韓国メディア「米国が弱体化している。米中どちらかの陣営に入ってはならない」

最近よく取り上げる「自主派」と「同盟派」という、スーパーどっちもどっち大戦。安保について深刻に懸念しているようにも見えますが、結局は「安米経中」が言葉を変えただけのものです。中国側への「傾き」においてもっとも問題になってきたのが、米韓同盟でしたから。すなわち、安保のことで話しているように見えて、実は安保「だけ」の話でもない、といったところです。米中首脳会談において、「大した成果が無かった」という意見が多い中、一部の韓国メディアは「中国はどんどん強くなる、米国はどんどん弱くなる」という主張が増えてきました。結局は「やはり自主派であるべきだ」という意見です。結局は安米経中と同じく、「どちらの陣営にも傾いてはいけない」という結論になりますが、これは結局「中国側に傾こうぜ」という話でしかありません。なにせ、いま中国が韓国に望んでいるのは「米国側ではなく中立」です。

本当は「中国側だ」と言ってほしいでしょうけど、韓国が「中立」(これを韓国では「国益」「実用」などと呼んでいますが)と言うだけでも、中国からすると「成果」です。米国側は、「明らかに米国側だ」と言ってもらわないと、「現状」から後退する結果にしかなりません。「バランス」は決して「真ん中」という意味だけではありません。片方に重いものを持っている人は、身体を「まっすぐ」にして立っていても仕方がありません。バランスを取り、片方に傾いていたほうが安定する場合もあるわけです。「中立」と言われるだけで負けたようなもの(中国が得する)なのに、韓国政府はシリョン(実用)シリョン~としていますから、米国としてもかなりイライラしているでしょう。今日は文化日報(15日)、なんと軍事専門家の書いた記事を一つ紹介します。結論はいつものもの、「どちらにも傾いてはいけない」です。軍事安保専門家が書いたものなのに、「価値観」という言葉がまったく出てこないのも、またどうかな、としか思えません。以下、<<~>>で引用してみます。




<<・・ドナルド・トランプ米大統領と習近平中国国家主席間の米中首脳会談は、イラン問題と台湾問題及び貿易葛藤をめぐる懸案が交渉のテーマだったが、劇的な打協も、共同声明もない、力比べの延長線だった。「壮大な怒り」を皮切りに圧倒的戦力を投入しても終戦の出口を見つけることができないトランプ政権を見ながら、習主席はどのような戦略的判断をするのだろうか。「台湾問題の処理でミスすれば、両国が衝突して非常に危険になるだろう」という、習主席のこの日の発言でも分かるように、台湾問題の名分の蓄積のための機会という考えとともに、米国の衰退を待ちながら、一強の地位を夢見るのではないだろうか。中国は米国との正面衝突より、時間を稼ぎ、国際紛争には間接的にのみ介入しながら影響力を蓄積する長期戦略を展開している。中国の軍事的歩みもますます忙しくなる雰囲気だ。

極超音速ミサイル能力を誇示する一方、台湾海峡では軍事包囲訓練と政治的接触を並行して「軍事+外交」の二重戦略を駆使している・・・軍事だけでなく経済・外交でも秩序の再編を試みている。経済的歩みも、もう珍しくない。現・中東事態の中でも、一部の中東国は米軍基地の存在自体を葛藤要因として認識しながら、安保・外交戦略の多様化を模索する。この間に中国はエネルギーとインフラ、再生エネルギー協力を媒介に影響力を育てる。米国の中東戦没入で反射利益を握る中国は、湾岸諸国との協力強化とともに一帯一路での野望のために世界各地に港湾・鉄道・橋梁建設を続け、経済的基盤を固めている。

中国の静かな浮上と、米国の漸進的弱化という時間の戦いの中に、国際秩序が再編されているのだ。無分別な武力使用のツケに直面したトランプ政権の地位の弱化を見守るいくつかのNATO同盟国と中東諸国の間には、自国中心の生存を強化しようとする流れが感知される。これは、対米安全保障依存を一定部分、調整するものだと見なすことができる。しかし米国は依然として圧倒的に同盟と金融・技術・軍事力量を共に保有した唯一の超強大国だ。中東での負担増加で米国の秩序設計能力自体が消えたわけではない。依然として国際政治中心軸、国際的行為調整者として自治している。

このような国際環境の中で韓国は、韓米同盟を基盤に抑制力を維持しながらも、特定陣営への自動的な便乗だけはやめなければならない。つまり、より洗練された「選択の技術とマルチバランス戦略」を拡大しなければならない。同時に、サプライチェーン・エネルギー・インフラ協力で選択的参加とリスク分散を並行し・・・・今回の首脳会談を控えて議題調整のために米中貿易交渉の首長が、13日韓国で会ったのは、韓国外交が「実用的調整者」として機能できることを示す。したがって、韓国は米・いずれの一方に過依存せず、国益に応じて事案別に柔軟に対応する方式で戦略的自律空間を確保しなければならない(文化日報)・・>> その「韓国での調整」のあとに、米中首脳会談が微妙に終わったわけですが。単に中国側が「首脳会談の前に韓国で会うのはどうですか」と言っただけではないでしょうか。日本だと、中国が乗らなかったでしょうし。明日は1日休みをいただきます。次の更新は17日(日曜日)の11時頃になります。

 




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
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   ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。