前々から本ブログで描いてきた内容ですが・・韓国は、駐韓米軍を『韓国の専守防衛(他地域には関与しない)』『対・北朝鮮だけの戦力(他国関連では動いてはいけない)』ということにしています。右側政権でもこの基本方針が変わったことはありません。「たとえ有事の際でも、日本自衛隊は朝鮮半島に進入してはならない」という政府方針とともに、韓国が日米とどれだけ異なるスタンスを示しているのか、よくわかる事案です。それからも何度も何度も「米国側から、中国(中露)対応に向けた路線変更及び早々の部隊の配備に関する要求が来ている」というニュースがありましたが、いまでも韓国政府のスタンスが変わっていません。最近の事例だけ見ても、スタンスが変わるはずもありません。2月、駐韓米軍戦闘機が日米軍事演習に合わせる形で黄海のほうに出撃、中国戦闘機と対峙したことがあります。その際、韓国政府は一方的に米軍のほうに抗議し、ついには「駐韓米軍が詫びを入れてきた」という報道まで出て、大統領室スポークスマンもその記事の内容を認めました。しかし駐韓米軍側は「安保関連で、詫びを入れるなどの理由は無い」としながら、わざわざ声明を発表し、韓国政府の主張に反論しました。
そして、そんな中、米国のウォール・ストリート・ジャーナルが、ヨーロッパにいた米国の「多領域展開のための部隊」が、韓国に配備されることになったと報じました。韓国では2日の連合ニュースが報じています。この内容が本当なのかどうかは分かりませんが、米国側の同じ流れ、同じ要求はこれからも続くでしょう。記事の引用部分の最後に韓国側のコメントがありますが、9月1日にお伝えした「米韓の軍指導部に、イザコザがあるのでは」という内容の際、合同参謀本部(※韓国側)は「米韓軍指揮部は堅固な韓米同盟を土台にしっかりした連合防衛態勢を維持していくという意志を再確認した」としました。今回もほぼ同じ内容しかなく、やはりなにかのテンプレを読み上げているとしか思えません。さて、本当でしょうか。もし本当なら、韓国政府の方針を正面衝突する内容ですが。以下、<<~>>が引用部分になります。
<<・・米国が敵の「アンチ・アクセス/エリア・ナイアル(A2・AD:反アクセス・地域拒否)」戦略(※主に米軍が中国の作戦域、台湾海峡や東シナ海などに入ってくるのを阻止するための中国・ロシアの戦略の一つ)を突破するために創設した次世代機動部隊である「多領域特任隊(MDTF・Multi-Domain Task Forces)」の戦力を朝鮮半島に配置する案を推進していることが2日、明らかになった。先月、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)はクリストファー・ラニーブ陸軍参謀総長代行の体制下で、米陸軍が欧州から韓国へMDTFを移動させていると、陸軍関係者の言葉を引用して報じた。WSJの報道が事実であれば、米国はドイツに本部を置き欧州戦域を担当する「第2多領域特任隊」の戦力を韓国へと移動・配置するものと見られる。移動する戦力の具体的な規模や性質などは分かっていない。
実際に米当局が韓国へのMDTF戦力配置を推進する具体的な動きがあることが伝えられている。一部が先発隊としての性質を持ち、あらかじめ入国した情勢も捕捉されている模様だ。MDTFは地上、海上、空中、宇宙、サイバー・電子戦など、あらゆる領域で行われる米陸軍の作戦遂行概念である「多領域作戦」を遂行する部隊だ・・・・中国とロシアは、米国の増援戦力が自国の作戦範囲へ接近することを阻んだり、その内部で軍事的目的を達せられないようにするA2・AD戦略を用いている。
サイバー戦、電子戦、情報戦、長距離精密打撃などの能力を統合的に活用してこれを突破しようというのが、米国のMDTF創設の狙いだと知られている。米国はワシントン州にある陸軍第1軍団に最初のMDTFを創設し、第2 MDTFはドイツに、第3 MDTFはハワイにそれぞれ配置した状態だ。ジェイビアー・ブランソン駐韓米軍司令官は最近、韓国にMDTF戦力を配置すべきだという立場を何度も公に明らかにしてきた・・・・今年5月の米陸軍協会(AUSA)インド太平洋地上軍(LANPAC)シンポジウムの基調講演でも「韓国にMDTFを配置することを希望する」と述べた。
米国がMDTF戦力の朝鮮半島配置を推進しているということは、駐韓米軍司令官レベルの希望を超え、米軍首脳部との共感の中で計画が具体化しているとも解釈できる。MDTF自体が中国とロシアのA2・AD戦略への対応のために考案された概念であるだけに、MDTF戦力の韓国配置は、駐韓米軍の対中国牽制という性質を強化する動きとしても読み取れる。韓国国防部は、MDTF戦力の朝鮮半島配置をめぐる協議の有無について、「米国政府の公式立場ではない関連記事にいちいち言及したり評価したりすることは適切ではない」という立場のみを明らかにした。国防部関係者は「韓米両国は堅固な韓米同盟の維持、および対北朝鮮防衛態勢の強化のため、多様な同盟の懸案をめぐり随時密接にコミュニケーションをとっている」と述べた(連合ニュース)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。