一昨日も紹介しましたが、米国側から「合意した対米投資ハリーハリーしないと関税をアップアップするかも」というメッセージが来たという件。初めて報道したメディアが、なにかのフォローのつもりか(なにか言われた?)、「対米投資できないには理由がある」という記事を載せました(韓国経済、16日)。いろいろ書いてありますが、基本的に「収益性がわからないから」という内容です。米国側のやり方が強引だったというのはわかりますが、相応の対価を得て「合意」をしたなら、そのとおりにするのが普通だと思われますが・・
記事は、「合意内容にちゃんと検討する(という趣旨)の内容があるけど、収益性がちゃんと確保できる案件ってほとんど無い」、と。いつものことですが、「じゃ、なんで合意したのか」という結論しか出ない、そんなところです。ちなみに産業通商資源部の長官(大臣)が訪米中で、出来る限り急いで「対米プロジェクト第一号」を発表するということですが、まだ具体的な続報はありません。以下、<<~>>が引用部分です。
<<・・韓国が「第1次 対米投資パッケージ」を確定できない理由(※題)。長期投資先であるインフラ事業でプライベート・ファンド並みの収益率を上げなければならず。金正官長官、2週間ぶりに訪米へ(※見出し)・・・・韓国が当初6〜7月に予定していた「対米投資第1号計画」をなかなか確定できずにいるため、米国が再び関税引き上げカードで圧力をかけた。政府内外では、奇形的な収益配分構造と内部収益率(IRR)が20%に達する商業性基準が衝突しており、政府が第1号投資計画を確定するのに苦戦していると分析した。
16日、産業通商部によると、金正官長官は同日午前、2週間ぶりに訪米の途に就いた。先週、米商務省が「投資を急がなければ、合意された相互関税(15%)を引き上げる」という書簡を送り、大統領府(青瓦台)が緊急会議を召集してから3日後のことだ。米国は、対米投資ファンドが合意から9ヶ月が経過しても目立った成果がないとして強く不満を提起した。政府はテキサス州のガス複合火力発電所を第1号投資として暫定確定し、追加事業を模索しているが、目標収益率を合わせるのに苦労しているとされる。
投資銀行(IB)業界によると、韓国の対米投資が対米投資特別法などに明記された「商業的合理性(米国長期債収益率+α)」基準を満たすには、投資期間中の割引率を考慮した年平均収益率であるIRRが20%前後に達しなければならない。これは韓米両国間の奇形的な収益配分条件のためだ。韓米両国は元利金を償還するまでは収益率を5対5で分け、それ以降は1対9(米国)で配分することで合意した。元利金償還後の収益分配が10%に激減するため、収益率を極端に高めて初めて商業的合理性を満たせるようになったという説明だ。
問題は、これほどの収益率を満たす事業が極めて稀である点だ。「米国の製造業基盤を共に復活させる」という対米投資の主旨に従い、投資対象の多くはエネルギー・インフラ事業である。エネルギー・インフラ事業は投資期間が30年以上と長い反面、1桁台の収益率を安定的に期待できる分野として知られている。IRR 20%を満たす分野は、リスクが非常に大きい代わりに収益率が高い一部の初期インフラ投資を除けば見つけるのが難しい。
オルタナティブ投資(代替投資)業界の関係者は、「エネルギー・インフラ事業に投資しながら、プライベート・エクイティ・ファンド(PEF)やベンチャーキャピタル(VC)並みの収益率を上げなければならない計算になる」と語った。この規模の『冒険的代替投資』を扱った経験のある国内機関がない点も障害として挙げられる。対米投資特別法に基づき、商業的合理性の基準を満たせない取引を推進するには、国会の事前同意を得なければならない(韓国経済)・・>>
韓国の場合、日本やEUに比べると、「お金」というHPがすごく少ないキャラです。今回の対米投資も、国内法をいろいろ変えて、やっと国会で関連法案(法律改正など)が成立しました。そもそもその成立までは長すぎで、それも問題でしたが。いま思えば、そんなに外貨が足りない、法律的に問題があるなら、なんでそこまでして合意したのか、いや合意できたのか、ということ自体が微妙です。しかし、それで15%という関税を「代価として受け取った」し、それが李在明大統領の支持率上昇などに大きな影響を及ぼしたのも事実です。各メディアが「日本と同じレベル」「日本よりマシ」ということを積極的に宣伝していたのも、記憶に新しい話です。思わしくない意味で。結局は「あ~あ、投資したいけど投資できる案件が無いな~」という話になっている、今日この頃です。
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。