EU専門家「バランスシート上、日本銀行が保有する国債は負債ではなく、公共機関同士の貸し借りに過ぎません」

なんか、同じ話ばかり続いたので、ちょっと内容を変えてみました。最近、フランスやイタリアあたりで、「~発の危機」が来るのではないかという話が増えてきました。様々な側面からのアプローチが可能なのでどれか一つだけでは、問題を語ることも、解決法を語ることも難しいでしょう。ただ、そういう指摘の中に、「ユーロは、『自国通過』ではない」というのがあります。朝鮮日報(3日)に、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)のポール・デ・グラウヴェ教授(Paul De Grauwe)とのインタビュー記事が載ったので、こちらを取り上げてみます。教授は、ユーロ圏の加盟国は、自国の債務を「自らコントロール(印刷)できない通貨(ユーロ)」として発行しているため、市場のパニックや投資家の心理変化によって資金が急激に流出すると、国債のデフォルト(債務不履行)を市場から強制されるリスクを常に抱えることになると主張してきました。

市場が「この国は危ない」と一度警戒し始めると、国債が売られて金利が急上昇します。金利の急上昇は政府の利払い負担をさらに重くし、結果として投資家が恐れていたデフォルトを自ら引き起こしてしまう(自己実現的予言)という流動性危機のメカニズムを指摘しました。普通の独立国であれば、市場がパニックに陥っても中央銀行が「最後の貸し手(Lender of Last Resort)」として国債を買い支えることで危機を未然に防げます。そういう仕組がユーロ圏では弱い、という内容です。教授の主張のまとめは、グーグルのAI「ジェミニ」が手伝ってくれました。今回の記事でも、朝鮮日報側は「日本は(米国も)フランスより負債が多いのに、誰も危機だと言わない」などと質問し、教授がそれに答える形になっています。教授の主張に賛同するかどうかは別にして、個人的に記事を読んで思ったのは、「自国通貨といっても、それがハード・カレンシーなのかどうかでまた違んじゃね」ということです。以下、<<~>>で引用してみます。




<<・・ユーロ圏の財政危機研究の権威であるポール・デ・グラウベ英ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)教授は、先月16日、『WEEKLY BIZ』(※朝鮮日報系列)とのビデオインタビューで、フランス国債の利回り急騰の根本原因は放漫財政にあるものの、自国の中央銀行ではなく欧州中央銀行(ECB)の金融政策に依存しているというユーロ圏の構造が、危機を増幅させていると指摘した。フランスには中央銀行が存在するが、ユーロ圏の共通通貨であるユーロに基づく金融政策は、ECBが一元的に担っている。実際、国際通貨基金(IMF)によるフランスの対国内総生産(GDP)比政府債務比率の今年の見通しは118.5%であり、米国(126.8%)や日本(199.4%)よりも低い。それにもかかわらず・・・・10年物国債の利回りも、先月29日時点でフランス(4.89%)は日本(2.88%)を大きく上回っている。デ・グラウベ教授の説明によれば、自国通貨を発行できる中央銀行の有無が、こうした違いを生んでいるということだ。

(※質問)「日本は負債がはるかに多いにもかかわらず、危機を指摘する声はほとんどない」。 (※教授の答弁)「それは、日本銀行が日本国債の主要な保有者だからだ。中央銀行と政府はいずれも公共部門の一部であり、一体のものとして捉えるべきである。両者のバランスシートを統合すれば、日本銀行が保有する国債は相殺されて消える。それは負債ではなく、公共部門の機関の間における貸し借りに過ぎない。これこそが、日本の負債が問題視されない根本的な理由だ。残念ながら、ユーロ圏や英国では、そのような捉え方はなされていない」




(※質問)「フランス国債の利回り急騰は、2010~2012年のような危機に発展するだろうか」 (※教授の答弁)「当時、ギリシャはもちろん、イタリアやスペインのスプレッド(ドイツ国債との利回り差)も、現在のフランスよりはるかに高かった。歴史的な視点を持つ必要がある。とはいえ、問題は確実に存在する。政治が完全に二極化しており、予算案を採決で可決できずにいるうえ、財政赤字や債務水準も高い。来年の選挙を控え、状況は好転するどころか、さらに悪化する可能性が高い。危機に発展するかどうかは、ECB(欧州中央銀行)がどう動くかに大きくかかっている。私は当時、ECBに対し『最後の貸し手』となり、スプレッドが過度に拡大した場合には市場で国債を買い入れるよう促した。スプレッドの上昇が続けば、ECBはいずれかの時点でそうせざるを得なくなるだろう」

「市場がフランスを標的に投機を仕掛けてくるリスクはある。フランスは、少なくとも来年5月までは、政治的にも財政状況を好転させることはできない。もしそのような危機が発生すれば、焦点は『ECBが何をするか』に集まるはずだ。ECBはフランスを見捨てることはできない。ユーロ圏の存立に関わる問題だからだ。フランスはギリシャとは違う。当時は『ギリシャを追い出せば、残りの国々はそのままやっていける』という議論もあった。しかし、フランスを切り離せば、ユーロ圏全体が崩壊してしまう。『自分たちには関係ない』という自滅的な姿勢をとらない限り、ECBは介入せざるを得ないのだ」(朝鮮日報)・・>> 今日の更新はこれだけです。次の更新は明日(4日・水曜日)の11時頃になります。ゴジラマイナス0見てきます~

 




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