さて、例の「対米投資をハリーハリーしないと関税をアップアップ」報道が出た直後、韓国政府は「関税関連の話はなかった」としながらも、担当の人を深夜(0時)に更迭、産業通商資源部長官(大臣)が「秘密裏」に米国に出国しました。その長官が帰ってきたので、複数のメディアがまた記事を載せています。ニュース1(20日)の記事によると、いままでは普通は「~な内容を話す(話した)」と記者会見などを開いてきましたが、今回は出国のときも帰国のときもすべて非公開だった、とのことです。雰囲気がちょっとあれだったんじゃないかな、と・・そういう見方も出来ます。記事によると、韓国側は既存の方針のまま「エネルギー」関連を対米投資第一号にするとしています。まだ公式発表があったわけではありませんが、日本でも使われているLNG複合火力発電のことだと言われています。ですが、米国側は、半導体関連の投資、いわば米国現地生産を増やすように圧力をかけている、とのことでして。
これ、韓国政府が進めている「国内大規模半導体団地」構想とは正面衝突する内容です。なんか、SKハイニックスも日本に半導体工場を建設するとか言っていますし、企業からすると国内よりも日米への投資のほうが良い・・そう思っているのかもしれませんが。また、「来月発表で、エネルギー分野になる」という話しも出ていますが、それは、「まずエネルギー分野にして、第2号プロヘクトは半導体になる」という話なのか、それとも「米国側の半導体関連圧力は、なんとか説得できた」のか。そこはよく分かりません。朝鮮日報(18日)によると、ポリティコなど米国メディアは韓国側の対米投資に米政府が強い不満を抱いており、米韓軍事演習の大幅な縮小の原因も対米投資が遅れていることにあるという米政府関係者の話を報じています。はてさて。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・金正官産業通商資源部長官が米国ワシントンD.C.で韓米の通商懸案を協議した後、19日(現地時間)韓国行きの飛行機に乗った。去る16日、予定になかった訪米に発ってから4日ぶりのことだ。特に今回の訪米は出国から帰国まで日程が徹底して非公開で行われた。出国に続き帰国事実まで公開しないまま急いで日程を締めくくったような姿から、対米投資プロジェクトをめぐる韓米間の協議が土壇場まで難航しているのではないかという観測が出ている。20日、産業部などによると、金長官は19日、ワシントンD.C.での日程を終えた後、帰国の途に就いた。訪米期間中、ラトニック長官と17・18日の2日連続で会って対米戦略投資プロジェクトの具体的な争点を調整し、19日にはジェイミソン・グリア米国貿易代表部(USTR)代表らと会って関税をはじめとする通商懸案についても協議した。
注目を集めているのは、訪米日程が始まりから終わりまで徹底して非公開で進められたという点だ。出国事実も当日になって知られ、訪米の背景も空港の入国場で行われた略式インタビューを通じてのみ公開された。帰国の事実も金長官が飛行機に乗る直前まで取材陣にさえ別途公開されなかった。昨年、韓米関税交渉の当時、現地特派員との懇談会や帰国後の入国場でのスタンディングインタビューなどを通じて交渉結果と成果を説明したのとは対照的だ。政府が交渉過程における不要な情報公開を最小限に抑えているという分析が出ている一方で、韓米間の意見の違いが依然として大きいのではないかという観測も提起されている。
核心となる争点は2000億ドル規模の対米戦略投資プロジェクトだ。韓米は昨年、韓国の3500億ドル規模の対米投資を前提に、米国が韓国産製品に対する相互関税を25%から15%に引き下げることで合意した。このうち1500億ドルは造船分野での協力として具体化したが、残りの2000億ドル分の戦略投資は、未だに「第1号プロジェクト」の選定段階にとどまっている。最近では、第1号プロジェクトをめぐる両国間の意見対立が表面化している。韓国政府は「商業的な合理性」を考慮してエネルギー分野への投資を第1号プロジェクトとして提示したのに対し、米国側はサムスン電子やSKハイニックスといった韓国の半導体企業による現地生産の拡大を要求しているとされる。対米投資の規模だけでなく、どの産業にどのような形で投資するかを巡って両国の立場が真っ向から対立している格好だ(ニュース1)・・>>
<<・・ハワード・ラトニック米商務長官が17日、米国を訪問した金正官・産業通商資源部長官と会談し、対米投資問題を協議したとポリティコ(Politico)が報じた。ドナルド・トランプ大統領が韓米合同演習の大幅縮小を指示し、小さくない波紋が広がっている中、同メディアは匿名の関係者を引用し、「トランプ大統領の威嚇は、韓国政府に対する米政権全般の経済的不満から生じたもの」とし、「韓国が昨年米国に約3500億ドルの投資を約束したが、トランプ政権関係者は韓国政府がこの約束を先延ばしにしているとみている」と伝えた。去る16日、ワシントンD.C.近郊のダレス国際空港から入国した金長官は特派員らに対し、対米投資に関して「土壇場になって実務的に多様で具体的な争点が浮上している」とし、8月末~9月初旬ごろの「第1号プロジェクト」発表を目標に「一度全体的に整理する必要がある状況だったので訪問した」と説明した。
金長官の今回の訪米は3週間ぶりのことで、大統領府が米政府による対米投資履行の圧力に対応するため、産業部などの関係省庁を召集して会議を行ってからわずか3日後に行われたものだ。なお、通商のトップである余翰九 通商交渉本部長は突然免職された。金長官は、対米投資の履行が遅れた場合に関税を引き上げる可能性があるという圧力が weあったかという質問に対しては、「(そのような圧力を)受けたことはない」と答えた。
こうした中、韓米交渉の経緯に詳しい消息筋は、交渉が予想以上に遅れている点を指摘し、韓国側の代表団を「歴代で最も遅い交渉人たち(the slowest negotiators ever)」と評した。ラトニック長官は先月、ワシントンD.C.の韓米造船協力センター(KUSPC)開所式に出席した際、「言葉や覚書(MOU)ではなく、実際に建造される船舶の数で評価する」と述べ、投資履行のスピードに対する不満を遠回しに示していた。5500億ドルの投資を約束した日本は、すでに6つのプロジェクトを確定して発表している。朝鮮半島問題の専門家であるビクター・チャ戦略国際問題研究所(CSIS)韓国論壇特任教授は、韓国が対米投資を一般的な投資と同じように扱っているとし、「すべての詳細事項を発表前に完璧に整理しようとしているようだが、トランプ政権においてそのようなやり方は通用しない」と指摘した(朝鮮日報)・・>> 完璧に整理しようとしているのではなく、完璧にやる気が無いのでは?
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。