米国、イランとの合意MOU公開・・ホルムズ海峡関連が怪しい(汗)

米国政府が、イランとの合意MOU(覚書)を公開しました。内容はメディア側が公開していたものと同じですが、政府が正式に公開したのはこれが初めてです。14条項になっています。聯合ニュースがまとめた記事を、さらにまとめて、以下、紹介します。まず気になるのが、ホルムズ海峡通過が「有料サービス」になるかもしれない、という点です。そして、なんか基金を作るそうですが、これ、どこの国がどれだけ出すのでしょうか。以下、まとめになります。

米国・イラン「終戦覚書(MOU)」14箇条の要約、その第1条:軍事作戦の即時かつ永久的な終結。両国はレバノンを含むすべての戦線において、軍事作戦を即時かつ永久に終結することを宣言すること。相互間の脅威や武力行使を自制することを約束し、今後締結される「最終合意(Final Agreement)」において、すべての戦線における戦争の永久的な終結を正式に確認する。

第2条:主権尊重と内政不干渉。双方は互いの主権および領土の保全(完全性)を尊重する。国際法の基本原則に則り、両国は互いの内政に対して一切干渉しないことを厳格に約束する。 第3条:最終合意に向けた60日間の交渉期限を設ける。拘束力のある最終合意を完成させるため、最大60日間の交渉期間を設定する。両国は、このMOU署名から最大60日以内に交渉を完了させることを約束する。ただし、双方の相互合意がある場合に限り、この期限を延長することができる。




第4条:米国による海上封鎖の解除と軍隊撤退。米国はイランに対する海上封鎖を解除し、最終合意後に周辺から軍を撤退させる。米国はMOU署名と同時に、イランに対する海上封鎖やその他の航行妨害の解除を開始する。30日以内に海上封鎖を全面解除し、船舶の通航を徐々に戦争前の水準へと回復させる。さらに、最終合意が締結された後、30日以内にイラン近海から米軍を撤退させる。

第5条:ホルムズ海峡の自由通航とイランの義務(※60日限定の免除)。イランは60日間に限り、ホルムズ海峡の「通行料(手数料)」を免除し、民間商船の自由な通航を保証する。民間通航は即座に回復される。イランは30日以内に海峡内の機雷撤去やその他の技術的・軍事的な措置を完了させなければならない。今後の管理や海洋サービスに関しては、オマーンおよび他の湾岸諸国と協議する。※通行料の無料化が「60日間に限定」されているため、それ以降は管理名目で事実上の通行料(手数料)が課される余地が残されており、今後の大きな論争の種になると予想されています。

第6条:最低3000億ドル規模のイラン再建・経済開発計画。米国は地域パートナー国と協力し、イランの再建と経済発展のための大規模な国際計画を策定する。計画の規模は最低3000億ドル(約465兆3000億円)とされ、この計画を実行するための金融メカニズムを60日以内に完成させる。米国は、この関連金融取引に必要なすべての許可および(制裁の)免除措置を提供する。




第7条:対イラン制裁の全面解除。米国は、最終合意で定められるスケジュールに従い、イランに対するすべての制裁を解除することを約束する。解除対象には、国連安全保障理事会の決議、国際原子力機関(IAEA)理事会の決議に基づくもののほか、米国が独自に科している第1次・第2次(セカンダリー)制裁のすべてが含まれる。双方は制裁問題が交渉の核心であると認識し、最優先で扱う。

第8条:核兵器開発の禁止と高濃縮ウラン(HEU)の廃棄・希釈。イランは核兵器を開発・獲得しないことを再確認し、保有する濃縮ウランを処分する。備蓄されている濃縮物質(ウラン)の処分については第7条のスケジュールに合わせて相互に合意したメカニズムで解決するが、その「最低限の方法」として、IAEA(国際原子力機関)の監督のもと、イラン国内の現地で希釈処理を行い廃棄することにイラン側も同意している。 第9条:最終合意までの現状維持。いわゆるステータス・クオ。交渉期間中、両国は現在の状態維持に合意し、挑発行動を凍結する。イランは自国の核プログラムを現在の状態のまま据え置き、それ以上の進展をさせない。一方で米国は、この交渉期間中に新たな追加制裁を科すことはせず、当該地域への追加部隊の配置も行わない。

第10条:イラン産原油の輸出再開と財務省の免除措置。米国財務省は、MOU署名と同時にイランが原油や石油製品を輸出できるよう即座に免除措置を発効する。この免除措置は、原油取引に不可欠な銀行(金融決済)、保険、運送(海運)などの関連サービス全般にまで拡大して適用され、最終的な制裁解除が完了するまで有効に維持される。 第11条:凍結資産の解除とその使用のための手続き。海外で凍結、または制限されているイランの資金・資産を解除し、イランが完全に利用できるようにする。具体的な解除や使用の手続きは交渉プロセスを通じて相互に合意される。該当する資金は、イラン中央銀行が指定した最終受益者への支払いに使用することができ、米国はそのために必要なすべての許可証を発行する。

第12条:履行監視・検証メカニズムの設立。この覚書(MOU)の内容が正しく履行されているかを監視するための共同実行メカニズムを設立する。この監視メカニズムは、現時点のMOUの履行を追跡するだけでなく、将来的に締結される「最終合意」の内容を両国が遵守しているかどうかを追跡・検証するためにも同様に使用される。 第13条:合意履行の順序と連動性。停戦や軍の撤退、原油輸出の再開などが先行して進むことで、残りの議題の交渉が開始される。停戦(第1条)、海軍の撤退とホルムズ海峡の措置(第4、5条)、石油制裁の免除(第10条)、凍結資産の解除(第11条)が予定通り進展することを確認した上で、両国は最終合意に向けた「その他の残された要素」の交渉を開始する。各条項の継続的な履行が明確に連動している。

第14条:国連安保理決議による承認。最終的に結ばれる包括的な合意は、国際的な担保を得るものとする。両国間で締結される最終合意は、最終的に国連安全保障理事会(安保理)の決議によって正式に承認・追認されるものとする。

ちなみに、MOUですので、「法的な拘束力を持つ最終合意」ではありません。米国側は、まず最優先で「核問題」を解決(ウランの希釈・廃棄など)した後に、次のステップとしてイランによる「地域の武装代理勢力への資金支援・武器供与問題」を交渉議題として議論する方針です。イランが最終合意に達し、適切な行動をとる場合にのみ、本格的な制裁緩和を認めます。世界各国で多分、同じ反応ではないだろうかと思われますが、ソース記事だけでなく同じテーマの報道に対し、ネットコメント欄などでは「イラン再建資金の3000億ドルを、同盟国(韓国など)に負担させるのではないか」という懸念や、無料だったホルムズ海峡に今後通行料がかかることへのトランプ政権への批判・反発が強まっています。とりあえず最終合意待ち、とも言えますが。

 




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