前も「ローラーコスピ」という言葉を紹介したことがありますが、韓国株式市場の「超」急騰落が止まりません。長期ホールド出来る人たちならそれでもわかりますが、いわゆる「未収金取引」とよく言われる投資家が証券会社から資金や信用を借りて株を買い、2営業日後(T+2)の決済期限までに代金を支払う仕組みの取引が問題です。強制決済が結構広がっていて、大きな問題になっています。また、発表されるのは証券会社の関連データだけで、実はFOMO(買わないと自分だけが取り残されるという漠然な恐怖)で、住宅などを担保にしてローンを組み、それで2倍、3倍レバレッジETF、しかも「単一銘柄」の金融商品を購入する人たちが多く、家計債務全体も大幅に増えています。政府はやっとレバレッジETF購入のハードルを上げるなど対応を行いましたが、はてさて。そんな中、「これは政策失敗によるものだ」という世論が広がっています。例えば、ロイターでも報じられて話題になりましたが、投資家協会が国会に供花(葬式用の花環)をたくさん贈ったりするなど、「圧」が強くなっています。
確かに、不動産関連資金を金融資産へ転換させようとした政府の政策があったのは事実です。それが失敗したのは(個人投資家の立場からは)間違いありませんが、ほぼすべてのメディアの紙面を埋め尽くしていた「儲け!儲け!」な感じの記事の数々、「ハンタン主義(一発逆転主義)」なリアルカイジ・・というか個人再生が増えたそうで、昔の特撮モノによく出てくる「再生カイジン」とでも言いましょうか・・そんな人たちが多いこと、すなわち社会のあり方そのものにもっと根本的な理由があるのではないか、個人的にはそう思っています。ちなみに、いままで政府が徳政令もどきを繰り返して銀行や証券会社側を責めてきたのは事実です。香港株価指数関連の商品でも、「売り方に問題があった」と、一方的に銀行側の問題とし、損失の一部を補填するようにした前例もあります(現政権ではありませんが)。ですがが、今回は金額が大きすぎで、さすがに無理だと思われます。
そんな中、メディアというよりは「ネットの一角で」といった話ですが、6月の李在明大統領のある発言が「政府が政策として進めた証拠」とされています。個人的な考えはもう書いたので、6月1日の朝鮮日報と中央日報の記事を振り返ってみたいと思います。6月1日、ポータルサイト掲載時点で9時49分に朝鮮日報が「(当時)KOSPIが8500超えたけど、半導体以外だと4100くらいにしかならない」という記事を載せました。すると、同じく掲載時点で12時4分に、「李大統領が、某メディアの発言を批判した」という記事が載りました。「ソン・フンミンについて話しながらサッカーを外して話すべきか?なんで韓国から半導体を外して見るべきだというのか?」という内容です。でも、朝鮮日報の記事をよく読んでみると、「半導体を外して見るべきだ」とは書かれていません。「外して見てみると景色が変わる」という内容です。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・(※6月1日の記事であり、実際に投資をされている方々は必ず最新情報を確認してください)1日、KOSPI(韓国総合株価指数)が8600を超えるなど連日急騰を見せているが、サムスン電子やSKハイニックスなどの半導体業種を除いた実質的なKOSPI指数は4100〜4200ポイント台に過ぎないという分析が提起された。株式市場の上昇の裏には徹底した「半導体偏重、一極集中現象」が存在しており、他の企業の株価の低迷は今年さらに深刻化するなど、市場内の二極化が極めて鮮明になっているということだ・・・・ユジン投資証券のホ・ジェファン研究員が作成したレポート「半導体の巨人の影」によると、今年の半導体の時価総額比率は、昨年6月の25%水準から54.6%まで急増した。
業績の偏重は一層強まっている。今年のKOSPI全体の営業利益において半導体が占める比率は、60%台後半から70%台まで拡大すると推定されている・・・・一方、今年時価総額の比率が増えた産業はITハードウェアが唯一であり、半導体を除いた他の業種の営業利益比率の推定値は、ほとんどが縮小する見通しだ。ホ研究員は「株価の上昇幅はドットコムバブル並みに急激だが、利益基準でさらなる比率拡大が十分に正当化されるため、上昇が止まる要因を見つけるのは難しい」と分析した・・・・半導体以外の株式は投資家の視点から特に価格的な魅力がなく、株式市場に入ってきた資金がわざわざ他の業種へ流れていく理由がないとホ研究員は明かした(朝鮮日報)・・>>
<<・・李在明大統領が、KOSPI指数が取引時間中に8800ポイントを超えた1日、「半導体を除けばKOSPI 4100ポイント台」という分析に対して、「半導体は我が国の産業の中核の一つなのに、なぜ半導体を除いて総合株価指数を計算しなければならないのかよく理解できない」と述べた。李大統領は同日午前、X(旧Twitter)に「錯視が消えた株式市場…半導体除けばKOSPI 4100ポイントに過ぎず」というあるメディアの記事をリンクし、「『サッカーの実力を除けばソン・フンミンも普通の人?』なんて言う人はいない」とし、「むしろ『半導体を除いても韓国株式市場はなんと4100』と言うべきではないだろうか?」と指摘した(中央日報)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。