明日から、いよいよ放流が始まります。いままでは「予想」による部分があったものの、これからは確実なデータ収集などが重要になってくるでしょう。韓国側でも、いままで「処理水は安全です」という主張をしてきた人たちをはじめ、科学に基づいた見解を述べる人たちもいて、その意見を取り上げるメディアもあります。しかし、ほとんどはそうではありません。あるセミナーで、「『科学』より『怪談』を主張する人たちは、事実そのものには関心が無い。ただ、こちらが何か失言をするまで、同じことを繰り返して言ってくるだけだ」という主張が出ましたが、まさにそのとおりです。
ソウル大学原子力工学科キムギヒョン教授が関連セミナーで話した内容で、「(怪談派は)、説明をしても、客観的な事実には関心がありません。こちらが何かの失言をするまで、『(説明)しなかったじゃない、しなかったよね』だけを繰り返して言ってきます(ペンアンドマイク)」、と。話がちょっとズレますが、某島の世界遺産関連での、日本側の失言を思い出す部分でもあります。そんな中、韓国経済など複数のメディアによると、ついに野党「共に民主党」の一部の議員が、今回の放流を理由にユン大統領の弾劾を主張しました。まだ党の路線ではないと聞きますが、党レベルでもろうそく集会を開くなど、徹底した姿勢を示す、とのこと。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・共に民主党は、24日放流が決まったことに対して、党の力を集中して総力対応することにした。 場外集会などを通じてユン政権の責任論を浮き彫りにする計画で、一部の議員は大統領弾劾の可能性まで示唆した。与党は「怪談政治だ」と対抗し、事態推移を見守る雰囲気だ。共に民主党は22日、国会で緊急議員総会を開いた。共に民主党議員約150人が参加し、「ユン政権は放流を止めるつもりが無い」と主張した。 イジェミョン代表は「国民安全緊急事態」を宣言し、「政権が国民の安全を放棄したとしても、共に民主党が先頭に立つであろう」と話した。 日本に向けては「科学的検証も、周辺国の理解も、日本国民の同意もなく、人類の公共財である海に放流するとは」と批判した・・
・・ともに民主党は今月末までを「非常行動期間」と定め、市民団体とともに本格的な場外行動に入る。 23日夕方から国会本館前で議員、補佐陣、当職者、ソウル市党内地域委員会市・区議員などが総出動するキャンドル集会を開く。一部の議員は日本大使館を訪問した。一部の共に民主党議員は、ユン大統領の「弾劾論」まで取り出した。 キムヨンミン議員はSNSを通じて「(放流を)防ぐことができないなら、ユン政権の存在理由はない」とし「弾劾事由であり、退陣運動に火がつくだろう」と主張した(韓国経済)・・>>
案の定、「日本国民の同意も得ず」というフレーズが出てきました。昨日も同じ趣旨を書きましたが、どうしても「一部政治家の問題で、日本国民はそうではない」ということにしたいのでしょう。「風評被害が懸念される88%」をそのまま「放流に反対する人が約9割」と報じるメディアがあるなど、この流れは官民共通だったりします。ただ、いまのところ、これが野党の支持率的に役立つかどうかは分かりません。すでに去年あたりから、与党やユン大統領の支持率が下がっても、それが野党の支持率上昇には繋がらない、そんな状態が続いていますので。
ちなみに、記事では「示唆した」となっていますが、一部のローカルメディアの報道によると、弾劾案を発議しよう、という話まであったとのことです。168議席あるからやろう、と。示唆よりはもうちょっとダイレクトだったのでは、な気もします。こちらも本当にやる可能性はいまのところ高くないでしょうけど、いわゆる場外行動が増え、さらに『政治案件』となっていくのは間違いないでしょう。そもそも、安全のために政治が動くのではなく、政治のために安全という単語を動かしているだけですから。相手が何かのミスをするまで、いわゆる言質が取れるまで。
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