さて、トランプ大統領がEU、日本などに(韓国も)12.5%の関税をかけると発表しました。もはや「まずは国内で(司法と政府などが)ちゃんと意見統一してからにしようね」としか言いようがありませんが・・また軍艦派遣を要請したという話も出ているし、気になるばかりです。さて、今日は韓国の雇用市場の歪みを、珍しくまとめた文章(私が少し、ジェミニがほとんどやりました)でお届けします。ヘラルド経済(20日)、朝鮮BIZ(朝鮮日報、23日)からです。基本的には青年雇用の話で、ここでいう青年とは15~29歳のことです。どうやら、青年の大卒失業者が約30万人(全体で48万人)を超え、記録がある中でもトップクラスに増えた、とのことでして。
ちなみに該当年齢代の人口は780万人とされています。「失業者」なので、カウントされない人たちもいます。たとえば、最近よく話題になる、20~30代だけで数十万人とされる「ただ休んだ」(これといった理由もなく休んでいる非経済活動人口)などはカウントされていません。ちなみに、日本の場合、大卒失業者は約3万人だそうです。また、「1年以上仕事につくことができなかった青年」も急増している、とのことでして。彼らの関連データにも、「ただ休んだ」人たちは含まれません。それでは、<<~>>が記事の引用・まとめ部分です。
<<・・韓国の雇用市場において、高学歴化と企業の採用行動の変化が引き起こす歪みが極限状態に達している。最新の統計データが示す現実は実に異様である。大学を卒業した高学歴な若年層の失業者が過去最高水準に膨れ上がる一方で、現場を支える中小企業では慢性的な深刻な人手不足が続き、「人がいない」と悲鳴を上げている。この高学歴失業者の増加と中小企業における労働力不足という極端なネジレ、歪みは、単なる一時の景気変動ではなく、韓国の労働市場が抱える構造的破綻を明らかに物語っていると言えるだろう。
「国家データ処」(※政府機関)が発表した2026年第2四半期の雇用動向によると、大卒(専門大卒以上)の失業者は前年同期比で3万9000人増加し、48万1000人に達した。これはコロナ禍の影響が色濃かった2021年第2四半期(52万1000人)以来、5年ぶりの高水準である。この打撃を最も直接的に受けているのが青年層であり、20代の大卒失業者は17万9000人、30代は13万人にのぼり、この両世代だけで大卒失業者の64.2%を占めている。特に20代の大卒失業率は8.3%と高水準に達し、一度も就業者としての経験がないまま失業状態にある青年も5万6000人と、7年ぶりに増加へと転じた。労働市場への最初の一歩すら踏み出せない若者の山が着実に積み上がっている状況である。
しかし、その一方で中小企業の現場に目を向けると、まったく逆の悲鳴が上がっている。雇用労働部の調査によれば、企業が正常な経営や生産を行うために追加で必要とする不足人員は全国で約46万人に達する。今年第1四半期に実際に求人活動を行いながら採用できなかった人員も9万6000人にのぼった。求人全体の85%は従業員300人未満の中小企業が占めている。若者が仕事を探して彷徨う横で、中小企業の現場では数十万人分の空席が放置されるという凄まじい需給のミスマッチが発生しているのである。
なぜ、これほどのミスマッチが起きているのか。最大の要因は、企業側の過度な経験者志向と、新卒参入路の遮断である。企業が未充電となった理由として最も多く挙げたのは「要求する経職(実務経験)を備えた応募者がいないため」(25.8%)であった。不確実性の高まる経済環境下で、企業は新卒を一から社内で育てる余裕を失い、即戦力となる経験者採用へとシフトしている。またAIの普及等も相まって、事務職やエントリーレベルの求人は減少傾向にある。そのため実務経験のない新卒の若者が最初のキャリアを積む機会そのものが奪われるという悪循環が定着してしまった。
さらに、若年層が失業期間の長期化を甘受してでも中小企業への就職を躊躇せざるを得ない構造的背景が存在する。統計によると、中小企業から大企業へのステップアップに成功する割合はわずか11.8%に過ぎず、8割以上は他の中小企業への水平移動にとどまる。また、300人未満の中小企業の平均賃金は大企業の64%(約366万ウォン対573万8000ウォン)にとどまる。一度中小企業に入ると大企業への道がほぼ閉ざされ、生涯賃金格差も埋まらないため、若者にとって中小企業への就職は「将来のキャリア機会の放棄」を意味してしまうのである。さらに「首都圏集中」も拍車をかけ、ソウルから離れた地方の中小企業では「南側限界線」と呼ばれる地理的忌避により若い韓国人労働者が皆無となり、外国人と高齢者に頼らざるを得ない限界状況に追い込まれている。
こうした機会の消失は、青年層の就業意欲そのものを削ぎ落とし、長期未就業者や社会からの撤退を激増させている。2026年5月の経済活動人口調査によると、1年以上就職できていない青年人口は60万5000人と5年ぶりの高水準を記録し、3年以上の長期未就業者も24万1000人に達した。青年の経済活動参加率は47.2%へと急低下し、就業者数は前年同月比で25万5000人減少した。この減少幅は2004年の統計開始以来で過去最大である。未就業者の行動を見ると、「ただ時間を過ごしている(何もしていない)」と答えた者が25.3%に達しており、実に4分の1の若者が就職活動を諦め、無力感の中で社会から退いている。
この韓国で起きている青年層の絶望と構造の歪みは、かつて中国の専門家が鳴らした警鐘を強く想起させる。中国で若者の高失業率や苛烈な競争への疲弊から「ネズミ族(鼠族)」や「寝そべり(躺平)」という社会問題が噴出した際、ある中国の専門家は「このままでは中国は『巨大な韓国』になってしまう」と警告した。極度な学歴インフレと厳しい都市部競争、階層移動の停滞、そして若者の就労意欲の喪失という社会的病理において、韓国が先鋭的なモデルになってしまっていることを指摘したものである。韓国の若者たちもまた、いくら努力しても報われない労働市場の構造に疲れ果て、「ただ時間を過ごす」という形で静かな撤退を選んでいる(※青年問題において、このままでは中国は『巨大な韓国』になってしまうと主張したのは北京大経済学教授ルフェン(盧鋒)氏、2024年のことでした。ソース記事にはこの内容はありません)。
この「高学歴失業の増加と中小企業の人手不足」という歪みは、単なる現在の経済問題にとどまらない。真に恐ろしいのは、これが「10年〜20年後」に国家の存続を脅かす致命的な爆弾となって跳ね返ってくる点にある。この構造は、かつて日本が経験した「就職氷河期世代」の問題と完全に重なり合う。日本において1990年代後半から2000年代初頭にかけて生じた氷河期世代の放置は、20年が経過した現在もなお、中間層の空洞化、低所得化、未婚化・少子化の加速、中高年の引きこもり問題や社会保障費の膨大化という形で解消不能な負の遺産となり続けている。
現在の韓国が抱える青年問題は、日本の氷河期世代以上に深刻な未来をもたらすリスクが高い。世界最低水準の少子化が進行する韓国において、人生で最も生産性が高くキャリアを形成すべき20代・30代の若者が未就業のまま放置され、労働市場から追いやられている。彼らが40代、50代を迎えた時、適切なスキルも資産も形成できず、年金基盤も脆弱なまま高齢化社会の波に飲み込まれることになる(両記事内容のまとめと、若干の追記)・・>> 今日の更新はこれだけです。次の更新は、日曜日(26日)の11時頃になります。
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。