北朝鮮「岸田総理が早期の会談の意向」「政治的決断が必要だ」・・韓国専門家「実務的には何も決まっていないという意味です」

北朝鮮の金与正(党中央委員会)副部長が、「岸田総理が早期の会談の意向を伝えてきた」と話し、韓国でも複数のメディアが記事を出しています。先月にも、北朝鮮は金与正氏の談話で、核・ミサイル問題と北朝鮮拉致問題を議題にしない条件で、「岸田総理が北朝鮮を訪問する日も来るだろう」と話し、急になにがあった、と話題になりました。そして、1ヶ月半経ってから、今度は早期会談の話が出てきたわけです。それは、ま、なんというか、いわゆる「水面下」レベルでなら、なにかあるのかもしれません。岸田総理だけでなく、条件なしに首脳会談したいという話は結構前からありましたから。

でも、それはあくまで、例の二つの案件があるからこそのものであり、それを議題にしないなら、意味がありません。単に支持率的だけ見ても、取り返しがつかないことになるでしょう。そう考えると・・先月の金与正氏の談話が、北朝鮮内ではどのように伝わっているのか、伝わってはいるのかどうか分かりませんが、一応このような話をしたのに日本側からこれといって反応がないから、立場的に「実は早期会談の意向を伝えてきた」と話しただけではないでしょうか。自分で「来てもいい」と言ってから、誰も来ると言わないから、「そうか、そんなに早く来たいか」とまた自分で言った・・そんなところではないだろうか、と。

 

韓国メディアの記事は、またもや「日本は日米韓協力の弱い環だから」という話をするところが多く、その論拠として岸田総理の支持率が低いから、としています。中には、「北朝鮮が話した内容を見てみると、実務的な何も決まっていないという意味です」、「朝鮮半島問題において、日米北(朝)がメインになり、韓国はゲストになるリスクもある」としています(マネートゥデイ、ヤンムジン北韓大学院総長)。支持率関連だと、先も書きましたが、もしこんな条件で応じたらそれは支持率がどうとかの問題ではなくなります。岸田総理も、予算委員会でこの話について「どういう報道がなされたのか、分かりません」と答えました。ちょっとどうかな、な気もします。実務的に何も決まってないというのは、北朝鮮が『政治的な決断が必要だ』と話した部分です。実務的に何かが決まっているなら、こんな言い方をする必要はない、というのです。ちなみに、岸田総理・ユン大統領になる前には、日韓首脳会談関連で、韓国側のブリーフィングなどにもよく出ていたフレーズです。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・岸田首相は「知りません」という反応を見せた。岸田首相はこの日午後、参議院予算委員会で野党議員から「岸田首相が金正恩委員長に会いたいといっている、という報道が出ました」と問うと、「指摘された報道についてまだ分かっていません」と答えた。岸田首相は「以前に述べたように、日本と北朝鮮関係、北朝鮮拉致問題など様々な問題を解決するためには、首脳会談が重要だ」とし、「首相レベルで北朝鮮関連の様々な対応をしている」と述べた・・・・先に岸田首相は、先月9日、衆議院予算委員会に出席したときにも、「(首脳会談のため)具体的に多くの活動をしている」とし「昨今の北朝鮮関連した現状に照らして、大胆に現状を変える必要を強く感じる」と話した・・

 

・・これと関連してヤン・ムジン北朝鮮大学院大総長は「北朝鮮は水面下で秘密的に、そして水面上の公開圧迫という二重戦略を繰り広げるものと判断される」とし「『政治的決断』など公開圧迫戦略をしているということは、まだ実務的に意味のある合意はなされていないのだろう」と話した。総長は「北朝鮮との首脳会談を、戦略的に日本は国内政治に利用し、北朝鮮は韓国を介さずに米朝首脳会談のために活用することもできる」とし「朝鮮半島問題で韓国がゲストになり、日米北が主導する可能性も懸念される」とした。外交部(※外務省)当局者はこの日「日本と関連情報を共有しているのか」という取材陣の質問に、「コミュニケーションの詳細内容までは話せない」としながらも、日韓間の情報共有はされていると明らかにした(マネートゥデイ)・・>>

 

 

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