韓国メディア「大使の一時帰国、米韓関係の現在をそのまま表している」

昨日お伝えした「駐米韓国大使の一時帰国」、多くのメディアが記事を載せていますが、ほぼすべての記事が「クーパン問題で米国が『間違えている』」という論調『だけ』を報じています。いつものことではありますが、韓国側の対応には何の問題もない、という論調です。この件について米国側の対応を一方的に支持するつもりはありません。しかし、その背景には、もっと多くのことがあります。まず、駐韓米軍が政府に直接抗議したとまで報じられている、米軍との問題。たとえば「日米軍事演習に合わせる形で戦闘機が出撃、黄海上空で中国と対峙することがあったけど、韓国政府は一方的に米軍の責任を追及した」こと、などなど。対米投資が何の進展も無く、(トランプ関税関連の)貿易合意のときからずっと指摘されてきた非関税障壁や国内法律関連の問題を何も改善せず、むしろ米国側が懸念を伝えていた法律が次々と国会を通過したこと(昨日の午前のエントリーも参考にしてください)。

それに、これ前にも引用したことのある記事ですが、韓国側はこの問題を中国側にいっさい抗議していません。<<・・(※クーパン情報流出問題に関わったとされる中心人物が中国人で、いまも中国にいることで)事実上、全国民の個人情報にかかわる事件であり、政府レベルで強力対応するのが当然だった。中韓の条約により、すぐにその人物を引き渡してもらわなければならなかった。ところが、責任者である法務長官は『(今まで)中国が私たちの引渡請求に応じたことがない』とだけ、話した。どうせ応じてくれないから、努力もしないという意味に聞こえた。事件後、中国を訪問した李大統領は、習近平主席との会談でこの問題を取り出さなかった。記者会見で関連質問が出ると『どうしろというのですか』と反論し、中国に対する世論の感情的な問題を批判した(朝鮮日報、4月3日)・・>>、と。




こんな中、クーパン問題「だけ」を大きく取り上げることで、「ロビーの問題だ」というイメージだけを作り上げている各メディアの報道には、ものすごい違和感があります。ほとんどのメディアが「こんな問題を安保関連にまで広げている(安保問題と繋げて『セットで』進めるとしている)」と米国側を批判していますが、実は安保関連、先の米軍問題などについて『それはノーカン、ノーカン・・』としている韓国政府・メディアの反応こそ、安保問題において判断ミスではないでしょうか。わざとでしょうけど。特に、前の左側政権のときから問題視されてきた「米国側と疎通するための通路(国会議員やシンクタンクなどとの人的関係なども含めて)」が大幅に縮小されているという件もまた、今回の大使帰国で浮き彫りになったと言えるでしょう。そんな指摘も、ほとんどのメディアには載っていませんん。珍しく韓国日報(16日)が、「米韓関係」という広い範囲を視野に入れた記事を載せましたので、そちらを<<~>>で引用してみます。

<<・・康京和(※個人的に、この方が駐米大使ということですでに違和感があります)駐米韓国大使が、趙顕(チョ・ヒョン)外交部長官の指示により一時帰国した。4月に続き、わずか3ヶ月の間に再び韓国へ戻ったことになる。主要国の大使がこのように頻繁に本国を行き来するのは異例のケースだ。これは、韓米関係の最大の葛藤要因として浮上した「クーパン(Coupang)事態」を媒介とした、通商・安保における摩擦が万全ならざる状況である(非常に深刻である)という意味として解釈される。康大使は5日間の国内滞在中、趙長官をはじめ、国家安保室、産業通商資源部、国防部、科学技術情報通信部の当局者らと幅広く面会する予定だという。クーパン問題を含め、対米投資や原子力潜水艦の導入、情報通信網法(※昨日も紹介しましたが、「虚偽情報」の判断が各プロバイダ側の責任とされ、韓国で営業している外国企業も全て、事実上『韓国政府の意向に合わせた判断』をするようになることが懸念されています)の問題まで、両国の立場がすれ違う懸念材料が山積している。




米議会とホワイトハウスは、クーパンの個人情報流出事態以降の韓国政府の対応について「差別的だ」とし、「クーパンが李在明政権の標的になった」と不満をあらわにした。これに対し、魏聖洛国家安保室長が「国籍によって企業活動を差別的に扱ったり、誰かを標的にして調査したりすることはない」と釈明したが、認識の溝は埋まっていない。米国務省は7日に施行された情報通信網法の改正案について、「過度なコンテンツ規制を招き、表現の自由を損なう恐れがあるため深刻に懸念している」と指摘した・・

・・3,500億ドルを投資する「対米投資特別法」は、施行から丸一ヶ月が経とうとしているにもかかわらず、一向にスピードが上がっていない。両国の利害関係が絡む複数のイシューに足元をすくわれ、自主国防の核心である原子力潜水艦の建造議論も停滞している状態だ。康大使は一週間前、クーパン事態に関連して「韓米関係の負担にならないよう、安定的に管理していこうというコンセンサス(共通認識)が両国政府間で形成されている」と楽観視していた。しかし、康大使を(本国へ)呼び戻したことを見れば、状況は真逆に進んでいる。国内の取材陣に対しては「私が考えていたよりもはるかに長引いているイシューだ」と前言とは異なる発言をした。康大使が米現地の情勢を正しく把握しているのか疑問を抱かざるを得ないほどだ。韓米関係が連日のようにきしんでいる。もつれた糸を速やかに解くことこそが国益にかなう。同盟管理の問題が大きな試練の場を迎えている(韓国日報)・・>>

 




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
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