すでに何度もお伝えしていますが、米韓同盟の「揺れ」が続いています。米韓連合秘密(北朝鮮の核施設の場所や関連データなど)を統一部長官が公言してしまったのもそうですが、実は「積もったもの」が表出したにすぎません。ずっと追い込まれていた右側(野党「国民の力」)がこの件で攻勢を増していますが、これが政治的に、例えば6月の地方選挙の支持率などになにか影響を及ぼしている・・というニュースはまだありません。「米国側の問題」とする考え方が強いためでしょう。今日取り上げる記事は二つで、一つは、中国の官営メディア環球時報の記事(デジタルタイムズ26日)で、「いまこそ韓国が外交を拡大するチャンス」というもの(笑)です。わかりやすい反応ですね。もう一つは毎日経済の記事(26日)ですが、こちらは「李在明大統領が駐韓米軍司令官を呼んで食事でも一緒にすればどうだろうか」という内容です。
韓国メディア・・というか韓国世論には、「とりあえず首脳会談すればなんとかなる」という考え方があります。今回もそれと似たような心理で、「上の人(大統領)が下の人(駐韓米軍司令官)を呼んで食事を一緒にしてあげれば、それでいいだろう」という考え方が表れていると言えます。そう、本ブログ、韓国社会を説明する際に「徳の高い人(徳が高いといっても実は『立場が上の人』にすぎません)が言えば、そうでない人は感動して教化されるという考え方がある」としてきましたが、それと似たような内容です。ちなみに、「道徳的優位」という考え方も根は同じです。「共にする」というより、「してあげる」にすぎません。食事などを通じて話し合い、信頼を積み重ねるのは確かに重要なことです。しかし、こういう「僕ちゃんマジ上司」的な考え方で、なにかが変わるのでしょうか。なにより、まずは韓国側が間違いを認めるべきでは。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・最近、韓米安保ラインで感知される摩擦が、普通ではない。意見の違いというレベルを超えて、同盟の根幹である「信頼」に亀裂が生じる兆しさえ見えている。鄭東泳 統一部長官の慎重とは言えない発言が火に油を注いだが、これまで両国間に蓄積された葛藤が、これをきっかけに一気に飛び出したようだ。大統領府国家安保室長も「正常な協力状態に早急に帰らなければならない」とし、関係復元が急がれると認めている。問題は鄭長官の「亀城核施設発言」で頂点に達した。これに対して米国側は「機密流出」と判断し、対北朝鮮情報の共有を一部制限している。鄭長官は「学術資料を根拠にした」と抗弁したが、根拠だと主張した米国CSIS側は、これを否認している(※内容が核施設だと特定するものではなかったとしています)・・・・軍事分野の問題は、これより先に始まった。
2月、黄海空中訓練の過程で韓国国防部が「米側が詫びを入れてきた」と発表すると、ジェイビー・ブランソン駐韓米軍司令官はこれに対し、正面から反論した。戦時作伝権転換を置いても、彼は「政治的便宜主義が条件より上になってはならない」とし、李在明大統領の任期内転換目標に事実上、ブレーキをかけた。 北朝鮮との軍事合意の復元と、非武装地帯(DMZ)出入権に関する葛藤まで加わり、韓米安保指揮部間の亀裂は大きくなっている・・・・そういう意味で、以前の政権の事例を振り返る必要がある。2019年5月、北朝鮮のミサイル挑発で緊張が高まっていた時期、文在寅大統領はロバート・エイブラムズ、当時の駐韓米軍司令官を大統領府に呼んで、昼食を一緒にした。
「キムチのない食事は日差しのない日のようだ」という話が話題になったその食事は、対北朝鮮制裁緩和、韓米連合訓練縮小など韓米間の葛藤要素にもかかわらず同盟間の信頼を確認してスキンシップを強化するきっかけとなった。今、そんな「スキンシップ政治」が必要だ。李大統領がブランソン司令官を招待し、温かい食事をともにし、率直な会話を交わしてみるといい。原子力推進潜水艦の導入、関税問題など山積な懸案を解決するためにも、安保の核心である在韓米軍指揮部と信頼を確認して誤解を解く出会いが必要だ(毎日経済)・・>>
<<・・中国官営メディアの還球時報が、朝鮮半島専門家の寄稿を通じて最近、対北朝鮮情報共有制限など一連の動きを通じて韓米同盟が「取引」的な関係に転換されたとし、韓国がこの機会に戦略的外交空間を広げなければならないという主張をして注目される・・・・記事は最近メディアに報じられた韓米の対北朝鮮情報共有制限などを取り上げた後、「韓米間に現れた異常気流を無視することは難しく、韓米同盟関係の「感情的基礎」と「信頼の基礎」がはっきりと損なわれた」と主張した・・・・記事は「韓米間の、これと同様の摩擦は初めて現れたわけでもなく、韓国の与党が周期的に変化することによる、構造的現象である」とし「韓国が対北朝鮮政策と対中国関係など核心議題で自主的空間を拡大しようとすると、韓米間には避けられない緊張が発生した」とした・・
・・記事は「現在、韓米同盟関係は『共同の価値観』と『長期的な約束』に基づく同盟関係から、徐々に利益計算を核心とする取引的関係に転換している」とし、「このような背景で、韓国政府が直面した核心問題は、上昇しつづける不確実性にどのように対応するかだ」・・・「韓国の立場からして核心となるのは、米国の変化を待つのではなく、『依存しながら制約を受ける』構造的ジレンマから抜け出すことができるかどうかにある」と主張した(デジタルタイムズ)・・>>
東北旅行、最高に楽しかったです。ありがとうございます。
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。
