韓国に行ったことのある方なら、「こんなに大きなマート(大型マートと言います)がこんな中心地にあるのか」と驚いた方もおられるでしょう。韓国では、財閥資本などが入った大型マート、大型スーパーにホームセンターをプラスしたような大型施設が、都心部のいたるところにあります。これらの影響力は、想像を超えます。しかし、オンラインでの安売りが広がり、大型マートは赤字になり、既存の「大型マートは『甲(強者)』だから、規制がいろいろあって当然だ」とする政策はそのまま。当然、大型マートは弱体化が続きました。その中でも2位とされていた「ホームプラス」が、再生手続き中でしたが、用意すると約束していた資金を用意できず、裁判所も「うわあぁ」と、再生手続きを中止させました。事実上の破産、記事の題だと「空中分解」が目の間に迫りました。AIに関連ニュースを見せたら、「日本だと、イトーヨーカドーかイオンのような存在が一つ消えたようなインパクト」と話していました。SBS(7日)がこの件を詳しく書いていますので、今日、取り上げてみます。「大型スーパー」、「短期社債/CP」などは、AIと相談して原文から単語を変えてあります(意味は同じ)。以下、<<~>>が引用・・というか、まとめです。
<<・・ ホームプラス破綻危機の現状と影響はどうなのか:大型スーパー業界2位の「ホームプラス」が、2026年7月3日、裁判所から回生手続き(日本の民事再生法に相当)の廃止決定を受けました。残された時間はわずか2週間。2,000億ウォンを調達できなければ、1万2,000人の従業員と4,600社あまりの取引先が路頭に迷うことになります。この前の中央グループ(中央日報の親企業)のときも同じことを書きましたが、これほどの大きな企業が、20億円(中央グループ)、今回は200億円を用意できないから倒れてしまうのが、流動性問題を物語っている気もします。清算(倒産)による甚大な影響が予想されています。ホームプラスが清算された場合、どれくらいの問題があるのでしょうか。
まず雇用の喪失: 直接雇用の労働者1万2,000人と、間接雇用1,000人の計1万3,000人が職を失います。
波及する範囲まで考えると: 取引先約4,600社、テナントの個人事業主、配送ドライバー、短期社債(コマーシャルペーパーなど)の投資家まで含めると、その規模は最大10万人に達する、という分析が出ています。中小企業中央会の調査によると、ホームプラスの取引先である中小企業・個人事業主150社が回収できていない売掛金(納品代金)は、1社あたり平均7億7,400万ウォンにのぼります。また、短期社債の投資家たちの被害額も4,000億ウォン規模に達しています。すでに閉店した店舗に入居していたあるテナント店主は、次のように戸惑いを口にしています(記事のインタビューより) 「店舗の設備投資にかけた数億ウォンも回収できていないのに、いつまで営業できるかも分からず、目の前が真っ暗です」。労働界は「直・間接雇用の労働者や取引先、テナント業者とその家族まで含めれば、30万人の生計がかかっている」と主張しています。
記事は、この危機の本質は単なる経営失敗ではなく、「構造的逆風」だとしています。「ホームプラスの危機は、単なる経営の失敗だけが原因なのでしょうか?違います。実は、韓国の大型スーパーという業態そのものが構造的な逆風に直面しています」、と。韓国産業通商資源部のデータによると、韓国の小売市場におけるオンライン(EC)のシェアは60.3%に達しているのに対し、大型スーパー(大型マート、いわばハイパーマーケット)のシェアは7.9%にとどまっています。大型スーパーの売上不振は2024年第2四半期以降、ずっと続いています。韓国開発研究院(KDI)は次のように分析しています。「オンラインの普及は、大型スーパーが持つ汎用的な需要を吸収する一方で、近隣の商圏を基盤とするSSM(企業型スーパー)やコンビニには新たな機会をもたらすという、二重の構造を作り出している」。つまり、実店舗(オフライン)全体が崩壊しているのではなく、特に「広い売り場・まとめ買い・車での移動」を前提とした大型スーパーのフォーマットが、最も直接的な打撃を受けているということです。ホームプラスの失敗を「特定の経営陣のミス」とだけ片付けるのが難しい理由はここにあります。
では、政府による「大型スーパー規制(※伝統的な市場や中小小売を守るための営業規制など)」はどのような役割を果たしたのでしょうか。2013年の学術論文では、韓国の大型店舗規制は「伝統的市場や中小小売商を保護する政策的根拠がある」と評価されていました。しかし、2026年のKDI報告書は、現在の市場環境においては、この制度を「オンラインとオフラインの規制不均衡」という観点から再検討すべきだと指摘しています(消費が安売りメインのオンラインに移ったのに、オフライン上の大型マートに規制を続けていた)。ネット通販が消費の過半数を占めているにもかかわらず、規制は主にオフラインの大型スーパーに集中しているため、競争条件が公平ではないという指摘です。KDIは今後の政策方向として、流通産業発展法の柔軟な見直しや、実店舗のO2O(オンライン・ツー・オフライン)連携、デジタル転換への支援を提案しています。規制がホームプラスを直接破産させたとは断定できませんが、大型スーパーが業績を回復する余地を狭めた環境要因であった可能性は十分にあります。
なぜ取引先の被害がここまで深刻なのか: 『KDI Journal of Economic Policy』に掲載された2025年の論文によると、大型スーパー部門(イーマート、ロッテマート、ホームプラス)には約1,500社のサプライヤーが繋がっており、この部門だけで調査対象の全流通取引額の23%を占めていました(こんなものが赤字になると、その影響は大きくなるしかないでしょう)。また、大型スーパーの主な取引方式は「直仕入れ(特に加工食品は55%)」が中心です。これは、商品の代金精算が遅れたり営業が停止したりした場合、その衝撃が単なる店舗内にとどまらず、納品業者の在庫、運転資金、キャッシュフローへと急速に連鎖することを意味します。ホームプラスは単なる一つの「小売企業」としてではなく、中小の取引先が連鎖倒産しかねないキャッシュフローの急所だと見るべきです(SBS)・・>> 今日の更新はこれだけです。次の更新は、明日(7月8日)の11時頃になります。
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。