前にも取り上げたことがありますが、日本熊本県にできたTSMC工場について、その「スピード」に感嘆する声が上がっています。韓国メディアは、日本半導体産業の最近の動きを、全般的にはあまりおもわしくないものとして取り上げるところが多いですが、一部、素直に「物凄いことだ」とする人もいます。そして、その中で特にすごいとされるのが、約22ヶ月で工場が竣工、発表から開所式まで28ヶ月で出来たことです。今回、アジア経済にまた同じ趣旨の記事があったので、紹介します。その背景には、実はその地域でのソニーの信用があった、との内容です。
記事は、一般的に半導体工場を建てるためには、用地確保、政府省庁と自治体によるインフラ構築計画の樹立、当事者たちの間の意見調整などだけで、2年はかかるというのが業界の一般論だそうです。それも、「これといった問題がないという仮定で、2年」である、と。実際、SKハイニックスは2019年2月に120兆ウォンで龍仁(ヨンイン)というところに工場を建設すると発表しましたが、着工は5回以上延期され、5年経っても着工できませんでした。記事は、日本政府、自治体、各企業、そして建設現場の『ワン・チーム』としての努力あってこそのものとしながら、ソニーの話を取り上げています。ここからは<<~>>で引用してみます。
<<・・TSMCが日本工場建設のために、日本代表企業であるソニー、トヨタ自動車と手を取り合って合弁法人であるJASMを立てたことも、工場を素早く建設するのに有効だったという評価が出ている。ブルームバーグ通信によると、TSMCは工場誘致を試みてきた日本経済産業省に、2021年ソニーと協業する条件で日本に進出するという意思を明らかにした、という。経済産業省とTSMCが同時に説得に乗り出し、ソニーもこのプロジェクトに参加したというのだ。TSMCの日本初の工場が建てられた熊本は、ソニーが2001年から半導体工場を運営する地域だ。
TSMCの熊本工場敷地を初めて調べたのはソニーだった。TSMCの工場建設計画発表 3ヶ月前の2021年7月、ソニーが熊本県菊陽町に用地を買いたいという意思を伝え、同年9月から土地を工場敷地として造成する作業に入ったと知られている。地域住民も、最初はソニー工場を建てるための敷地だと思っていたが、2ヶ月ほど経ってからTSMC工場が入ってくるという事実を知ることになったと、日本側のメディアは伝えた・・
・・工場設計や建設過程でも、ソニーが保有する現地の官・民インフラが力を発揮した。開発、建築許可から取水、排水問題まで、熊本工業団地にあるソニー工場を稼働させながら備えたノウハウが、TSMC熊本工場建設現場で活かされたのだ。半導体工場を建設する過程で核心と挙げられる用水問題も、ソニーが構築しておいた方式を用いた。ソニーは2003年から「地下水補充プロジェクト」を通じて、現地の自治体・農家と協力し、用水をめぐる葛藤を解決している。
熊本は農地が多い地域であるだけに、地下水を確保する過程で農家と対立する可能性が大きいが、農寒期にはソニーが費用を負担して水田に水を供給するなどの方式で、問題を解決してきた。TSMCはこれをもとに、超純水製作に有利な熊本の火山岩盤水を確保できるようになった。日本経済新聞は、「ソニーが長年築いてきた現地との信頼関係やノウハウが、半導体産業の集積を支えている面がある」と伝えている(アジア経済)・・>>
要は、信頼関係というところでしょうか。さて、明日はまた旅行の日です。今回は、久しぶりに伊豆の方に行ってこようかと思っています。申し訳ございませんが、明日は、休みをいただくことになります。次の更新は、11日(月曜日)の11時頃になります。それでは、また月曜日に。
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