半導体関連で多くの「次世代」が発表されています。いまの主流はいうまでもなくHBMですが、HBMの「物理的な」限界を回避できる技術のメモリーも開発されています。ただ、量産される時期まで考えるとまだ時間がかかるでしょうし、そもそも量産まで行けるのかという疑問もあります。ただ、日米がメインになっているし、大手企業が動いていることもあり、応援したいと思っています。引用するのは朝鮮日報(朝鮮BIZ)の26日の記事で、日米が開発中の次世代メモリー半導体、Zアングルメモリー(ZAM)に関するものです。日本が(もちろん欧米も)開発している次世代メモリーは別にZAMだけではありませんが、ここではソース記事メインにして、また今度ということにいたします。記事は、台湾のメーカーまで参加したという話ですが、個人的には「チップ4」という言葉を思い出さずにはいられません。メモリーだけが半導体ではありませんが、すくなくともこの分野では「チップ3(日米台)」になっています。3年後あたりに量産がはじまるというなら、5年後、10年後のメモリー半導体の勝負はどうなっているのでしょうか。改に、日本の動きを応援したいと思います。それでは、<<~>>が引用部分です。
<<・・韓メモリ覇権を狙う日米の「HBM対抗馬」技術研究が進展、 ZAM開発に台湾も合流(※題)。米国インテルと、日本ソフトバンク子会社のサイメモリー(SAIMEMORY)が開発中の次世代AI向け半導体「Zアングルメモリ(Z-Angle Memory: ZAM)」関連技術が進展した。最近、世界最高峰の半導体学会で9層に積層した3次元(3D)高帯域DRAM構造を公開し、データ移動エネルギーと伝送電力を低減する積層技術を実証した。ZAMは日米政府が開発を支援する次世代メモリ半導体であり、韓国が独占している高帯域幅メモリ(HBM)市場に揺さぶりをかける性質を持つと評価されている。業界では、今回の技術的進展と同等に「発表の主体」にも注目している。今年2月のインテルとサイメモリーの協力発表時には表面化していなかった、台湾パワーチップ・テクノロジー(PSMC)とAPメモリ(AP Memory)も研究陣に名を連ねたためだ。PSMCはメモリプロセスの経験を持つ台湾のファウンドリ(半導体受託製造)企業であり、APメモリは低電力メモリとIP(知的財産)を設計する台湾のファブレス企業である。
韓国のメモリ半導体覇権を牽制するため、米国の根幹技術と日本の資本・政府支援に加え、台湾の製造・設計エコシステムまで合流した「連合戦線」が構築されたとの見方が出ている・・・・市場調査会社のトレンドフォース(TrendForce)は、ZAMの協力体制について「PSMCが試作(プロトタイプ)生産と製造において重要な役割を担っている」とし、「日米台による次世代AIメモリの推進は、HBMを超えた代替メモリのロードマップを確立し、既存のサプライチェーンへの依存度を下げる契機になり得る」と分析した。ZAMが注目を集める理由は、サムスン電子とSKハイニックスが主導するHBM市場をターゲットにした技術だからである・・・・HBMはDRAMダイ(チップ)を幾層にも積み重ね、TSVで垂直に穴をあけて各層を接続する。これは高層ビルの中央にエレベーターを設置し、複数の階を素早く行き来させる方式に例えられる。データ移動距離が短いため速度は速いが、層が高くなるほど熱が中央部にこもりやすい(※熱の滞留問題)。
ZAMはこの問題を構造そのものを変えることで解決しようとしている。HBMが垂直エレベーターなら、ZAMは階と階の間を斜めにつなぐエスカレーターを複数の方向に配置する方式に近い。データと熱が一つの垂直通路に集中せず、垂直に立てられたメモリのスライス(Slice)に沿って移動し、外部へ放出できるようにするのだ。サイメモリー側は、ZAMが各スライスごとに連続的な熱伝導経路を作り、個々のDRAM層内にTSVを形成する必要性を減らすことで、HBMの発熱・歩留まり問題を緩和できると説明している。業界では、サイメモリーの研究陣がVLSIシンポジウムでZAM実現のための核心的な積層技術を示したと評価している・・・・ZAMは日米政府の積極的な支援のもとで開発が進められている。これに先立ちインテルとサイメモリーは、今年2月にZAM開発協力を発表した際、米国エネルギー省(DOE)と国家核安全保障局(NNSA)が管理する先進メモリ技術(AMT)プログラムの研究成果を活用すると明らかにしていた。
AMTプログラムにはサンディア、ローレンス・リバモア、ロスアラモスの各国立研究所が参加しており、インテルはこれを通じて次世代DRAM接合(NGDB)技術を検証した。NGDBは従来のDRAM積層方式における電力と容量の限界を削減するための技術基盤であり、サイメモリーはこれをベースにZAMを商用化する計画だ・・・・日本政府もZAMを次世代半導体製造技術の補助事業として採択している。日本経済産業省傘下の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は今年4月、サイメモリーとインテル日本法人が推進する「高密度・広帯域・低電力ZAM開発」プロジェクトを、ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業に選定した。
日本政府は、生成AIモデルの巨大化に伴い、GPUの演算性能よりもメモリ帯域幅がボトルネックになっており、現行のHBMには熱の滞留など構造的な問題があると説明している。一部の日本現地メディアは、NEDOの支援額が最大38億円規模に達すると報じた。サイメモリーはこれと同時に、富士通、日本政策投資銀行、理化学研究所(RIKEN)、ソフトバンクを対象としたシリーズAの資金調達も実施した・・・・もちろん、ZAMがすぐに市場で主流のAIメモリとなっているHBMを代替するのは難しい。顧客の検証、量産歩留まり、国際標準化、AIアクセラレータへのパッケージング適用、大規模な供給能力など、技術開発以外にも多くの課題が残されているためだ。現在公開されている9層3D高帯域DRAM構造も、8層のDRAMベースで約9GB(ギガバイト)水準にとどまる。HBM4が1スタックあたり数十GBの容量を実装していることを考慮すると、まだ差は大きい。
サイメモリーとインテルも、2028年3月までに試作品を製作し、2029年の商用化を目標に技術開発を進めている。現在主流の第5世代HBM(HBM3E)や次世代のHBM4をすぐに置き換えるというよりは、2029年以降の「ポストHBM市場」で競争する代替候補と見るのが現実的だ。韓国のメモリ半導体企業も、こうした追撃に対抗して垂直積層技術の開発スピードを上げている・・・・匿名を条件に応じたある半導体工学科の教授は、「世界の半導体生産エコシステムを主導している台湾企業の合流は、単なる技術協力を超え、実際の商用化に必要なプロセス・パッケージング・検証のノウハウが組み合わされることを意味する」とし、「量産技術は、様々な環境で何度も実証できる資金力とエコシステムが左右するだけに、競争国の支援を受けた代替技術が予想以上に早く格差を縮めてくる可能性を警戒しなければならない」と指摘した(朝鮮BIZ)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。