本ブログでも取り上げましたが、韓国メディアには最近「雇用ショック」というキーワードが目立ちます。簡単に言えば、半導体半導体しているうちに、他の雇用が、特に青年の雇用が崩れつつある、人口減少を考えても異例すぎる、という内容です。で、韓国政府には「雇用労働部」というものがあります。長い間「雇用部」と略されてきましたが、李在明政権になってから、「雇用部ではない、労働部だ。雇用されていない人も守ってみせるぜ(謎BGM)」ということにして、労働部になりました。別にどうでも・・といったところですが、朝鮮日報の記事によると、その結果は逆だったとのことでして。これから記事を<<~>>で引用しますが、一つ、記事の中の「長官(大臣)の話した内容」にちょっと間違いがあるので(記事も『これはおかしい』と指摘しています)、そこだけちょっと追記しておきます。
産業災害によって亡くなる方が多い韓国ですが、今年1~3月期、長官曰く「亡くなった方は113人で、大幅に減少(ドヤ)」としています。しかし、実はこれ、「事故で直接亡くなった方」だけの数値で、それ以外(関連した病気など)は38%以上も増加しており、公表されたデータ(コリアウェイブ、日本語記事)によると、「亡くなった方の数は514人」で、5~49人事業場で199人と、約7割が「50人未満の小規模事業場で発生した」とのことです。なんで事故以外がここまで急に増えたのか。それっぽく発表するためにカテゴリー区分をいじったのではないか?そんな気もしますが・・さすがに、からくりの正体まではなんとも言えません。一応、ソース記事は、この113人という数値そのものに「納得できない」と疑問を提起しています。ハッキリ書かれているわけではありませんが、根本的になにか不思議だ、ということでしょうか。以下、<<~>>で朝鮮日報の記事を引用してみます。
<<・・「雇用と労働をすべて失った雇用労働部」(※題)。昨年9月、雇用労働部(※日本でいうと厚生労働省)は、李明博政権以来15年間も使ってきた公式略称を「雇用部」から「労働部」に変更した。政府は「雇用されていない労働者まで保護する」という名分を掲げた。看板から「雇用」を外し、「労働」を前面に押し出したのだ。それから1年も経たない現在、「押し出された」雇用は歴代最悪という評価を受けている。「看板を掛け替えた」労働の成績表もまた、お粗末なものである。雇用市場は深刻な沈滞に陥っている。就業も求職活動もせず「ただ休んでいた」と答えた20〜30代の青年人口は、昨年初めて70万人を超えた(※総244万人)・・・・いままでで最も華やかなスペックを備えているという高学歴者たちが、労働市場への参入自体を放棄している。青年層(15〜29歳)の雇用はまさに災害レベルだ。先月の青年就業者は前年同月比で25万5000人減少した。新型コロナウイルス大流行の時期である2021年1月(-31万4000人)以来、5年4カ月ぶりの急激な落ち込みだ。
質の高い仕事を提供してきた製造業の崩壊も尋常ではない。先月の製造業の就業者は14万人減少し、23カ月連続の減少となった。人工知能(AI)の高度化などの影響で、専門・科学・技術サービス業の就業者も8万9000人減少した。さらに懸念されるのは、雇用の安全弁の役割を果たしてきた常用職(正規職など)の仕事までもが揺らぎ始めた点だ。最も安定した雇用形態である常用労働者が、先月、26年ぶりに減少へと転じた。正規職の雇用供給構造にも亀裂が生じ始めているのだ・・
・・(※政府が)看板として掲げた「労働」も良い評価は得られていない。働いたにもかかわらず支払われなかった賃金未払い額は、2年連続で2兆ウォンを超えた。わずか3〜4年前までは1兆ウォン台前半だったことを勘案すれば、労働部の管理・監督機能に疑問が提起されるのは避けられない。賃金は労働者とその家族の生存権であるにもかかわらず、政府の先制的な予防策作りは足踏み状態だ。労働部長官が「職そのものかける」としていた産業災害も同様である。労働部は今年第1四半期の産業災害で亡くなった人は113人で、前年同期より17.5%減少したとアピールした。しかし、これをそのまま受け入れるのは難しい自画自賛だ。今月初め、ハンファエアロスペースでは5人が亡くなり2人が負傷する爆発事故が発生した。2018年、2019年に続き、同じ事業所で3回目に発生した大型惨事だった。労働部は事故が起きるたびに大々的な取り締まりと厳罰を強調するが・・
・・こうした姿が政治的・感情的な世論をなだめることにはなっても、現場を変えることはできない。それよりも、危険な工程を技術で代替するよう支援し、安全に投資した企業が報われる構造を作り、設計段階から危険を排除するシステムを構築すべきである。略称から「雇用」を消したからといって、雇用の責任まで消えるわけではない。「労働」を強調したからといって、労働者の生活が自然と良くなるわけでもない。労働部は、労働市場から押し出された青年を抱きしめる精巧な雇用インフラの構築と、賃金未払い・産業災害を減らす実質的な労働政策によって、その存在理由を証明しなければならない(朝鮮日報)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。