韓国、「同盟派と自主派」に続き、今度は「通商派と安保派」に分かれて対立・・要は「対米投資」

日本の安全保障論議の感覚のままだと、日本だと「自分の国は自分で守る(防衛力強化)」と「日米同盟の強化」はセット(車の両輪)として語られます。しかし、韓国ではその二つが「対立する概念」になっています。それを「自主派」と「同盟派」と言います。ですが、中央日報の記事(18日)によると、今度は「安保派 vs 通商派」というのも出来上がっている、とのことでして。韓国における「自主」には、「アメリカからの自立(脱・アメリカ依存)」という意味合いが強く含まれています。同盟派(主に保守系)は「北朝鮮の脅威に立ち向かうには、米韓同盟が絶対必要だ。勝手な軍備路線や対北融和策などはすべきではない」というスタンスです。自主派(主に進歩・共に民主党など民主党系)は「いつまでもアメリカに作戦の指揮権(戦時作戦統制権)を握られ、アメリカの顔色を伺う外交をしていていいのか。独自の軍事力(原子力潜水艦やウラン濃縮など)を持ち、対等な主権国家として北朝鮮や周辺国と渡り合うべきだ」というスタンスです。といっても、中朝に近づきたいだけかもしれませんが。

そこで、さらに「安保派」と「通商派」となりますが・・「アメリカに巨額の投資(約3,500億ドル)をする約束を果たせ」とホワイトハウスから迫られている中、国庫や企業の財布を預かる側と、国防を背負う側で大喧嘩が起きています。通商派は「そんな大金をアメリカに投資したら、国内の産業や経済がもたない。為替への影響も甚大だ。もっとビジネスとして慎重に見極めるべきだ(通商的によくない)」としています。安保派は「アメリカへの投資をケチったら、米韓同盟にヒビが入る。そうなれば、我々がやりたい原子力潜水艦の導入も、作戦権の返還も、結局はアメリカが応じなくなってしまう」としています。なんというか、そもそも「合意しておいて何を言ってるんだ」といったところです。韓国ではクーパンなどを持ち出して「それだけ」にしていますが、記事は珍しく、米韓関税交渉の結果など、対米投資をメインにしています。以下、<<~>>が引用部分です。




<<・・康京和 駐米韓国大使が、趙顯 外交部長官の指示により一時帰国した。事実上の緊急呼び出しである。3ヶ月前にも個人日程を兼ねて帰国していた康大使の相次ぐ一時帰国も異例だが・・・・外交・安保官庁以外に経済官庁の長官(※大臣)たちと共にNSC(国家安全保障会議)常任委員会に臨む動きも前例を見出すのが難しい。至るところで赤信号が灯った米韓関係の現住所を物語る動きに違いない。康大使本人も「現場感を伝えるために来た」と語り、ワシントンの尋常ならざる気流を政府要路に伝えるための帰国であることを明らかにした。国家安全保障会議(NSC)常任委員会の会合には・・・・外交・国防・統一部の長官や国家情報院長といった通常の出席者のほか、財政経済部、産業通商部、公正取引委員会の当局者も出席した。彼らが出席した背景は、「米韓関係は通商と安保が結合しているだけに、一段階進展させるためには複数の官庁が有機的に協力して対応しなければならない」というウィ室長の発言から察することができる。

現在の米韓関係は、昨年10月に両国首脳が合意した「通商・安保共同ファクトシート」の履行が9ヶ月間にわたり空転していることからも分かるように、決して正常な状況とは言えない。核心的な原因は、官庁内において大統領府(青瓦台)の政策室長を筆頭とする「通商派」と、安保室長や外交長官に代表される「安保派」との間の異論調整が適切に行われていないためだ。「通商派」は、投資の商業的合理性、国内産業の保護、為替の安定といった経済論理を掲げ、3,500億ドルに達する対米投資の執行に消極的(未温的)だ。実際、今年6月に対米投資特別法が国会を通過したにもかかわらず、政府は未だに第1次投資プロジェクトを提示していない。昨年5,500億ドルの対米投資を約束した日本が、今年2月と3月の2回にわたり約1,090億ドル規模の対米投資プロジェクトを発表したこととは対照的である・・




・・米国がどのような視線で韓国を見つめているか、容易に想像がつく部分だ。最近、米議会にまで飛び火した「クーパン(Coupang)事態」について、康大使は「考えていたよりも遥かに長引く問題」と言及したが、その根底には対米投資プロジェクトがあるからだ。一方で「安保派」は、対米投資の履行なしには、原子力潜水艦の導入、再処理およびウラン濃縮、戦時作戦統制権(戦作権)の移管など、自主国防のための宿願事業を進展させることができないという現実的な限界に直面している。外交長官が対米外交の最前線にいる康大使を緊急呼び出しし、「通商派」に現地の雰囲気を説明するという苦肉の策をとったのもこのためだ。これに加え、過去の民主党政府時代からの根深い「同盟派」と「自主派」との間の異論も、米韓関係をさらにこじらせる要因として作用している。鄭東泳 統一部長官の発言を口実にした米国側による対北朝鮮情報の制限、戦作権移管の時期と条件をめぐる米韓間の不協和音などがその事例だ。これに関連してワシントンの政界(朝野)では、李在明大統領が昨年、初の訪米時に「安保は米国、経済も米国」という基調転換の意志を示したものの、(※実は)米中バランス外交を追求する従来の民主党政府の外交・安保路線へと回帰したのではないかという疑念まで拡散している気流だ。

今回の康大使の緊急呼び出しの状況からも分かるように、関係官庁間の調整を通じて核心的な懸案に対する政府の基調を定めるプロセスには少なからぬ難しさがあり、意見調整が円滑に進んでいないという話が広まっている。「通商派」と「安保派」、「自主派」と「同盟派」など、政府内の責任ある当局者間の異論が複合的に絡み合っている。国家の外交・安保と通商政策の最終決定権者は大統領である。結局は、大統領の決断とリーダーシップによって大きな方向性を定め、関係官庁が一枚岩となってこれを履行していかなければならない(中央日報)・・>>

 




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
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