いままで、韓国社会のマウント合戦に関連する多くの記事を紹介してきました。学校に皆勤する子が「海外旅行も行けないから」とされたり、住んでいる家の広さで競争するために登記簿謄本を取り出す子が多かったり、着ている服の価格で「階級」が決まったり、住んでいる家が持ち家かどうかによる序列問題、などなど。小学生の入学式で、学校側が「マンションに住んでいる子がどうか」で列を分けていたという記事もありました。そんな世界を生きて、大人・・というか青年になった子供たち。彼らの間で、資産格差が「また」問題になっています。きっかけになったのは文化日報(25日)の記事で、証券口座が大幅に増加、小学生の証券口座も大幅に増加しており、小学生の子が「ママ、◯◯くんおサムスン電子株式また上がったって」と話していた・・とかそんな話です。朝鮮日報(12日)がまたリアルな話を載せましたので、合わせて、まとめて、紹介したいと思います。もっと豊かな人もいれば、もっと貧しい人もいます。上がる投資も下がる投資もあります。
でも、それが決して「比較」によるダメージ、韓国では剥奪感と言いますが、そういうものに繋がってはなりません。結局、自分が傷つくだけだからです。以下のまとめは、グーグルのAI「ジェミニ」が助けてくれました。
韓国の経済・格差に関する動向や、他記事などの資産格差・住宅価格の高騰に関連するマクロ経済のデータ等)を照らし合わせると、現在の若者世代が直面している「資産格差の固定化」と「労働による階層移動の不可能性」がより立体的に浮かび上がってきます。「構造化されている」とでも言いましょうか。資産格差の急拡大と若者世代の「レバレッジ一発勝負」について、です。
## 1. 労働の価値の崩壊と「持たざる若者」の日常: 現代の若者(20代〜30代)の生活水準をミクロな視点から見ると、どれだけ実直に働いても資産が蓄積されない、あるいはむしろ「相対的に貧困化していく」という残酷な現実が露わになっています。記事の例えとしては、月給350万ウォン(約35万円)〜400万ウォン程度を稼ぐ一般的な若手会社員を例にとると、都市部の家賃(月世帯・管理費で100万ウォン前後)や、食費・交通費・通信費といった最低限の固定費を差し引くだけで、手元には半分程度しか残りません。ここから最低限の交際費や慶弔費を支払えば、年間で貯蓄できる額は500万ウォンにも満たないのが実情です。3年間必死に、休みなく働いて貯めた血ににじむような貯蓄が1500万ウォン程度であったとしても、現在の不動産市場の前では、その努力は事実上「無効化」されています。
かつては「真面目に働いて貯金をし、傳貰(まとまった保証金を預ける韓国独特の賃貸制度)を経て、最終的にマイホームを購入する」という、確固たる『住居のはしご(階層移動の手段)』が存在していました。しかし現在、そのはしごの最初の一段が、若者の手の届かない高さへと引き上げられてしまっています。
## 2. マクロ統計が証明する「住居のはしご」の消滅: この若者たちの絶望感は、単なる主観的な不満ではなく、冷徹なマクロ経済データによって裏付けられています。わずか10年前(2016年頃)であれば、ソウルのアパートの平均売買価格は約5億6000万ウォンでした。当時は融資規制が緩く、物件価格の70%まで融資を受けることができたため、約1億7000万ウォンの元手(種銭)があれば、自力で家を買うことが可能でした。しかし現在、ソウルのアパート平均売買価格は15億7000万ウォン(約1億5700万円)へと急騰し、10年間で約2.8倍に跳ね上がっています。さらに政府の厳しい大統領・金融融資規制(最大4億ウォン程度に制限)が加わった結果、今ソウルで家を買うためには、約11億7000万ウォンもの純粋な自己資金(現金)が必要になります。
これは、30代以下の世帯の平均処分可能所得(月約437万ウォン)を、「1ウォンも使わずに22年以上貯蓄し続けなければ達成できない計算」です。生活費を支払えば200年近くかかる計算になり、親からの経済的支援、いわゆる「親チャンス」を持たない若者にとって、自力でのマイホーム確保は「事実上の不可能なミッション」と化しています。
## 3. 「親チャンス」の有無が生む、世代内の二極化と「相対的剥奪感」: 現在の格差問題の最も深刻な特徴は、親の世代(50代〜60代)との「世代間格差」だけでなく、同じ若者たちの間での「世代内格差(二極化)」が劇的に進行している点です。* **親チャンスがある層:** 親の資産的援助(不動産や現金の贈与)を受け、融資規制を飛び越えて早い段階から高価値の不動産や、半導体・米国株などの成長資産を確保し、さらに資産を増やす。 * **親チャンスがない層:** 毎月高い家賃(ウォルセ)を支払い続け、資産形成の「元手」すら作れず、物価高と家賃高騰の波に飲み込まれていく。この結果、若者全体の55%以上が「自分だけが急に貧困層に転落したかのような激しい恐怖」を感じていると報告されています。
真面目に働いている人間が、資産インフレ(株高・不動産高)をただ眺めることしかできず、社会的に置き去りにされる「剥奪感」が蔓延しています。さらに近年のデータでは、純資産と所得がともに最下位20%(第1分位)に属する世帯のうち、20代・30代が占める割合が数年で約2倍(7.9%から15.2%へ)に急増しているというショッキングな統計も出ています。AI(人工知能)の普及によるホワイトカラー職種の縮小や、雇用環境の不透明さも重なり、「若者層そのものが構造的に貧困化していく」という地殻変動が起きているのです。
## 4. 行き場を失った若者の「一攫千金主義」(韓国で言うハンタン(一発)主義、すなわちレバレッジ一発勝負): この圧倒的な格差を前にしたとき、親チャンスのない若者たちが選ぶ道は、健全な貯蓄やキャリア形成ではなく、「ハイリスク・ハイリターンな投資への賭け」になります。昼食を社内食堂で極限まで切り詰め、複数のアルバイト(Nジャブ族)を掛け持ちして作ったわずかな資金を、若者たちは「ナスダック100の2倍レバレッジ」や「暗号資産(仮想通貨)」といった高危険商品に投じます。「普通に稼いで貯金しても絶対に追いつけない。リスクがあるのは百も承知だが、こうでもしなければ格差を縮める方法が物理的に存在しない」という悲痛な叫びは、彼らにとってそれが投資ではなく、人生をかけた「唯一の脱出口(レバレッジ一発)」であることを示しています。
## 結論・・二つの記事が突きつける現代社会の歪み: これらの内容を総合すると、「格差」という言葉の持つ真の恐怖が浮き彫りになります。それは単に「お金持ちと貧しい人がいる」という状態ではなく、「個人の努力、誠実さ、労働の価値が、親の資産力と資産インフレの速度によって完全に無力化される構造」を意味しています。月100万ウォンの家賃を払いながら通帳をすり減らすミクロな個人の絶望と、「家を買うには22年間無呼吸で貯金しなければならない」というマクロな統計の壁。この二つが合致したとき、社会は若者から希望を奪い、彼らをハイリスクなギャンブルへと駆り立てるのです。「誠実に生きることが成功を保障する」と信じる若者がわずか4人に1人(25%)しかいないという現在の韓国社会の歪みは、私たちが「持続可能な社会とは何か」を根本から問い直すべき段階に来ていることを強く物語っています・・
・・と、まとめはここまでです。下手に「極端に豊かな(または極端に貧しい)」人たちではなく、給料の絶対額だけ見るとかなり頑張っているように見える、そんな人の話だったので、チョイスしてみました。今日の更新はこれだけです。このまま1日休みを頂いて、次の更新は28日(日曜)の11時頃になります。来週、ちょっと更新は不安定になると思われ、いろいろと申し訳ありません。
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。