実は尹錫悦大統領の頃からずっと続いていて、実はその前から発表されていたものを「合わせた」(1箇所に集めて大規模にした)だけじゃないのかという話もありますが・・韓国が国策として進めている大規模半導体団地。一部からは「大規模投資による量産体勢の確立は重要だけど、これからの半導体はそれだけではうまくいかない(カスタム専用チップなど)」という反論も出ていますし、そもそも電力とか水とか大丈夫っすか?という話もありますし、今回だって政府支援もあるもののほとんどは民間からのお金でやるわけなので、そういうやり方でなんとかなるんだったら、とっくにサムスン電子あたりがやったはずでは・・などなどの話もありますが、はてさて。中央日報(12日)が、「送電網だけで13年かかりますぜ」という記事を載せました。韓国政府としては本当に聞きたくない話でしょう。また、日本や中国の実例を持ち出して、「他の国は、やり方が違うよ」とも。結構長い記事ですが、ちょっとまとめてみます。いろいろ言われている「電力や水は大丈夫?」について、だろうとおもった~な内容がいろいろ書いてあります。以下、<<~>>が引用部分になります。
<<・・TSMC(台湾)が日本に半導体工場を建設すると発表したのは2021年10月だ。同年11月に熊本工場の建設を正式決定すると、熊本県はわずか9日で「半導体産業集積強化推進本部」を発足させた。着工から工場の完成、量産に至るまで3年のロードマップを組み、実際の2024年末に量産を開始した。用地・電力・用水・道路を個別に準備したのではなく、工場建設と同じタイムスケジュールに乗せたインフラの「スピード戦」が生んだ結果だ。李在明大統領が10日、西南圏半導体クラスターを巡り「日本の熊本に負けない速度」を指示した背景にはこれがある。問題は、韓国のインフラ構築のタイムスケジュールだ。半導体ファブ(工場)自体は3年前後で建設できるが、大規模な産業団地に電気を供給する送電網は、計画から竣工まで平均13年かかる。先端産業の投資速度に電力や用水などのインフラ整備が追いつかない構造が、産業競争力のボトルネックとなっているのだ。
中国は、電力網や用水管などのインフラをあらかじめ確保した上で半導体ファブを誘致する手法でスピード戦を展開している。長鑫愽術(CXMT)の合肥ファブAは2017年3月に着工し、翌年1月に第1段階の工場建屋を完成させた。着工からわずか10か月後のことだ。韓国の事情は日本や中国とは異なっていた。SKハイニックスが龍仁 半導体クラスターへの投資計画を公表したのは2019年2月である。当時は用地整備が終わる2022年以降にファブ建設に入る計画だったが、実際に最初のファブが着工されたのは2025年2月だった。最初のクリーンルーム稼働目標は2027年2月であり、計画発表から実に8年を要したことになる。
工場そのものよりも、それを支えるインフラ確保のプロセスに時間がかかった。環境影響評価や土地補償が長期化し、水の確保を巡って地域間の葛藤も表面化した。龍仁半導体クラスターは2021年5月に用水供給施設の許可を申請したが、取水地点を管轄する驪州市が反対し、協議がまとまったのは2022年11月だった。送電網のタイムスケジュールはさらに長い。韓国では345kVの送電線路を基準にすると、計画から竣工まで平均約13年を要する。現在推進中の送電網整備も各地で滞っている。第11次電力需給基本計画と連携した主要な送・変電網事業54件のうち、20件で遅れが生じている。住民の苦情や自治体の許認可などが主な原因だ。
一方、中国は国家主導で大規模な送電網を急速に構築している。超高圧直流送電(UHVDC)の主な事業は2〜3年前後で工事を終える。日本も大型送電網の構築には長い時間が必要だが、熊本は工場誘致の直後に電力供給網を用水・交通などの他のインフラと並行して推進した上、既存の電力網などを活用できたためスピード戦が可能だった。
クォン・ソクジュン成均館大学化学工学部教授は、「CXMTや長江ストレージ(YMTC)のファブ増設スピードの核心は、ファブが建設される瞬間にはすでに変電所と用水管が待機している先行建設にある」とした上で、「半導体はタイミングの産業だが、ファブ建設に3年、インフラに10年かかれば、事業の機会自体が失われかねない」と指摘した。
インフラ建設の大幅な遅れが続く中、半導体やデータセンターが要求する電力・用水の規模は、従来の需要予測すら大幅に上回っている。西南圏の半導体クラスターでは、半導体ファブや人工知能(AI)データセンターなどに膨大な電力が必要とされる。新規の半導体産業団地に必要な工業用水だけでも1日65万トンと試算されており、これは現在、光州(※クァンジュ、韓国の広域自治体の一つ)地域に1日あたり供給されている生活用水の規模を超える量だ。
気候エネルギー環境省の関係者は、「過去は人口変動などを中心に電力や水の需要をある程度予測できたが、データセンターや半導体のように特定地域で一度に大規模な需要が発生するのは、これまでにない新たな課題だ」と述べている。
過去よりも精緻で一貫した計画が求められているが、それを実行する主体は省庁ごとに分断されている。国家産業団地の指定や道路・鉄道などの交通網は国土交通省が担当し、電力や生活・工業用水は気候省が担当している。気候省の発足により電力と用水が同一省庁の管轄にはなったものの、電力は『電力需給基本計画』および『長期送・変電設備計画』、用水は『水道・水資源関連計画』といった異なる体系で運用されている。
さらに、水に関しても「管轄の区分」が存在する。国内の水利用量の63.1%を占める農業用水は農林畜産食品部(※省のようなもの)が担当し、生活・工業用水は気候部が担当している。先端産業で突如として大規模な水が必要になっても、国全体の水資源を一本化して用途変更や供給の優先順位を柔軟に調整することが難しい構造になっている(中央日報)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。