本ブログで取り上げている数もそうですが、また韓国で借金関連の記事が増えてきました。借金で株式投資をする人たちが増えたから、それに対する警告のような記事かもしれません。今回は、別に債務そのものに関する内容ではなく、本題は青年たちの破産(詳しくは「個人回生」、日本の個人再生のような制度)に関する「見方」の話です。ただ、問題がまた浮上しているのは間違いないようで、たとえば「住宅担保ローンを組んでいる人たちの33%が信用ローン(担保無し)も組んでいて、その多くが引退が違い(50代)であり、金利が上がるとマジでおわる」という記事もあったりします(毎日経済、21日)。この前も、韓国は事実上定年が早い(調査によりますが48~52歳)のが特徴です。言うまでもなく、定年が早いと、長期ローンの返済にも大きな問題が発生しやすいわけでして。IMFのあと、本格的にマンション投資(投機?)ブームが始まったのが、2000年代になってからです。2003年にカード大乱と呼ばれる問題があったので、それ以降かな。いま、マンションブームでローンを組んだ人たちが本格的に定年を迎える時期に来ている・・とも言えるでしょう。
ま、そのように、シャっキーンとしている韓国経済ですが・・あいかわらず青年層の破産も増えているとのことで、それを専門とする弁護士が出した本が話題になっているそうです。ハンギョレ新聞、17日の記事です。ソースはあくまでその記事に載っている弁護士のインタビュー内容であり、本そのものではないということを前提にしたいと思います(そもそも、本は読んでいませんので)。弁護士さんは、「債務者が支払う金利は、金融会社が延滞のリスクを引き受ける対価として受け取る一種の『保険料』だ。保険料をきっちり支払っていて事故を起こしたとき、保険金を受け取っても保険会社に申し訳ないとは思わないだろう。ローンも同じだ。利息を真面目に支払ってきたのであれば、これ以上返済できない状況に陥ったからといって自責する必要はない」と話していますし、「真面目に生きたのに破綻してしまった」という点を強調しています。
確かにこういう見方もできなくはないですが、本当にそうなのか・・というのが、ちょっと疑問です。逆の指摘をする人も多く、例えばMBN(2023年10月19日)の報道によると、(※これは青年に限った内容ではありませんが)個人再生すればいいだろう、という考えが蔓延しており、カードで借金してパーッと使いまくって、それから個人回生(再生)を申し込む人も、そういうブローカーも多い、とのことでして。はてさて。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・パク弁護士は、数年前から個人回生や破産の相談に訪れる若者が目に見えて増えたと話す。回生・破産を申請するには、所得や負債、支出の内訳を綿密に調べる必要がある。彼は「若者たちのカード利用明細には、華やかな消費の痕跡ではないと語った・・・・もちろん、「ビットゥー(借金して投資すること)」や暗号資産(仮想通貨)、海外就職詐欺のように、社会的に批判を受けるような選択をして借金を背負った若者も少なくない。しかし、パク弁護士はこれを個人の責任だけに帰してはならないと言う。真面目に働いても安定した生活にたどり着くのが難しいという絶望、資産の格差を労働収入だけで埋めることは不可能だという現実が、若者たちをより危険な選択へと追い込んでいるというのだ。彼は、若者たちが無知だから、あるいは金融知識が不足しているからそのような選択をするのだとは見ていない。パク弁護士はこう弁護する。
「既成世代(上の世代)は若者の選択に舌を巻くが、若者は馬鹿ではない。これは冷徹に計算した結果だ。労働と貯金だけでは100%の確率で『相対的貧困』が確定する。一方で、暗号資産や借金投資によって1%でも可能性が生まれるとしたら、0%と1%のどちらを選ぶだろうか。安全な選択の結果が『確実な敗北』であるならば、小さな希望を選ぶ側は、無謀なのではなく合理的な(理性的)選択になる」・・・・彼を訪ねてくる若者たちは、希望を失ったまま借金を抱えたという自責の念から、自分自身を犯罪者のように責め立てるという。パク弁護士は彼らに、個人回生や破産は債務者の権利であるため、罪悪感を持つ必要はないと説明する・・・・ローンも同じだ。利息を真面目に支払ってきたのであれば、これ以上返済できない状況に陥ったからといって自責する必要はない」(ハンギョレ新聞)・・>>
<<・・脆弱層を保護し、経済的再生を助ける個人再生(※原文 個人回生)制度ですが、申請直前のカードを限度まで使い果たしたり、さらに貸し出しまで受けて贅沢に使ってしまうわけです。これはまさに金融機関の負担につながっています。個人再生情報を共有するオンラインコミュニティー掲示板を見ると、申請前に子の塾費用1年分を先決済したという書き込みがあります。クレジットカードで決済してから申請していいのか、使い切ってからでいいという話など、いろんな情報が載っています。
裁判所が脆弱階層の債務を調整してくれる個人再生制度は、景気低迷の中、申請人数が着実に増えていますが、これを利用する人たちも増えているのです。カードを限度まで使用するのは基本で、さらにできる限りお金を借りて思いのままに使った後、申請して調整を受けるのです。申請する前に融資を受けた人は、昨年より30%増え、融資金額も500億ウォン近くになります。裁判所の申請棄却率が9%にしかならない点をついたのです。一部の法務士たちは、この方法を宣伝し、債務者を集めたりもしました(MBN)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。