フランスのパリでは、トコジラミ(ベッドバグ)が大きな問題になっています。いまのところこれといった感染症は確認されていませんが、噛まれると物凄くかゆいし、場合によっては発熱もありえます。それ自体も問題ですが、もうすぐオリンピックですから。まぁがんばってください、としか。日本ではほとんど話題にならず、トコジラミという日本語も、前に聞いたことはあるけど「あれ、そういえば日本語でなんというんだっけ」と思って、いま辞典から確認したところです。でも、韓国では・・そうですね、いまの若い世代ならまたどうなのか分かりませんが、40代以上の人なら、まず知らない人はいないでしょう。1970年代まで社会問題でしたから。ちなみに、韓国ではビンデと言います。インベーダーならず、ビンデーダー(HAHAHA)。
さて、韓国でも、このトコジラミ問題が大きな話題になってきました。ポータルサイトやSNSなどで빈대(ビンデ)で検索してみるといろいろと画像もヒットしますが・・地下鉄などはもちろんのこと、ホテルを含めて各種宿泊施設、チムジルバン(低温サウナ)でも多発しています。各記事、および政府・自治体は、基本的に「外国人観光客、または外国を旅行して帰ってきた人に『ついて』きたもの」としています。それはそれで事実かもしれませんし、だからこそ日本も、まだこの件が問題になっている国々も、安心できないとも言えます。しかし、個人的に、韓国の場合は、それだけでは説明できない部分があると見ています。本ブログで、住居問題関連でよく取り上げていたコシウォン(考試院)や安いワンルームなどで、同じ問題が多発しているからです。経緯にもよるとは思いますが、そんなところは外国人観光客の影響だとは言えないでしょう。
ビンデという単語の語源はたしかではありませんが、「貧」を「ビン」と読むので、それとなにか関係があるのではないか、と私は思っています。半地下、考試院など、多くの住居関連の問題、そして衛生的な問題も含めて、実は今までも問題になっていたけど、あまり話題にならなかったものが、最近のベッドバグ騒ぎによって、やっと各メディア載るようになったのではないか、私はそういう側面もあると見ています。それに、韓国の場合、外国人観光客のほとんど(8割以上)はソウルに行きます。なのに、地方都市でも問題提起が相次いでいるのも、不自然です。ちなみにソウル市は、自治体レベルで大規模キャンペーンを展開しています。ホテルなど宿泊施設、銭湯など浴場、チムジルバンの合計3175箇所を集中点検し、 宿泊施設などでビンデが発生した場合、迅速に対処するように措置し、特別管理する、などなどの内容です。
ただ、うまくいくかどうかはいまのところ分かりません。政府は、ピレスロイド系の薬剤を使うようにと各機関に公式に通達し、実際に多くの民間施設に薬剤が伝達されましたが、すでに4月、現在の韓国のビンデくんたちにピレスロイド系は効かないことが報告されています。原液に入れても効果が無いそうです。かなりの耐性を身に着けている、とも(中央日報など)。とにかく、高級ホテルなら問題ないかもしれませんが(それもホテルによりますが)、それ以外は「安心できる場所がない」という話まで出ています。
韓国の地下鉄、電車などは、とにかく『すわる』ことにこだわる人が多すぎで、それでよく言い争いになったりします。「日本では、席が空いていても座らない人が多い」と、日本に行ってきた人たちがよく不思議に話したりします。でも、最近のビンデ騒ぎで、地下鉄などには「こわくて座れない」という人も増えてきた、とのことでして。もし何かの理由で韓国に行ってくる用事のある方は、この問題にも気をつけるべきではないでしょうか。自分自身の安全はもちろんのこと、「わーい日本旅行だ」とビンデくんが付いてきたりしたら、それも問題ですから。
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