ええっと、ブルームバーグが、韓国では労働組合が営業利益の一部をもらおとしていますよおくさん!という記事を載せました。なんか、AIとか関係ない会社でもそうなっているそうです(笑)。やはり、あれでしょうか。相対的剥奪感というか、「機会の平等」ではなく「結果の平等」をもとめてしまうというか、「うちもそうでなければならない」の、あれです。労働組合が強いし、今もそうですが左側の政権は労働組合の支持が(政権によって支持の程度は異なるものの、全般的に)強く、また必要ですから。ちなみに、記事で現代車の話が出てきますが、実はここ、一時フィジカルAI(ボストン・ダイナミクス社のロボット)を導入するとかで株価が一気に上がりましたが、いまは最高値に比べて40~50%も株価が下がっています。そんな中、営業利益の一部をくれ、というデモが起こるわけですから、大変ですね。
また、黄色い封筒法の話も出てきます。これ、前にも何度かエントリーしたことがありますが、労働組合の権限を大幅に強化する法案です。代表格とされるのが、下請会社まで労働争議が可能になることです。たとえば、Aという大企業があって、B社やC社など多くの企業が、A社から下請けを受けているとします。その場合、いままでは、A社はA社の労働組合とだけ交渉すれば、それでよかったです。しかし、黄色い封筒法では、B社やC社の労働組合も、A社を相手に労働争議を起こすことができます。韓国では強者の立場の人を「甲」と言いますが、それがもともと契約書の甲乙表記から来た、と言われています。こういう契約が、かなり不平等だったのは事実でしょう。しかし、自動車、造船分野など韓国経済を支えてきた製造業などでは、大企業1社が、無数の企業を相手に団体交渉をしなければならなくなる、と言われています。記事や専門家の見解にもよりますが、「大手造船社の場合、団体交渉対象になる会社が1000~2000社を超える」、とも。今日は原文ではなく、毎日経済(23日)が紹介した記事を、引用してみます。言うまでもなく、「これは、投資リスクだ」と指摘されています。<<~>>が引用部分です。
<<・・Bloomberg「労働運動が最も過激な国」、「AIとは無関係な産業へインセンティブ(成果給)要求が拡大」、「黄色い封筒法、労组に過度な影響力を付与」(※見出し)・・・・Bloombergが現代自動車やカカオなど韓国の大企業労働者が営業利益の一部を成果給(インセンティブ)として要求する事例に焦点を当て、韓国は最も過激な労働運動が存在する国であり、国内外の投資家が韓国企業に投資する際にこれをリスクとして認識していると警告した。23日、Bloombergは営業利益の30%を成果給として支給するよう要求した現代自動車の生産職労働者、HD現代重工業やLG U+の労組などに言及し、「サムスン電子が一部の社員に対し40万ドルを超える成果給を支給することで合意した後、韓国全土で労働組合による補償拡大の要求が強まっている」と指摘した。
Bloombergは「サムスン電子やSKハイニックスの従業員が人工知能(AI)ブームによって得た記録的な利益の還元を求めたことから始まった動きが、AIと直接的な関連がほとんどない産業にまで広がっている」とし、「これは歴史的に同地域で最も強硬な労働運動が存在してきた国の一つである韓国に投資する際、投資家が直面し得るリスクを改めて思い起こさせる」と強調した。Bloombergは、思いがけない巨額の利益を得た企業がその成果をどのように分配すべきかについて、韓国国内で議論が巻き起こっていると診断した。企業の所有者である株主に利益が帰属するのではなく、労働者が成果給の形で受け取るべきだという主張が韓国の労働界から出ているとの指摘だ・・
・・Bloombergは特に、「黄色い封筒法(Yellow Envelope Act)」をはじめとする最近の労働法改正を労使紛争拡大の原因として挙げた。Bloombergは「労働者の権利を拡大する法改正が労組に過度な影響力を与え、労働者がストライキによって(企業を)積極的に脅かすようになったことに対し、経済団体が懸念を示している」とし、「野党議員らが団体交渉の範囲を制限し、労働争議の対象を労働条件に限定する内容を含む法改正を推進している」と説明した・・・・BloombergはAIやロボット導入に伴う現代自動車および起亜の労使対立についても紹介した。両社の労組はヒューマノイドロボット「Atlas」が導入されることに備え、雇用の保障を求めている。現代自動車の労組は「合意なしには1台のロボットも工場に入れることはできない」と表明し、新技術や新車へ投資する前に労働者の同意を得るよう要求した。
Bloombergは過度な労使紛争が韓国企業の業績をむしばんでいると警告した。Bloombergはサムスン証券が労組リスクを理由にカカオの目標株価を約27%引き下げたことを紹介した・・・・カカオの従業員数千人は営業利益の最大15%を成果給として配分するよう求め、先月ストライキに踏み切った。今月13〜15日、現代自動車の労組(全国金属労働組合 現代自動車支部)は賃金交渉の難航を理由に3日間・2時間ずつ部分ストライキを断行し、去る20日からは3日間・1日4時間ずつ部分ストライキに突入した。会社側が月基本給8万9000ウォン引き上げと成果金350%+1000万ウォン、株式15株の支給などを提示したものの、労組は賞与金の引き上げとともに定年延長、解雇者の復職などを要求していると伝えられた。現代自動車の営業利益は昨年、前年比で19.5%減少したことに続き、第1四半期に30.8%減少した。第2四半期の営業利益も同様に2桁以上の減少となることが予想される(毎日経済)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。