韓国各メディア、「隠れオミクロン」を集中報道・・「病院にさえ行かなければ、誰にもバレないで済む」という間違った選択

ようこそいらっしゃいました。今日、2回目の更新です。またもや新型コロナという重い内容で恐縮です。いつも重い話ばかりではありますが・・

今日は「シャイオミクロン」について、です。例えば、トランプ氏を支持し、選挙では彼に票を入れながらも、普段は「私はトランプ支持」とあまり示さない人たちがいます。そういう場合を「隠れ(シャイ) トランプ」と言います。韓国でも、主に政治関連で使います。本エントリーでは「隠れ~」に訳したいと思います。

昨日あたりから、大手からネットメディアまで、隠れオミクロンについての記事が急激に増えました。いくつかの記事が出ていますが、ソース記事「デイリアン」の最初のまとめの部分がもっとも分かりやすく書いています。「隠れオミクロン、『感染してもどうせまともに診療・治療してくれない』と検査の必要が無いと思っている」・「会社員の場合、生活費支援も10万ウォンに減少したし、感染しても隠して普通に働いて月給を受けたほうがいい」・「(※自己検査キットで陽性結果が出ても、PCR検査を受けるために)病院にさえ行かないなら、私以外は誰にも分からないではないか」・「専門家『政府のインフルエンザレベル発言が、間違ったメッセージになったのが最も大きな問題、自営業者に別途の補助金が必要」。

 

「隠れ」さんたちは、どこの国にもいると思います。むしろ、いないと言い切れるほうが怪しいでしょう。でも、ここまで各紙が同じ趣旨の記事を出しているということは、状況はあまり思わしくないようです。韓国では、PCR検査数が限界に達したことで、まず自己検査キットで陽性になった人だけ、PCR検査を受けることができるよう、制度が変わりました。あれだけ自負していた「K防疫」の特徴(いろいろありますが、徹底してPCR検査が基本でした)を廃止したわけです。ですが、その結果、自己検査キットで陽性が出たにもかかわらず、病院で迅速抗原検査を受けたり、PCR検査を受けず、そのまま「誰にも言わなければいい」とする人たちが急増している、というわけです。

 

ソース記事からいくつかの隠れオミクロン事例を紹介しますと、Aさんは新型コロナと疑われる症状が出たものの、「でも、PCR検査は受けない。そのまま出勤する」と言います。もし新型コロナ感染で隔離(7日間)になっても、生活費支援金10万ウォンで、有給休暇も受けられないのが理由です。普通に出勤して、生活を続ける、と。 Bさんは自己検査キットで陽性が出たけど、「PCR検査を受けに病院に行ったりはしなかった」、「もし陽性と確定しても、特別な治療もしてくれない。検査を受ける必要がないじゃないか」と話しました。

Cさんは、「自己検査キットで陽性になっても、事前に予約したミュージカルには行くかもしれない」、「自己検査キットと、自律的に受ける検査だけだから、私が病院にさえ行かなければ、私が新型コロナにかかっても誰にもバレないではないか」と話しました。特に自営業者の場合、日本に比べて各種補助金が少ないこともあって(※過去エントリーで取り上げたことがありますが、テーマを変える前のもので一部の書式が消えている点、ご理解ください)、隠れオミクロンになる可能性がもっと高い、とも。以下の<<~>>部分だけ、ソース記事から引用してみます。

 

<<・・ジョンギソク ハンリム大学ソンシム病院院呼吸器内科教授は、「以前は、『感染を報告して、保護を受けなければならない』という考えがあった。しかし、政府からして『インフルエンザ水準だ』と言うから、国民は気が緩くなるしかない」とし「必要以上に怖がらせる必要もないだろうが、隠れオミクロンが増えるほど安心させるのも問題がある」と指摘した。

ジョン教授は「隠れオミクロンを減らすためには、各個人が防疫をちゃんと守るようにお願いするしかない」とし「また、素早く、ちゃんと治療するという姿を見せなければならない。いまは、もう新型コロナに感染しても保健所から連絡すら来なくなったが、せめて重症化する前に診療して、薬を処方して、重症患者が増えないようにしなければならない」と話した・・>>

 

でも、昨日もお伝えしましたが、肝心の治療剤が足りない状態ですから・・本当に「薬を処方」することが出来るのでしょうか。韓国のワクチン協会「大韓ワクチン協会」のマ・サンヒョク副会長が、SNSなどに「いま、防疫に関しては、『政府』が存在しない状態だ」と投稿し、複数のメディアがそれを伝えています。去年11月と同じく、重症患者の治療において、全員治療できず、『選択』しなければならない状況が近づいている、とも。

 

 

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