韓国、K(変わる)防疫・・防疫当局の主張が変わりすぎ

大統領選挙は終わりましたが、まだまだ尹 当選者のことばかりで、他にはこれといって目立つニュースが無い、そんな状態が続いています。そこで気になるのは、前から一部の専門家によって言われていた「政治防疫」です。大統領選挙が終わったあとが特に大変なことになる、という内容でした。

昨日は大統領選挙だったので、今日発表された数値は、前日よりは下がっています(それでもかなり問題ですが)。今朝発表値(3月10日分データ)では、新規感染者28万2987人。重症患者は現状1116人。去年11~12月に重症患者数が大きな問題になったとき、1000人台になってからは特に大変でした。病床は確保しているとのことですが。そして、亡くなった方が229人。イーデイリーが集計した数値によると、1週間の新規感染者(韓国で言う確診者)は、5日発表値から、25万4327人→24万3626人→21万716人→20万2721人→34万2446人→32万7549人→28万2987人。

今回も、本当に大統領選挙のあとのタイミングで感染者が増加するなら、来週の水曜日の朝に発表される数値が山場になるのでは、と思われます。韓国経済の記事から、韓国政府の新しいKの防疫がどんなスタンスを見せているのか、引用してみます。引用部分には<<~>>をつけました。

 

<<・・ピークを見極めてから防疫措置を調整すると言っていた当局だが、頂点が見える前に緩和を決定してしまった。そしてそのすぐ後に「2~3週間後にはピークが来るだろう」と言った。じゃ2~3週間待てばいいだろうに、増加幅が大きくなる時点にわざわざ緩和を断行したのだ。常識外の決定なのに、納得きるほどの説明もなかった。ただ「自営業者たちの苦痛を無視できなかった」(3月4日ジョン・ヘチョル行政安全部長官)という発言だけだった。新規確診者が今の10分の1に過ぎなかった、1ヶ月前。「今は『安全運転』が必要な状況だ。自営業者たちが苦しいのは分かるが、どうか理解してほしい(2月4日、キム・ブギョム国務総理)」と言っていた政府なのに。だから「自営業者票を意識した政治防疫ではないか」という疑惑が出てくるわけだ。

わけわからないのはこれだけではない。 「食堂・カフェなどの営業時間の延長より、(一つのグループの)人員制限を緩和するほうが、防疫的にリスクが低い(1月17日、クォン・ドクチョル保健福祉部長官)」と言っていたのに、それから、人員(6人)はそのままにして、営業時間(夜9時→11時)だけ緩和した。営業時間を1時間延長するたびに、確診療者が最大10%増える恐れがあるとも言っていたのに。防疫パス(※ワクチン接種完了、陰性証明などが無いと店に入れないようにする制度)も、「ソーシャルディスタンスなどより効果的だ(2月15日、ソン・ヨンオ中央事故収拾本部社会戦略委員長)」と言っていたし、「防疫パスを中断する計画など無い(2月25日、イ・ギイル中央災難安全対策本部統制官)」とも言ったのに、それから3日後に廃止した。1カ月半前、「新規確診者3万人程度」(1月25日、金総理)としていたピーク予想は、30万人を超えた。 「季節インフルエンザと似ている(2月21日、ソン・ヨンレ中央事故収拾本部班長)」としていたオミクロンは、去る9日だけで206人の命を奪った・・>>

 

引用部分にはありませんが、記事はちゃんと「オミクロン変異株の特性を勘案すると、防疫を緩和してリスクの高い人たちを集中的に管理する方向性は正しい」、「自営業者たちにいつまでも犠牲を強要することもできない」と書いているし、それはたしかにそうです。でも、こんなに一貫性がなく、政治防疫と言われるほどわけわからないタイミングでやるとは、これはどういうことだ。そういう記事の趣旨もまた、同意せざるを得ません。

ただ、記事は「国民の理解と参加を求めることも無視した影響が大きい」としていますが・・本当にそうかな、と。前にも新型コロナ関連エントリーで書きましたが、政府だけの問題でもないでしょう。そう簡単に意見一致が見られる社会柄でもないし、政府が決断しないといけない場面もあるでしょうし(その決断がズレるから問題ですが)。拙著『卑日』には、K防疫について書いた部分もありますが、今でももっとも気になるのが、『防疫政策を決める人たちに、専門家はいない』とする主張です。

防疫の初期には、外部の専門家で構成された中央臨床委員会という専門家グループがあって、1~2カ月ごとに科学的な根拠に基づいてブリーフィングもしていたけど、2021年6月頃、中央臨床委員会が、当時のK防疫の『定義』としては決して成立しない意見を出します。新型コロナ感染がすでに地域社会に広がっているので、当時のK防疫のような『ゼロコロナもどき』な方式では対処が難しく、ウィズコロナを目指す形に防疫政策を変えなければならない、という意見を出します。すると、そのときから中央臨床委員会の声は政府の防疫政策に反映されなくなった、という内容でした(2021年12月13日メディカルタイムズ)。韓国の政府機関「食品医薬品安全処」に審査委員として勤務していた人が書いた内容なので、特に記憶に残っています。ま、そういうことじゃないでしょうか(どういうことだ)。

 

 

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