駐米韓国大使が、急に5日間も帰国しました。「(対米政策の)対策が必要だ」としながらも、「米韓の合意事項に、これといって問題が起こっているわけではない」としていますが、記事は「大使が帰国までするのは異例のことだ」としています。東亜日報(15日)です。どこの国も似たようなものだと思いますが、通常、駐米大使のような「最」重要ポストの大使が一時帰国するケースは、以下のように明確な名目がある場合がほとんどです。駐在国の首脳(この場合は米大統領)の訪韓などの際に、同行して帰国する。全ての大使が参加するイベント(定期的に開催される「在外公館長会議」など)のため、またはいくつかの常識的な理由(休暇、健康上の理由)。
今回のように、特定の外交・通商上のトラブル(クーパン問題、表現の自由を巡る法改正、投資の遅れ)の「対策会議」だけを目的に、本国から呼び戻されて5日間も駐在国を空けるというのは、通常の外交慣例から見るとかなり珍しい動きです。簡単に言うと、公電(外交電報)やオンライン会議のレベルでは処理しきれないほど深刻化しているということでしょう。また、文在寅政権からずっと言われていることですが、「韓国外交部や大統領府が、アメリカ側と疎通できていない」こと、すなわち米国の動向を把握できていないため、大使を直接呼び出すしかなかった、という見方もできます。また、記事には「情報通信網法改正案」というものが出てきますが、これは、ネットのフェイク情報にペナルティーを課するというものですが、「何が虚偽なのか」の初期判断をプラットフォーム(たとえばグーグルとか)に委ねているため、企業側はいわゆる「グレー」な投稿や、時の権力者に対する正当な批判・疑惑追及まで「念のため」と削除・検閲してしまうのではないか、という問題が指摘されています。
特にYOUTUBEなどが含まれている以上、どうしても海外企業(アメリカ企業)への影響が懸念されています。米国側はすでに公式な懸念を表明しています。はてさて、そんな中、ですが・・以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・康京和 駐米大使が15日から5日間にわたり一時帰国し、韓米関係全般について関係部処(※省庁)と業務協議を行う。康大使は魏聖洛 国家安保室長や経済部処などと面会し、最近米国側がクーパン問題や「情報通信網法改正案」の施行、対米投資の遅延などに対して露わにしている不満や主張を伝え、対策を議論するものとみられる。外交部は14日、康大使が趙顕 外交部長官の指示により一時帰国するとし、このように明らかにした。朴一 外交部報道官は同日の定例ブリーフィングで「外交長官は両国関係に関して臨場感のある評価を聞くため、随時、該当国および駐在大使たちと直接意思疎通する機会を持ってきた」とし、「他の国に駐在する大使たちのそうした出張も、これまでにもあった」と説明した。ただ、通常、大使は駐在国の首脳が訪韓する際などに同行して帰国するケースが多く、一時帰国は異例だという評価が出ている。
康大使は青瓦台(※大統領府)安保室や産業通商部・財政経済部などの経済部処、国防部などとともに、クーパンや情報通信網法、対米投資などについて議論するものとみられる。クーパンの個人情報流出事態に対する政府の対応を巡り、米国政府が「韓国政府が米国企業を不当に扱っている」という立場を崩さないなど、韓米間の異見が続いており、解決策を模索しようとしているということだ。虚偽操作情報をより厳格に規制する情報通信網法についても、米国務省は9日(現地時間)、「過度なコンテンツ規制を招き、表現の自由を毀損しかねないという点について深刻に懸念している」との立場を出した。
昨年10月の韓米首脳間で合意したジョイント・ファクトシート(JFS・共同説明資料)の対米投資のフォローアップ措置などを説明するとの観測も出ている。最近、3500億ドル(約523兆ウォン)の対米投資履行に関する韓米間の協議も進展が遅いと伝えられた。外交安保分野の政府関係者は「対米投資に関する雰囲気はそれほど良くないと聞いている」とした。投資履行のための対米投資特別法が先月18日に施行されたが、まだ第1号の投資プロジェクトが確定しておらず、投資履行の速度などに対する米国側の不満が感知されているという・・・・ただし、現在までにクーパンや対米投資などの通商懸案が、原子力潜水艦およびウラン濃縮などジョイント・ファクトシートの安保協議に影響を及ぼす状況ではないと伝えられた(東亜日報)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。