韓国李大統領、債務の減免を主張・・「モラルハザードという主張は扇動にすぎない」

李在明大統領が「借金の蕩減(軽減、減免)」をもっと行うべきだと強い論調で主張しました。長期延滞において、先進国では免責制度がちゃんとあるのに、韓国はそういう制度がないという主張ですが・・「(減免制度は)モラルハザードを誘発するという主張はは扇動にすぎない」など、主張が強すぎます。朝鮮日報(17日)、文化日報(15日)などが報じています。よりによって「借金で株式投資」などが社会問題として急浮上し、一部の海外メディアからは「金融危機の可能性まで見えてきたのではないか」とされている昨今、なんでこんな話をするのでしょうか。海外の減免・免責制度は、まず、ペナルティーが存在します。有名なのが「しばらくの間、信用取引(クレジットカードなども含めて)ができなくなる」などですね。そして、そんな状態でも経済活動に参加すればなんとか生活が維持できる「社会のセーフティ・ネット」がちゃんと機能していることが前提になります。

10日にも取り上げましたが、韓国の場合、個人破産・個人回生(日本の個人再生のような制度)などを選ぶ人が多く、個人再生の場合は単純比較ではありますが日本の14倍に及びます。そして、「個人再生になって借金が軽減されたから、その祝に(自分へのお祝いに)さらに金を借りる」というとんでもない流れになっています。そんな中、大統領のこの発言は、どんな影響を残すのでしょうか。以下、<<~>>で引用してみます。




<<・・李在明 大統領は、就任後2回目となる業務報告の初日である15日、長期債務者の借金減免について、「我が国は借金の減免に対して過酷なほど厳格だ」とし、「借金を返済する能力がないのであれば、破産・免責して再出発できるようにしてあげる方が(社会の)ためになる」と明らかにした。李大統領は「非難や扇動のせいで、政府がなすべきことをやらないわけにはいかない」と述べ、債務管理システムの刷新への意欲を強調した。李大統領はこの日、大統領府で行われた財政経済部・国家データ庁・金融委員会・企画予算庁の業務報告において、国内の金融機関による厳格な債務管理を指摘し、「一種の宣伝・扇動の影響を受けた側面がある」と指摘した。また、「人を活かす金融ではなく、人をつぶす金融になっているケースが多い」とし、「西欧社会において長期延滞債務を整理することは、ごく基本的なことだ」と説明した。

李大統領はイ・オクウォン金融委員長に対し、「借金を返済できない人の債務を減免するとモラルハザードを誘発するというのは、無責任な扇動だ」とし、「批判を受けるからといって、なすべきことをやらなければ社会はどうなるのか」と迅速な制度改革を指示した・・・・あわせて大統領は、「金融機関が長期延滞債務者を過酷に管理することこそが『モラルハザード』だ」とし、「過酷かつ過剰に金を回収すれば、それは不当利得ではないか」と声を荒らげた。李大統領はさらに、「借金のせいで人が命を落としたり、社会から隔離されて経済活動ができなくなったりして、社会共同体全体が不利益を被るようなことがあってはならない」と付け加えた(文化日報)・・>>




<<・・李在明大統領は経済官庁の業務報告において、「我が国は借金の減免に対して過酷なほど厳格だ」と述べ、大規模な債務減免対策を指示した。借金を返済できずに金融ブラックリスト(信用不良者)に転落すると、金融取引はもちろん就職にも制限を受ける。彼らをブラックリストに縛り付けておくよりも、再起の機会を与える方が社会全体にとって利益になり得る。しかし、債務減免制度が存在しないわけではない。歴代の政府は、長期延滞者や被害を受けた小規模事業者を救済するため、限定的な債務調整を実施してきた。文在寅政権は長期少額延滞者159万人の債権を消却し、尹錫悦政権はコロナ禍で被害を受けた小規模事業者の負債を減免した。

李在明政権も「再出発・再跳躍基金」を導入し、7年以上延滞している5000万ウォン以下の個人113万人の債務16兆ウォンを減免しているほか、コロナ被害に遭った小規模事業者10万人の融資元本を最大90%まで減免している。裁判所の個人再生・破産免責制度もある。不足している点はあるかもしれないが、債務者の再起を支援する制度的枠組みはある程度整っているのだ。それにもかかわらず、大統領はどの制度が不十分なのかという診断もなしに、「返済能力がなければ減免すべきだ」という方向性を提示した。これは制度の改善ではなく、「無条件の減免」宣言のようにも受け取られかねない・・・・李大統領はモラルハザード(道徳的弛緩)の議論について、「正常に返済した人々に不条理さを抱かせる、無責任な扇動だ」と強く批判した。

その一方で、税金の滞納に対しては「税金を納めた人は、どれほど理不尽に思うだろうか」と述べ、滞納整理団(徴収チーム)を1万人増員するよう指示した。誠実な納税者の喪失感は認めながら、誠実な返済者の喪失感は「扇動のせい」にするという二重基準である。金融ブラックリスト化して苦しむ庶民の債務を免除し、民生経済を回復させることは必要だ。しかし、債務の減免は、頻繁に使うほど薬効よりも副作用が大きくなる超強力な鎮痛剤のようなものである。例外的な状況において、厳格な基準のもとで慎重に使われなければならない。信用社会の基本原則が崩れてはならないのだ(朝鮮日報)・・>>

 




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
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