韓国、また「徳政令」・・「海外では理解されない方式」との指摘も

さて、いつもの韓国、とでも言いましょうか。『今回は』、主にコロナ禍のときの借金を帳消しする内容です。政府は「我が国だけ、借金の帳消しに必要以上に厳しすぎる」という主張ですが、各メディアの記事によると、「海外でこんな事例は見たことがない」とのこと、でして。ええっと、多分自営業者関連の話だと思われますが、2020年から2023年までの期間、個人事業者へのローンが合計358兆7千億ウォンでした。記事によると、その中で、まだ返済されていないのが154兆7千億ウォン、4割を軽く上回る金額がまだ返済されていないわけです。その中で、3ヶ月以上延滞されている(他にもいくつか条件があるようですが、最終的に今回の対象になるのは)6兆3千億ウォンです。KBS(31日)とソウル経済(15日)など、複数のメディアが記事を出しています。ちょっと意外(?)だったのが、KBSがこの件を「モラルハザード」を中心に紹介している件です。以下、<<~>>で引用してみます。KBSは放送の訳になるので、会話形式になっています。

<<・・最初のキーワードは「コロナの借金、国が帳消しに」です。政府が小規模事業者の負債問題に切り込むというニュースです。 [質問]国が代わりに借金を整理してくれるということでしょうか? [回答] はい、政府は8月28日の非常経済本部会議で「金利上昇期に備えた脆弱債務者支援策」を発表しました。コロナ禍の際に発生した負債のうち、3年以上延滞している6兆3,000億ウォン規模の長期延滞債務を消却(※債権放棄、帳消しの意味)または調整する方針です。対象は、コロナ被害を受けた小規模事業者の無担保債権のうち、2023年6月以前に延滞が始まり、現在まで続いている借金です。数字で見ると、その規模が実感できると思います。2020年から2023年のパンデミック期間に実行された個人事業主向け融資は、計358兆7,000億ウォンに上ります。




このうち、まだ返済できていないお金が154兆7,000億ウォンで、実に43.1%が残っています。さらに、この中で3か月以上延滞しているお金が4.1%に当たる6兆3,000億ウォンです。なぜ今なのかといえば、金利が理由です。韓国銀行が8月27日に基準金利を再び引き上げ、年3%となりました。2か月連続の引き上げであり、さらなる利上げの可能性も示唆しています。借金のある方々の利子負担が、雪だるま式に膨らむ直前の状態だということです。返済能力を完全に失った債権は一括買取りして消却(放棄)し、一部返済能力のある方々には元本減免や返済期間延長などに分けて支援する方式が有力です。ただし、まだ確定したわけではなく、対象や減免水準といった具体的な基準は、今年10~12月期中に発表されます。現在延滞中の方は、第4四半期の発表を必ずチェックする必要があります。

[キャスター]ですが、「消却」となると、借金を完全に帳消しにするということですよね。「返さずに粘っていれば、こうして国が消してくれるんだ」という間違ったシグナルを与えかねないという指摘もありますが? [回答]はい、今回の政策で最も慎重に見るべき部分がまさにそこです。経済学には「時間の非一貫性問題(Time Inconsistency Problem)」という概念があります。最初に立てた原則と、実際に直面した際の選択が変わってしまう現象を指します。現在の状況がまさにこれに該当します。政府は平常時、「借りたお金は必ず返さなければならない」という原則を立てます。しかし、不良債権が大きく膨らんだ時点になると話が変わってきます。その時点では、借金の一部を帳消しにする方が、取り立て費用や社会的コストを減らせる合理的な選択になるからです。原則と選択がちぐはぐになるわけです。問題は、これが繰り返されることです。韓国では政権交代や経済危機が訪れるたびに、同様の債務調整が実施されてきました。




その結果、市場には「苦しくなれば、結局また政府がまけてくれるのではないか」という学習された期待が生じます。こうした期待が大きくなると、真面目に借金を返すインセンティブが弱まる「モラルハザード(倫理の欠如)」につながりかねません。ただ、政府は大義名分を次のように説明しています。海外ではコロナ禍の際に財政給付(現金給付)を行いましたが、韓国は融資で持ちこたえさせました。感染対策に協力して生業を犠牲にした代償が「借金」として残ったのだから、社会全体で再起の機会を与えるべきだという論理です。結局のところ、鍵を握るのは第4四半期に出される選別基準がどれほど精密かという点です。ここで抜け穴が生じれば、モラルハザードをめぐる議論は抑えきれないほど大きくなるでしょう (KBS)・・>>

 

<<・・政府が、脆弱債務者に対して積極的な負債軽減に乗り出す中、海外の主要国では政府が別個の基金を設けて定期的に個人債務を帳消しする事例は稀だという評価が出ている。政府が延滞債権を買い取って帳消しにするよりは、金融機関が不良債権を管理するプロセスの中で消費者の視点を内包できるよう、政策的なインセンティブ構造を整える方が望ましいという評価だ。15日、金融界によると、金融当局は長期延滞債務者の再起支援方針に基づき、追加対策を検討している。イ・ジェミョン大統領は先月15日の金融委員会業務報告で「不思議なことに、我が国は借金を帳消しにすることに対して苛酷なほど厳格だ」とし、「5年、10年と経った長期延滞債務を整理するのは、欧米社会ではごく基本的なことだ」と述べた。口座開設やカード発行すらできない長期延滞者の借金を思い切って整理し、再び正常な納税者・消費者としての復帰を助ける方が、社会全体の効用も大きいという判断だ。政府が「新しい跳躍基金」を策定し、7年以上延滞された5,000万ウォン以下の個人債権を買い取ったのも、こうした文脈からである。

政府が思い切った借金帳消しに乗り出しているものの、主要先進国で国が財源を策定して定期的に借金を帳消しにする政策を実施するのは珍しい部類に入る。金融危機後の2010年、米国のオバマ政権は住宅ローン調整プログラム(HAMP)を通じて危機に瀕した債務者を支援したが、これは金融機関が金利引き下げや返済期限延長を提供する形態だった。庶民金融制度を研究してきたある研究員は、「米国のバイデン政権が学生ローン帳消しを推進したが、社会的争点が非常に大きかった背景がある」とし、「『新しい跳躍基金』のように政府主導で一括して借金を帳消しにする制度を海外で探すのは難しい」と語った(ソウル経済)・・>>

 




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
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   ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。