同盟のほうが日米同盟より重要だし、北朝鮮問題を放っておけない米国は、韓国に歩み寄るしかない、そんな内容でした。Don’t think, nor feel(考えるな、あと感じるな)といったところでしょうか。
去年の夏あたりから、だと思います。5月の韓米首脳会談が終わっても、韓米関係に目に見えるほどの改善が見られなくなり、むしろ多国間会議などで韓米首脳会談が開かれなくなった、そんなタイミングです。韓国でまた、「米国は韓国に頼るしかない。何も心配しなくていい」という話が出てきました。結構多くのメディアで紹介された事例だと、金基正(キム・ギジョン)国家安保戦略研究院長の主張があります。彼は、文在寅大統領候の外交ブレーンの一人です。
<<・・韓国は、経済成長、軍事力の成長、誇りと民度の上昇、市民性に基礎した防疫の成功などで、米国にとって、国際社会でより活用価値の高い存在になった。日本は、米国が考える対中国包囲網の真ん中に自ら進んて入ったが、韓国は一歩下がったところに立っている。これは、米国が韓国にそんなポジションにいてもいいと認めたということだ。日本と違って、韓国は自由に動ける。米中対立が激化すればするほど、そんな私たちの外交の柔軟性が重要になる。
ワシントン政界は、一歩下がったところにある韓国を十分に活用することが、米国の国益のために良いと判断している。米国は、過去のように「在韓米軍撤収するぞ」と、韓国の不便な心理的依存性を圧迫することはできない。そうするには、韓国があまりにも大きくなりすぎてしまったのだ・・(ソウル新聞、2021年9月7日)>>
今年になってからもまた、似たような意見が目につきます。それも、仮にも専門家を名乗る人たちによって。<<・・(※通貨スワップ問題や大使内定が遅れている問題など、韓国が日本に比べて低く見られているという指摘に対して)シン・ボムチョル白石大学招聘教授は、「文在寅政府任期末という側面と、米国も国内政治状況が良くないという側面が重なり、歩みが乱れているように見ているだけ」とし、「韓米関係が滑らかではないと見えるかもしれないが、米国の立場からすると、韓国の戦略的重要性は 米中競争が熾烈になるほど重要になるため、結局は正常化されるだろう」と話した・・(ニュース1、1月4日)>>
実は、まったく同じパターンが、日韓関係関連でも広がっています。東亜日報の日本特派員が書いた記事で、本ブログではちょうど元日にエントリーしましたが、<<・・岸田首相は「外交的解決法を模索しよう」という韓国側の提案に応じていない。このような姿勢は来年7月、参議院選挙まで続く可能性が高い。それまで岸田首相は、前任安倍晋三、菅義偉首相の外交安全保障政策を踏襲し、保守層の結集を誘導しなければならないからだ。もし来年参議院選挙でも自民党が勝利すれば、状況が変わるものと見られる。政治基盤を固めた岸田首相が、いよいよ自分の色を表わすことができる。今、韓国側に必要なのは、雰囲気が熟するまで、待ってやる知恵であろう>>、とのことでして。詳しくは過去エントリーを御覧ください。
いつものことですが、『どうしようもない』を認めたくない、ただそれだけのために「K(奇)理屈」を並べているだけではないのか・・そんな気もします。心がK(曇って)いるだけかもしれませんが。なんというか、悪い意味で『両班』的です。「両班は水に溺れても、あがいたりしない」といいますし。知らんけど。
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