トランプ大統領の関税政策が、世界的に大きな話題になっています。逆作用のほうが大きいのではないかという話も出ていますが、トランプ大統領の公約だったこともあり、この流れはしばらく続くでしょう。日本を含めて、世界各国がそのための備えていることでしょうけど・・ソウル経済の今日の記事に、「次」の可能性として、韓国、台湾、ベトナム、タイが挙がっていました。論拠は、「中国貿易の経由地」です。ほとんどの場合は「米国に対して貿易黒字をあげている国」を挙げることが多いですが、INGエコノミックスの分析だと、これらの国は「中国の経由地)」として強く疑われている、とのことでして。
ちょうど先月31日にも、中国が韓国を「迂回」のための通路にする政策を本格化した、という見解をエントリーしたばかりです。記事の内容が、繋がっているとしか思えません。未読の方は合わせてお読みください。もちろん、いまはまだ具体的な話は出ていません。でも、「大統領不在」ということもあり、いわゆる政治空白を懸念する声も強くなっています。いま大統領権限代行をしている崔相穆(チェサンモク)長官は、その権限代行任期1ヶ月で、早くも7回目の再議要求(大統領による拒否権行使)を行いました。盧泰愚大統領が5年任期中に行使した拒否権と同じ回数だそうです。案の内容が問題だからそうするしかなかった側面もあるでしょうけど、政治そのものが安定していないという意味でもありましょう。
そんな中、どういう外交を示すのでしょうか・・まだこれといって情報はありませんが、外交部長官(外務大臣)外交でなんとかする、という話が出ています。ニュース1(1月31日)などによると、ジョテヨル外交部長官が、MSCとかG20とかで、マルコ・ルビオ長官を会う可能性がある、とのことですが・・「2月に3回も会うチャンスがある」としていますが、そこまで頻繁に会ってなにを話すのか、気になるところです。もともと多くの国が参加する会議などでの2国間会談は、既存の会談内容の再確認などのためのものであり、その時間も比較的短い(首脳会談でも30分未満になったりする)ものですが。そういう場で新任のマルコ・ルビオ長官と挨拶を交わすことはいいと思いますが、それ以上は難しいでしょう。というか、まず次の大統領選挙をいつやるのか(憲法裁判所の判断はどうなるのか)、政権交代の可能性はどうなのか、そんな情報がもっと具体的に出てこないと、議題を決めること自体、用意ではないはずです。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・トランプ2期行政府の関税政策が始まった。ドナルド・トランプ米大統領は大統領選挙予告のとおり、カナダとメキシクに対して25%の関税を課すことにした。中国にも10%の関税を課す。相手国が対応して米国に関税を課した場合、関税率をさらに上げるという方針も立てた。今回の措置にグローバル貿易の不確実性が大きくなり、今後、韓国や台湾など中国の「迂回輸出経路」と疑われる国家に対して関税措置が続く可能性があるという観測も出ている。1日(現地時間)AP通信とロイター通信などによると、トランプ大統領はこのような内容を盛り込んだ行政命令に署名した。通商はもちろん、非貿易分野でも関税で「関税武器化」を活用中のトランプ大統領だが、就任以後、実際に新しい関税を課す決定を下したのはこれが初めてだ・・
・・トランプ大統領の今回の決定は、米国の戦略的競争国である中国はもちろん、自由貿易協定を締結した近隣同盟国にまで普遍的な関税を課したものだ。これに対し、ブルームバーグは今後、台湾と韓国をはじめとするアジアの主要国家に対する関税賦課が現実化するという観測を紹介した。 INGエコノミックスは先月31日に発刊した報告書で、「台湾、韓国、ベトナム、タイが、中国製品が米国に輸送される中間経由地の役割をしている」とし、「これを通じて中国が米国関税を避けているという強力な疑いがある」とした。今回の措置が該当国はもちろん米国経済にも影響を与えると予想され、米国内のインフレも深化させるという指摘も続いている(ソウル経済)・・>>
<<・・(※日米首脳会談のことについて書いた後に)戒厳事態と弾劾政局で「首脳外交」が空白状態の私たちとしては、比較されるしかない姿だ。一部では、就任後も韓国の現状や韓米同盟に対する具体的なメッセージを出さないトランプ大統領についての懸念も提起されている。専門家は、必要以上に懸念する必要はないが、通常の外交に加えて、利用可能なすべての通路を利用するのが重要であると提案している。特に、米国と韓国の外交長官が、多ければ3回以上も対面する機会がある2月に、対米外交に力量を集中してチャンスにしなければならないという声が出ている。外交情報筋によると、ジョテヨル長官は早ければ来月初めにワシントンを訪問し、マルコ・ルビオ新任国務部長官との韓米外交長官会談を持つ方案を推進中だ・・
・・ルビオ長官は1月23日、ジョ長官との初通話で「早い時期に会おう」と彼をワシントンに招待した。ルビオ長官のパナマ、グアテマラ、エルサルバドルなど中米訪問が終わると、ジョ長官との会談の日程が具体化されると予想される。両大臣は来月14~16日、ドイツで開かれる最大規模の年次国際安保フォーラムであるミュンヘン安保会議(MSC)でも対面する機会を設けることもできる。続いて20~21日、南アフリカ共和国で開かれる主要20カ国(G20)外相会議にも韓米外交長官が参加する可能性が提起される。
外交情報筋は「ジョ長官がMSCとG20会議の両方に参加するかはまだ確定していない」としながらも「まだ可能性が完全に閉じられたわけではないと言える」と話した。ジョ長官は昨年の場合、MSCには参加しておらず、G20外交長官会議には参加した。今年、MSCは米国・日本・中国など周辺国の動向を見て最終判断を下す予定であり、G20はいったん参加を前提に日程を調整中であると伝えられた(ニュース1)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、久しぶりに新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。新刊は自民党と韓国」という題です。岸田政権・尹政権になってから、「関係改善」という言葉がすべての議論の前提になりました。果たして、本当にそうなのでしょうか。いや、それでいいのでしょうか。じゃ、同じ路線でないのは、たとえばこれから日本政府の路線変更があった場合は、それは「改善」ではないのでしょうか。そんな疑問に対する考えを、自分なりに、自分に率直に書いてみました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
本エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において『本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2024年12月22日)<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・準新刊(2024年5月2日)は、<Z世代の闇>です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。・既刊として、<韓国の絶望、日本の希望(扶桑社新書)>も発売中(2023年12月21日)です。「私たち」と「それ以外」、様々な形で出来上がった社会の壁に関する話で、特に合計出生率関連の話が多目になっています。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。