韓国政府機関審査委員「日本は国民に補償する防疫を、韓国は国民に背負わせる防疫をした」

昨日(3月11日)のデータが発表されるのは9時半なので、本エントリーを書いている時点ではまだ未発表です。しかし、昨日の21時時点で、34万4712人の新規感染者が確認されています。これだけでも、今ままで最多記録となります。昨日もお伝えしましたが、「ちょうど大統領選挙が終わった後に、感染者がまた一段と増える恐れがある」としていた専門家たちの警告が、現実味を帯びてきました。朝の発表値は後で追記します(※追記・・新規感染者38万3665人、重症患者 現状1066人、亡くなった方は269人でした)。

 

K防疫が旧バージョンも現バージョンも頼りないという話は昨日もしたので、今朝は、ちょっと別の方向性からアプローチした記事を紹介したいと思います。前にも本ブログで、韓国の政府機関「食品医薬品安全処」審査委員出身のライター、カン・ユンヒ氏の寄稿文を紹介したことがあります。韓国の防疫は専門家が決めるものではない。そこが日本とは違う、そんな内容でした。同じカン・ユンヒ氏が、また韓国の防疫を日本と比べる寄稿文を書きました。今回のカン・ユンヒ氏の寄稿文は、そのソーシャルディスタンスによってどれだけの費用が発生し、誰がその負担を引き受けたのか、という内容になります。カン・ユンヒ氏は、「いままで、日本は国家主義な国柄だと思っていた」のに、個人の自由を尊重し、補償のために頑張ってくれたのは日本で、韓国はその逆だった、とも。

まず、韓国では防疫措置を「社会的距離置き」と言います(他の国でどうなのかはよく分かりません)。単に他人ある程度の距離を置くだけでなく、なんというか、もっと全般的な意味での防疫措置をそう言います。店の営業時間の制限なども、すべて社会的距離置きに含まれます。原文でもそうなので、そのままにしました。

理想論が入りすぎかもしれませんが、「社会的距離置き」は、国民の日常、特に自営業者の皆さんには負担が大きいので、『必要最小限』が望ましいでしょう。もちろん、どれぐらいが必要最小限なのか分からないから、データも無いから、問題ですけれども。ただ、日本と韓国が実施した社会的距離置きの『強度』を比べてみた人がいます。ソース記事では「2021年2月の公開討論会で発表されたもので、キム・ユン教授の発表資料」だそうです。

その資料は、日本と韓国の、新型コロナ感染者数など各種データと、実施されている社会的距離置きのレベルを対比して作成したものですが、韓国を43にすると、日本は18だったそうです。これは、同じ数の新規感染者を前提にした場合、韓国が日本に比べて2.38倍の高強度「社会的距離置き」をしてきた、という意味です。ここからは支援関連の話ですが、前にも似たようなエントリーもありましたし、ここからは引用してみます。引用部分には<<~>>を付けております。

 

<<・・新型コロナ防疫による休業、営業時間制限に対する支援金などの割合も、国際通貨基金資料によると、韓国はGDP比16.5%、日本は45.0%だ。日本がGDP比で韓国の3倍以上の費用を投資したのだ。その結果、日本は2021年の自営業者の倒産件数は1964年以降、57年ぶりに最低、東京の休・閉業なども8.7%減少したという・・・・一方、韓国は、新型コロナ防疫による自営業者などの被害支援が、先進国の中で最も小さい国に属する。それにもかかわらず、我が国のGDP対比国家債務比率の上昇率は高い方だ。何よりも、2020年の我が国のGDP対比家計負債は世界1位だ。つまり、韓国は政府の借金より家計負債が相対的に増えたのだ。

筆者は、日本を国家主義だと思っていた。つまり、国家のために個人の自由を犠牲にしなければならない、そんな国柄だと思っていた。ところが、新型コロナ防疫の面で、日本はむしろ個人の自由を尊重し、個人の被害を政府が補償してくれる国であった。韓国は、個人が国家の誤った政策により犠牲になり、しかもその各個人が責任を負わなければならない、そんな国であると分かった。政府は、今すぐK-防疫の自慢をやめ、痛烈な反省でコロナ白書でも書いてほしい(メディカルタイムズ>>

 

もう1つ気になる部分は、「韓国はコロナ診療のほとんどを『公共医療』機関に依存しすぎた」という指摘です。まだK防疫が各種基準を緩和する前、ゼロコロナもどきだった頃、とりあえず見つけ出して検査して隔離(入院)させるシステムだったのも、その背景にあると思われます。で、これが何で問題なのかと言うと、カンユンヒ氏はこう指摘します。「ほとんどの民間医療機関は、コロナ診療に対する経験を持つことができず、コロナ確診者の一般診療に対する経験も共有できなかった。例えば、民間医療機関は、コロナ感染が確認された妊婦、小児熱性痙攣などに対し、診療を行うことができるシステムを備えていなかった。このため、韓国はオミクロンの広範囲な感染(公共医療機関だけではどうにもならなくなった)に、まったく備えることができなかった」というのです。やはり、現場に関わる人には、いろんな側面が見えるものだな・・と思いました。

 

 

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