5月1日にお伝えしたことがありますが、韓国李在明大統領の「セルフ公訴取り消し」の件、続報・・というか、「続報のような何か」です。簡単にどういうことか振り返ってみますと、韓国の与党「共に民主党」は、尹錫悦政権の戒厳令問題を調べて、李大統領が公訴されているのは全て前政権が人為的に捜査したからだ、という結論を出しました。本当はもっと複雑ですが、該当部分だけものすごく簡略にまとめれば、そういうことになります。これで実際に支持率が下がったとかそんな話は聞こえてきませんが、保守・与党支持の人たちに「結束」を訴える要素になっていることは、間違いありません。
朝鮮日報(1日)などの報道をまとめると、共に民主党は4月30日、操作起訴に関する特検(特別検事)の施行において、「大統領が任命する」特別検事に、「李在明大統領に対する公訴の取り消すことができる」権限を付与する法案を発議しました。李大統領に関連した公訴の取り消しの可否を決定できる条項が特検法に入ったのは、「大統領」を事実上の「王」のように考えている韓国でも前例の無いことで、朝鮮日報だけでなく少なくないメディアが、「特別検事の任命は、大統領が行う。被告人が自分の事件を捜査する特検を任命し、その特検が公訴を取り消してしまうというわけだが、これでいいのか」というふうに報じています。ただ、全ての記事が「そこまで」問題視しているのかというと、そうではありません。韓国では、大統領の支持率が高いと、各メディアの批判の論調はものすごくトーンダウンしますから。
今回、その件で、面白い(?)ことがあったので、取り上げてみます。共に民主党の国会議員が、「国民がその件で反発している」という主張に反論する過程で、「市民の8~9割は公訴取り消しの意味も分かってない」と話しました(笑)。だから大丈夫、地方選挙への影響(支持率の下落)はない、といった趣旨です。朝鮮日報(8日)が報じています。法律用語だから分からないという趣旨のようですが、韓国で公(ゴン)訴(ソ)は大して珍しい表現ではありません。最近、単語の意味が分からずに「音」だけで使う人が多い・・というかほとんどの場合がそうなっているのは事実ですので、確かに議員の言うことも本当かもしれm(ry しかし、国会議員がこんなものを「反論」として出していいのかどうか。ちなみに、韓国では取り消しを取(ツィ)消(ソ)と言い、漢字は知らなくても日常で普通に使っているので、さすがにこの単語を知らない人はいないと思われます。朝鮮日報は、この発言を「これが本心」と報じています。なんか、つまらない喜劇を見ているような、そんな気もします。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・共に民主党の朴省俊 議員が、ラジオインタビューで、「市民10人のうち8~9人は「公訴取り消し」の意をよく知らない」と話した。民主党が最近発議した「操作起訴特検法」がイ・ジェミョン大統領事件の公訴取り消しのためだという批判世論が高まることを反論する過程から出た言葉だ。朴議員は前にもネット放送に出て「公訴取り消しが何をどうするのか、詳しく知る国民はそうない。法律的に行けば、疲れる問題」と話した(※この部分、「無理して知ろうとするな」というふうにも聞こえます)。彼は民主党が主導した「操作起訴国政調査特位」幹事であり、今回の特検法発議を主導した・・
・・朴議員が発議した特検法には「公訴取り消し」という言葉は無い。しかし、特検に、裁判が進行中の事件を検察から引き渡してもらい、公訴を維持するかどうかの可否を決定する権限を与えた。「公訴取り消し」の道を開いておいたのだ。共に民主党は「公訴取消のための特検」という批判を避けるため、特検法に何とか「公訴取消」という言葉を書かないようにしたのだ。国民の一部が公訴取消という法律用語に慣れていなくても、なぜ李大統領と共に民主党が無理な国政調査をして特検法まで発議したのか、その理由は知っている。
公訴取消権を付与した特検が捜査する事件12件のうち8件が大統領が関連した件であり、特検は大統領が任命する。自分を裁判する裁判官を自分で任命するのと同じだ。進歩団体(※左側の団体)さえも、これは違憲の法律だと批判している。執権勢力の反憲法的暴走に対する批判が予想を上回ると、李大統領はスピード調整を注文し、共に民主党の地方選挙候補者たちも「選挙に影響を与える」と反発している。国民が公訴取り消しの意味をよく知らず、だから地方選挙に与える影響は制限的であるという共に民主党議員の言及は、別に間違ったことを言ったわけでもなかろう。国民がよく分からないので、選挙後に特検法を処理し、李大統領事件公訴の取り消しをしても、特に問題がないだろうという算段だ。国民をバカだと見ている傲慢と、反民主的な発想だが、この問題に関する限り、これこそ共に民主党の本心なのだ(朝鮮日報)・・>> 明日は1日休みを頂きます。次の更新は、10日(月曜日)11時頃になります。
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。