個人再生が日本の14倍、韓国・・その多くは「生活費」「自転車操業」(20・30代)

10日にもエントリーしましたが、韓国は日本に比べて個人回生(個人破産の一種で、日本で言う『個人再生』と似たような制度です)が多い国です。単純比較でしかありませんが、約14倍。人口比で考えるとものすごい差になります。グーグルのAI「ジェミニ」がまとめてくれた数値だと、韓国(人口:約5,100万人)の場合は個人破産が約4.1万件、個人回生(再生)が約14.9万件です。日本(人口:約1億2,000万人)の場合は、個人破産は約8.0万件ですが、個人再生は約1.1万件にすぎません。いままではこの件で、「無理な投資、過消費などで倒れただけだろう」という側面を取り上げてきました。実際、各メディアの記事を読んでみると、個人再生を申し込んだ人たちの中には、「収入に比べ過剰な支出をする事例」、「株式およびコイン投資による事例」などなどが目立ちます。特に、個人再生の約1割は青年である、とも。

裁判所(回生法院と言います)に申し込むことになるのでどこに金を使ったのかも把握することになりますが、債務が多いのに頻繁なタクシー利用、インターネット放送(たとえばユーチューバーなど)への数百万ウォンの「投げ銭」後援、「繰り返してシャーマニズム儀式を行う(韓国ではお金がかなりかかります)」など、普通とは思えない消費パターンも多いなどが話題になりました。韓国でも、ネット世論に限って言えば、これらの借金は「税金を使ってはならない」という意見が目立ちます。個人的に、最近は未収金取引などで、2日後に反対売買(追証による強制ロスカット)が行われる場合も多く、投資失敗による個人再生が急増するのではないか、と思っています。ただ、「簡単にローンが組めると書かれた広告はあらゆる手段で人々に向かう。容易に多くを削減できるノウハウがありますなどとささやく再生ブローカーもあり、法律事務所は弁済率を下げた事例を実績のように提示する。青年たちはもう『返済できないなら再生すればいいじゃん』と話している」とした記事(国民日報、2023年6月22日)が印象的でした。社会、制度などが焚き付けている側面もあるわけです。




そんなところですが、今回は「そうでもないもん」な側面の記事を一つ取り上げてみます。個人の問題もあるけど、国(経済、社会など)の問題もあるという趣旨です。サンプル調査ではありますが、実際に「返せないほど借金が増えた」「借金をした理由」などを調べてみると、もっとも多いのが「所得空白」と「生活費」である、とのことでして。最近、主に青年層において「雇用ショック」とされる現象が起こっています。人口減少を考えても、高齢層の働き口が増えるだけで、青年層を中心に「GDP成長中でしかも人口減少中なのに、働き口が無い」という謎の現象です。なんか、最大の理由が「生活費」「所得空白」だったりします。ただ、本当に調査に率直に答えたのか、などは気になるところです。ノーカットニュース(26日)です。<<~>>で引用します・・が、その前に。ちょっと、画像の一つを訳しておきますと、「返せそうにないほど借金が膨れ上がった理由は」という質問に、所得空白53.4%、他の負債の返済(自転車操業)49.6%、利子が高い39.1%、事業失敗29.1%、投資失敗10.8%と答えました。合わせると100%超えるので、多分、複数項目にチェック可能なもののようです。この場合、「他の負債」はそもそも何で発生したのか、などが気になるところです。

<<・・1999年生まれのキム・ユジンさん(仮名)は昨年12月、大学院で生物工学の修士課程を修了した後、長い就職活動の末に採用を勝ち取りました。化粧品の研究員として入社したユジンさんは、仕事のために別の地域へ引越しまで行いました。しかし、試用期間が終わるわずか3日前、会社から「(職務に)合わないようだ」と言われ、「地方の工場へ異動するか、反省文を出せ」と告げられたといいます。引越しが困難だったユジンさんは、結局退職を選びました。就職前からすでに生活費や敷金・保証金などのローンで6,000万ウォン(約600万円)ほどの借金があったユジンさん。退職を境に、債務は雪だるま式に膨らみました。毎月入っていた給与が途絶えると、クレジットカードの支払いが滞り始めたのです。家賃や食費など息をしているだけでも出ていくお金が最低120万ウォン、そこに以前のカードローンや融資の返済をすべて合わせると、毎月の支出は手取りの月給215万ウォンを遥かに超えていました。これ以上耐えきれなくなったユジンさんは、最終的に個人回生(※以下、個人再生とします)を申請しました。




これは決してユジンさんだけの話ではありません。個人再生の手続きを始める20〜30代の若者が増えています。「無理な投資」も「ビットゥ(※無理な借金など)」もせず、ただ真面目に生きてきた普通の若者たちが、なぜ再生のための裁判所(※いわゆる回生法院、韓国には各地に破産・再生を専門に扱う裁判所があります)に駆け込むことになったのでしょうか・・・・かつては事業に失敗した50代や、退職金まで使い果たした60代が主に自己破産や再生の手続きを行うために裁判所を訪れていました。しかし今では、裁判所に20〜30代の世代が列をなしているのです。個人再生専門のパク弁護士は「ほんの3、4年前までは、50〜60代を過ぎて再就職が難しかったり、事業に失敗した方が多かった」とした上で、「いつからか再生事件全体の半分ほどが20代・30代になっている」と語ります。

再生手続きを必要とする若者が増えた理由は、他でもない「生活費」のためです。ソウル市福祉財団が2025年に個人再生を申請した満29歳以下の若者のうち、「青年財務ガイド」講座を修了した1,025人を調査したところ、67.9%が「最初に借金をした理由」として生活費を挙げました。借金を抱えたまま就職活動期間が長引いたり、せっかく就職しても突然の離職や転職などで収入が途絶える期間ができ、借金が膨らんでいくケースが大部分なのです(ノーカットニュース)・・>> 今日の更新はこれだけです。このまま1日休みを頂いて、次の更新は8月2日(日曜日)の11時頃になります。

 




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
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   ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。