「米700%」など間違いの多いトランプ政権、今度は大統領が「米朝首脳会談と平昌オリンピックの時系列」を間違える

米国大統領は関税、日本総理は商品券で問題になっている今日この頃ですが・・トランプ大統領が、また北朝鮮のことを「核保有国」と発言しました。確か、就任してから2回目です。これ、どう解釈するかで、ちょっと異なるイメージになる単語です。一つは、言葉通り核保有国という意味。もう一つは、ソース記事のKBS電子新聞なども指摘していますが、「相応の能力を持っている国」という意味です。すなわち、公式に核保有国として認めているわけではないということで、これは、本当に『見方による』といったところですが、北朝鮮へのリップサービスになります。気になるのは、日米首脳会談でやっと「非核化」を明言してくれたのに、また言葉を変えて『保有国』と言った・・といったところです。

実はトランプさん、就任した後に同じ表現を使い、高官候補の聴聞会でも同じ発言が出て、しかも、政権が始まってから「朝鮮半島の非核化」とは一度も言いませんでした。この表現が復活したのが、日米首脳会談です。やっと非核化という言葉がでてきて、しかもCVID(完全かつ検証可能で不可逆的な非核化)を再び話すようになり、個人的に日米首脳会談の成果の一つだったと思っていました。繰り返しになりますが、北朝鮮を会談の場で誘い出すための「リップサービス」の可能性もあります。しかし、「こうも簡単にスタンスが変わるのか」とがっかりしてしまうのも、また事実です。結果良ければなんとやら・・ではありますが。ちなみに、トランプさんは米朝首脳会談のおかげで平昌冬季オリンピックが成功したと言いましたが、平昌オリンピックは米朝首脳会談の4ヶ月前のことです。以下、<<~>>で引用してみます。




<<・・トランプ米大統領が北朝鮮を再び核保有国と呼びました。それとともに、金正恩国務委員長とは執権1期の時と同じく、良い関係を再構築できるだろうと、米朝対話の再開意志も重ねて明らかにしました・・・・【ドナルド・トランプ/アメリカ大統領「私は金正恩との関係を再構築します。私たちはとても良い関係を結んでいました」】。トランプ大統領はまた、金委員長が核兵器を多く持っているとし、明らかな核保有国だと述べました。トランプが北朝鮮を核保有国と呼んだのは、1月就任以来、今回がすでに2回目となります。【ドナルド・トランプ/米国大統領「キム・ジョンウンと非常に良い関係を維持しており、今後どうなるか見守ります。しかし、明らかに北朝鮮は核保有国です」】・・

・・ただし、外交情報筋たちの間では、この発言は北朝鮮を核保有国として認めるというものではなく、現実的に核能力を持っていると認知しているという意味の、そんなレベルのものだと見ています。トランプ大統領は執権1期当時の米朝首脳会談を取り上げ、優れた業績だと自慢しました。米朝首脳会談の開催で、韓国で開かれたオリンピックも途方もない成功を収めたと述べました。【ドナルド・トランプ/アメリカ大統領「(韓国の)オリンピックが成功しただけでなく、北朝鮮もオリンピックに参加しました。それは驚くべきことでした。トランプ政権の偉大な業績の一つ​​でした」】。しかし、実は1次米朝首脳会談は2018年6月に開催されており、平昌冬季オリンピックはこれより4ヶ月前の2月に開かれました。トランプ大統領就任後、米朝対話が再開される可能性があるという見通しが着実に提起されています。ただし、関税などトランプ政権の優先順位に押されて、早期に行われる可能性は高くないという観測も出ています(KBS)・・>>




<<・・彼は「私はキム・ジョンウンと良い関係であり、何が起こるのか見ている。確かに彼(キム・ジョンウン)はNuclear Power(核保有国)だと話した。また、過去の微小間核軍縮問題に言及する過程では、「金正恩は核兵器をたくさん持っている。インドやパキスタンなど他の国も同じだ」と話した。1月20日就任式直後、北朝鮮を核保有国と呼んだ後、もう一度言及したのだ。韓国と日本をはじめとする主要国は、北朝鮮の核兵器保有事実とは別に、外交・軍事的影響を勘案し、核保有国の地位を認めていない。米国も前任バイデン政権では同じ立場だった。トランプ大統領はまた、自身の初任期の時、米兆対話と関連し・・・・シンガポールとベトナムでの米朝首脳会談について言及しながらも、「彼(キム・ジョンウン)は(バラク)オバマとは会わなかったし、電話も受けなかった。私とは、荒くて険しく始めたが、私たちは会った」と話した。

続いて「その首脳会談で、韓国はオリンピックで途方もない成功を収めた。(それ以前は)核問題があったので誰もオリンピックの切符を買わなかった。そして私が(北朝鮮の金正恩)に会ってオリンピックが成功しただけでなく、北朝鮮がオリンピックに参加した。それがトランプ政権の優れた業績だ」と述べた。トランプ大統領が言及したオリンピックは2018年江原平昌で開かれた冬季オリンピックのことだが、オリンピックは2018年2月に開催された。トランプ大統領と金委員長との第1次米朝首脳会談は、その4カ月後の同年6月に開かれた(電子新聞)・・>>




 

明日は1日休みをいただきます。次の更新は、16日(日曜日)のいつもの時間、11時頃になります。 そしてここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください

  ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年3月2日)<THE NEW KOREA>です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・新刊は、<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・刊として、<Z世代の闇>も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。