レアアース(希土類)とか、重要鉱物(核心鉱物)とか、書き方はいろいろあるものの、基本的には「中国依存を減らす」方向性で話が進んでいますが、韓国では妙な動きが出ています。本ブログだけでなく韓国メディアも中国依存がすぎるという問題を指摘していて、実際、ロボットとかバッテリーとか、韓国内の様々な分野で中国のシェアが増えている今日この頃ですが・・マネートゥデイ(21日)などが、「中国と韓国がサプライチェーン安定化に合意した」「これで供給元を多様化できる」「経済安保的に進展」という記事を載せました(※実際は、前から進められていた中韓FTA強化についても話がありました。韓国では「2次中韓FTA」とよく言います。中国側はいつもFTA強化に賛成しながらも具体的に動いたことがないので、今回はどうなるのかも気になるところです)。
ちなみに、レアアースなどで、韓国が中国からの輸出制限などで問題になっているわけでもありません。結局は「もっと売ってくれ」という話ですが、これがなぜ経済安保とか供給元の多様化になるのか。どこをどう見るかにもよる・・かもしれませんが、よく分かりません。逆に、ファイナンシャルニュース(21日)によると、日本の場合、外国への重要鉱物確保のための政府投資をより容易にする案が進められている、とのことです。両紙から、<<~>>で引用してみます。
<<・・日本政府が、レアアースをはじめとする海外の重要鉱物の鉱山開発や製錬事業に直接投資し、益権(利権)を確保する方針を推進する。価格変動や資源保有国のリスクを理由に日本企業が投資を躊躇する事業へ政府が先陣を切って参入することで、中国依存度を下げ、サプライチェーンを強化する狙いだ。20日、日本経済新聞の報道によると、経済産業省は同日の産業構造審議会小委員会にて、日本企業が参加しない海外の重要鉱物事業においても、独立行政法人 エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が単独で出資できるようにする制度改正案を提示した。現行制度では、JOGMECが海外の鉱山開発や製錬事業に投資する際、必ず日本企業と共同出資しなければならない。今後は、日本企業の投資決断を待っていては供給網の途絶リスクが高まると判断された場合、JOGMECが海外企業と直接組んで事業に参加できるようになる。
JOGMECが単独出資で確保した益権は、生産開始から約10年以内に日本企業を中心とした民間へ売却する案が検討されている。政府が初期の開発リスクを背負って事業基盤を整えた上で、民間に引き継ぐ手法だ。経済産業省はこれに向け、JOGMEC法の改正や関連規定の整備を進める方針である。対象となるのは、経済安全保障推進法に基づく特定重要物資に指定された重要鉱物のうち、民間の投資判断を待つと供給停止の可能性が高まる事業だ・・
・・重要鉱物の開発は、資源保有国の政権交代や政策変更に伴うリスクが大きく、市場規模も限られている。さらに価格変動も激しいため、民間企業が長期的な収益性を判断しにくいという課題がある。日本政府は、中国がレアアースなどの主要資源の輸出規制を強化し、各国による鉱物確保の競争が激化するなか、政府主導での権益確保が必要だと判断した。民間企業の投資の有無にかかわらず、戦略的に重要な海外の資源事業へ先制的に参入し、サプライチェーンの中国依存度を引き下げる戦略だ(ファイナンシャルニュース)・・>>
<<・・李在明大統領はこれまで、重要鉱物とサプライチェーンを国家安全保障の懸案として強調してきました。半導体などの「3大メガプロジェクト」に必要な資源確保が求められているためですが、折しも5年ぶりに訪韓した中国の王毅外相と、サプライチェーンの安定化で合意しました。【李在明大統領(7月13日 国家財政戦略会議):「軍事的な安保よりも、むしろ経済安保が国家の安危に大きく影響を与える時代になったようです」】。先月の国家財政戦略会議において、半導体などの基幹産業に直結する素材・部品の問題を「安保の観点」から扱うべきだと強調した李在明大統領。輸出規制が戦略的兵器として使われる時代、強固な備えが必要だというわけです。こうした方針は政策へとつながりました。
李大統領は今月初旬の産業通商資源部による業務報告にて、重要鉱物政策における特定国への依存度を下げるよう指示したほか、原油や重要鉱物の調達先を広げ、外部ショックへの対応力を高めるよう注文しました。また、海外での重要鉱物確保の実行主体である「韓国鉱害鉱業公団」の役割についても再定義するよう指摘しました・・・・こうした流れのなか、中国の王毅外相が去る19日、5年ぶりに韓国を訪れました。王外相は趙顕外相と、中韓FTAのサービス・投資交渉の再開およびサプライチェーンの安定化合意に達しました。翌日には李在明大統領とも直接会談を行いました。李大統領が「依存度分散型」の資源外交を強調してきただけに、王外相が示したサプライチェーン協力拡大への意欲が、我が国の重要鉱物や素材などの需給安定に実際に結びつくかが注目されます(マネートゥデイ)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。