さて、韓国銀行(韓国の中央銀行)が、連続で金利を引き上げました。韓国の場合は為替レートを必要以上に気にする(いろいろありまして)ところがあるし、実際、経済規模に比べて金融という力が不思議なほど弱いです。だから、別に金利を上げてはいけないとかそこまで強く言うつもりはありませんが・・韓国の場合は、半導体の好況・・というか価格上昇によるGDP上昇を根拠に金利を上げている側面があり、そこが問題です。金利引き上げといっても、中央銀行が独自的に~と言うのは簡単ですが、実は政府の政策に沿って動いています。それは、家計債務関連の規制です。これは、韓国政府が推進している「不動産関連資産を金融資産(株)に移動させる」という政策とも繋がっています。それは、ま、家計債務をそのままにしていいというわけではありませんが・・現政権だけでなくいままでの政策は、「借金なんか、いつでもやめられる」ということを前提にしています。自転車操業状態を、知らないのか、それとも知ろうとしないのか、知ってはいけないのか。
最近、特に青年層においても住居環境関連のニュースを紹介しながら・・「政策を作っている人たちは、この問題の重さもわかっていないし、そもそも『狭い部屋』がなんなのかも知らないでいるのではないか」と書いたことがありますが、ちょうど同じことが言えるかも知れません。いま韓国では、「統計二カウントされるもの(いわゆる第1金融圏、第2金融圏、そして第3金融圏の一部)」だけで、中央銀行の0.25%p金利引き上げで、住宅担保ローンが(約)年1兆5千億ウォン、信用ローンなどが同じく(約)年1兆5千億ウォン、負担が増えると言われています。政府も庶民も仲良く(?)進退両難、とでも言いましょうか。以下、ニュース1(10日)、ニューシース(27日)とソウル新聞(26日)から関連記事を引用します。どうやら、第3金融圏(合法的に運用されている貸金業者)に多くの人が「流れ着いている」とのことでして。実際は「カウントされない領域(違法業者、いわゆる私債(サチェ))」に流れ着く人のほうが多い気もしますが。それでは、昨日の内容と合わせて読んでください。
<<・・韓国銀行は27日、金融通貨委員会(※韓国銀行の最高意思決定機関で、日本でいう『日本銀行政策決定会合』のようなもの)を開き、基準金利を年2.75%から3.00%へ0.25%ポイント引き上げた。先月の金通委で基準金利を2.50%から2.75%へ3年6ヶ月ぶりに0.25%ポイント引き上げたのに続く、2回連続の引き上げとなる。韓国銀行の金通委は8月の通貨政策方向の決定文にて、「今後の通貨政策は物価・景気の動向と金融安定の状況を綿密に点検しながら、追加引き上げの時期や速度などを決定していく」と明らかにした。今後、成長の勢いを点検しながら、中期的な視野で物価上昇率が目標水準で安定するよう図る一方、金融安定に留意して通貨政策を運用していくと説明した。
国内経済は輸出と投資の好調維持、消費回復の拡大などにより、堅調な成長を続けると見込んでいる。物価については、これまで蓄積されたコスト押し上げ圧力の波及効果や需要側の圧力増大などにより、相当期間目標水準を上回る上昇傾向を示すと観測した。金融安定の側面では、首都圏の住宅価格の上昇傾向および家計負債の増加傾向拡大に引き続き留意する必要があると診断した。この日の基準金利引き上げ決定に対しては、金融通貨委員6名が賛成した。ファン・ゴンイル委員は、基準金利を2.75%に維持することが望ましいとの意見を示した(ニューシース)・・>>
<<・・政府の家計ローン規制により銀行の融資ハードルが高くなったことで、高信用者までもが貯蓄銀行やカード会社などの第2金融圏へ追いやられている。第1金融圏において高信用者が占める割合が高まる中、第2金融圏を利用する高信用者も急速に増えており、融資市場での「連鎖移動」が見られる状況だ。10日の全国銀行連合会によると、今年6月における5大市中銀行(国民、新韓、ハナ、ウリ、農協)の信用ローン利用者の平均信用スコアは926.2点であった。金融当局が家計負債対策を発表した4月(915.2点)より11点上昇している。平均信用スコアは、ローンの借り手たちの平均信用スコアを単純平均した数値だ。銀行が家計ローンの管理を強化したことで、相対的に信用度の高い借り手を中心に融資を扱う傾向が強まったためとみられる。
マイナス通帳(※当座貸越口座のようなもの)のハードルはさらに高くなった。同期間、銀行のマイナス通帳利用者の平均信用スコアは958.8点から過去最高の962.6点に上昇した。信用スコアが950点前後の高信用者であっても、融資を受けられないケースが増えていることを意味する。銀行のハードルを越えられなかった融資需要は、貯蓄銀行やカード会社などの第2金融圏へと流れている。総負債償還比例金(DSR)規制の対象外となる貯蓄銀行の小額信用ローンや、カード会社のキャッシング(現金サービス)・リボ払い融資が増加した。3月末時点で、韓国国内79の貯蓄銀行における小額信用ローンの残高は、前年同期(1兆2146億ウォン)より19.1%増加した1兆4466億ウォンを記録し、過去最大水準となった。5年前の2021年(8825億ウォン)と比べると63.9%増加している(ニュース1)・・>>
<<・・「ローン規制で中・低信用者の「ローン組めない人」が続出・・「10ヶ月で貸付約定1000億ウォン」(※題)政府の家計ローン規制により、第1・第2金融圏で資金調達ができなかった中・低信用者たちが、貸付業者へ大挙して流入していることが分かった。融資比較・仲介プラットフォーム「ピンダ」は、「優秀貸付仲介サービス」の累積約定額が1000億ウォンを突破したと26日に発表した。ピンダは昨年10月、庶民金融の優秀貸付業者によるローン商品の仲介サービスを開始した。この日まで約10ヶ月で累積約定額1010億ウォンを記録し、提携する貸付業者は17社に上る。
貸付業者からの融資を受けようと限度額照会を行った件数は累積80万件、実際の融資申請件数は20万件に達した。政府の家計ローン規制によって銀行と第2金融圏の融資ハードルが同時に高まり、ローンを求めてさまよう人たちが増加した影響と分析されている(ソウル新聞)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。