米韓の間の衝突が続いています。各メディアも報じている通り「統一部長官が米韓連合秘密を勝手に公開発言したこと」もそうですが、いるいろ「積もってきた」ものが表出されている、というべきでしょう。鄭東泳統一部長官はかなり細かく亀城という地域に核施設があると話しましたが、これは韓国軍が「米韓の連合秘密」と認めている内容です。韓国政府は「何の問題も無い」という一点張りですが、政府の主張している「報告書などですでに公開されている情報」というのは、間違いであることが明らかになっています。各報告書のオリジナルを確認してみると、「核濃縮施設」として亀城を指摘している報告書はありません。CSISはすでに韓国政府の主張に反論しているし、ISIS(科学国際安全保障研究所)の報告書にもそんな内容はありません(一つ前のエントリーで紹介しました)。そもそも、シンクタンクの報告書に書かれていたとしても(書かれてもいませんが)、秘密案件を両国の事前協議も無しに公言するのは、理解しがたい行動です。
それでも韓国政府、李在明大統領と鄭東泳長官は「何が問題なのか分からない」というスタンスで、鄭東泳長官は「問題を起こしたのは米国かもしれないし、(韓国)内部かもしれない」とまで発言しました。なにか別の意図があって、米国、または国内の反対派が問題を起こした、という認識を明らかにしたわけです(韓国日報、24日)。まず米国がなにか「大した問題でもないのに」別の意図で騒ぎを起こしている可能性があるし、昨日、本ブログでもちょっとだけ書きましたが、米韓同盟を重視する「同盟派」の仕業ではないのか、という意味です。長官がここまで言うのもすごい話ですが・・中央日報(23日)によると、共和党国会議員たちが、米国企業への不当な措置をやめるべきだと、駐米韓国大使に書簡を伝達した、とのことでして。ちなみに、引用はしませんがMBC(24日)など複数の記事によると、もともとは1月に米国から米韓の安保関連協議団が、米韓首脳会談の安保関連内容を進めるため訪韓する予定でした。それが、まだ来ていない、とのニュースも出ています。安保協議団も来ず、王毅も来ず、といったところです。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・「北朝鮮亀城市の核施設秘密流出」論議が内部葛藤にまで拡散する兆しだ。鄭東泳統一部長官が、論議を起こした人を「私たちの内部であるかもしれない」と、事実上、「同盟派」背後説を取り出したからだ。同盟派は政府内で「米国などとの外交協力」を強調する人たちをいう。鄭長官は23日、ソウル・・・・会館で韓国宗教人平和会議(KCRP)代表会長との会合の後、取材陣に会い、「(亀城ウラン濃縮施設は)北朝鮮も、私たちも、米国も知っていて、ニュースにも出た内容なのに、それがどのように機密になるというのか」と話した。続いて、亀城核施設を取り上げたのは「長官として責任感のある警告」とも強調した。長官は先月6日、国会で平安北道亀城市を寧辺、降仙に続く第3の北朝鮮核施設と指摘した。米国は鄭長官のこのような発言が情報流出に該当すると判断し、韓国に対北朝鮮情報共有を制限していることが知られ、議論が起きた。
この日、鄭長官は、米国が対北朝鮮情報提供を制限した事実をメディアなどを通じて流出したのが誰なのかに注目した。彼は「いままでも断続的にそのような(米国の情報提供制限)ことがあったが、知られずに済んだ」とし「このように議論を大きくするのは、楽しいからやっているかもしれないが、国益に反することだ」と指摘した。続いて「それをなぜ(対外的に知らせて)問題を大きくするのか」と反問し、「問題を起こした人々に、なにか意図があるだろう」と話した。鄭長官は「(問題を起こした人は)アメリカかもしれないし、私たちの内部かもしれない」と主張した(※すなわち、「問題」の原因そのものより「問題を問題だと言った人たち」が問題の根源だと主張しているわけです。ちょっと笑ってしまいました。ソース記事は韓国日報です)・・>>
<<・・米国共和党の下院議員たちが、韓国政府の規制を問題として公開的な圧力に乗り出した。米国企業に対する不当な措置を直ちに中断するようにとの要求だ。21日(現地時間)、米共和党内最大非公式政策集会の一つである共和党研究委員会(RSC)所属下院議員54人は、マイケル・バウム・ガトナー議員主導で康京和 駐米大使に書簡を送り、「韓国で事業を運営する米国企業に対する不当な規制措置を直ちに中止すべき」と述べた。議員たちは書簡で「両国間の長い経済パートナーシップと安保同盟に対する意志を再確認する」としながらも、「韓国政府が米国企業に対して不当で標的化された措置をしている」と懸念を表した。続いて「韓国企業だけはちゃんと保護されている」とし「これは法治主義の問題であり偽装された保護貿易につながる危険がある」と指摘した・・
・・「米国企業が市場から押し出される場合、その空白はテムなどの中国プラットフォームが埋めることとなり、これは安全保障の結果につながるだろう」とした。また「米国は韓国企業にこのような政治的攻撃をしない」とし「韓国政府は米国企業に対する標的措置を直ちに中断しなければならない」と改めて強調した(中央日報)・・>>
さて、4~5月はいつもゴールドライタンとか韓国行き(墓参り)とかもあって休む日が多いですが、今年はいつもよりちょっと早めに休みをいただくことになりました。また東北に行ってきます。このまま日曜まで休んで、次の更新は27日(月曜日)に再開致します。
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。