韓国、株価急落が「大統領の責任」に? ブルームバーグ「政府が挑戦を受けている」

韓国で、株価急落が「大統領のせい」にされつつあります。代表的なのが、野党からの国民年金関連で、韓国の国民年金はポートフォリオから国内株式の比重を見直すなどして、株価上昇をサポートしていました(他の国は、ポートフォリオ構成を優先し、国内株価が上がれば株式を売却してバランスを取ります)。そのことで、野党側から「どうなっているのかすぐ明らかにせよ」などを要求が出ているわけです。ただ、いますぐ何か客観的な(データとして)問題が発生したのかというとそうでもないし、支持率などのデータには「すでに反映されている」という見方もあります。多分、世論として「政府の政策の問題」という話が出ており(もちろん、株価が上がる期間中にはこんな話はまったく出ませんでした)、野党としてはそれを意識して攻勢を強めているのではないか、そんな気もします。世論として大統領の政策の問題だという流れができているのは事実です。

実際、不動産資金を金融資金に移動させるという話は何でも出ているし、単一銘柄レバレッジETFというとんでもないハイリスク・ハイリターン商品を許可したのも、そのためだと言われています。ただ、借金で投資をする人たちが、政府の予想よりすっと多く、その金額も大きすぎました。KOSPI関連のニュースなどでも、ネットでは大統領の問題だとする意見と、そうではないという意見が衝突する姿が結構目立ちます。以下、8日のメトロ経済と 6日のイーデイリーの記事を引用してみます。後者は、ブルームバーグの記事(オリジナルは韓国人記者が書いたものでした)を紹介する内容で、ブルームバーグは「李在明大統領が大きな挑戦を受けている」としています。ちなみに、李在明大統領が公約として掲げたのは、KOSPI5000でした。いま5100あたりまで下がっています。最近の韓国株式指数の上昇は完全に半導体好況(サムスン電子とSKハイニックスの株価)のおかげなので、李在明大統領が公約にしたのと関連性があるのかどうかは分かりませんが。以下、<<~>>で引用してみます。




<<・・ブルームバーグ通信は6日、KOSPI(韓国総合株価指数)が取引時間中に5000の節目を割り込んだことについて、株式市場の活況を「政治的なトロフィー」として掲げていた李在明政権にとって打撃となったと指摘した。政府の推奨に従い、不動産の代わりに株式市場へ投資したと考える個人投資家の損失が拡大する中、政府に対する不満も広がっている。同通信は、6月22日時点で5兆1000億ドルに達していた韓国株式市場の時価総額が、最近までに約1兆7000億ドル(約2300兆ウォン)減少したと報じた。KOSPIはこの日、取引時間中に8%以上下落して4911.28まで落ち込み、李大統領の大統領選公約でもあった5000の節目が崩れた。前日にも5.3%急落していた。ブルームバーグは、「李在明政権は、世界で最も過熱していた韓国株式市場の上昇を『政治的なトロフィー』として掲げてきたが、その大部分は世界的なAI投資ブームによるものだった」と指摘した。さらに、「今や株式市場の急落が個人投資家の反発を招いており、李在明政権に対する国民の信頼が試されている」と分析した(イーデイリー)・・>>

<<・・会社員のキム・ミンスさん(31)は今年6月、KOSPI200指数の日次収益率の2倍に連動するレバレッジ商品に約5000万ウォンを投資した。当時はSKハイニックスの株価が250万ウォンを超え、300万ウォンに近づいていた時期だった。投資開始から5カ月が経過した現在、キムさんの投資商品の評価損益率はマイナス72%に達している。キムさんは、安値で買い増しして平均取得単価を下げる「ナンピン買い」も、損失を確定させて売却するいわゆる「損切り」もできないまま、パニック状態に陥っている。キムさんは「下落相場で収益率が崩壊していくのを見ていると、株式市場が恐ろしくなる」と語った。米国発の「ブルウェーブ(※米中間選挙、民主党の圧勝)」を受けて韓国株式市場が急落する中、借金をして投資するいわゆる「借金投資(ビッ・トゥ)」を行う投資家や、レバレッジ商品に投資している人々の間で、損失に対する懸念が高まっている。




KOSPIが史上最高値を更新する過程で信用取引やレバレッジ投資の規模が急拡大しただけに、市場の変動性が高まれば、個人投資家が被る被害も大きくなりかねないとの指摘が出ている。8日、韓国取引所およびKOSCOMの「ETF CHECK」によると、ここ1カ月間で個人投資家は、KOSPI200指数の日次収益率の2倍に連動する「KODEXレバレッジ」(※レバレッジ商品の商品名)を1兆2201億ウォン買い越した。これは、国内上場ETFの中で個人による買い越し額として最大である。続いて、KOSDAQ150指数の日次変動率の2倍に連動する「KODEX KOSDAQ150レバレッジ」を9411億ウォン買い越し、2番目に多い買い越し額となった。 「KODEX半導体レバレッジ」(9位・2572億ウォン)・・・・など、半導体セクターのレバレッジ型商品も純買い越し額の上位に名を連ねた・・

・・この期間中に「KODEXレバレッジ」は45.36%、「KODEX KOSDAQ150レバレッジ」は48.79%それぞれ下落した・・・・こうした状況下で、28兆ウォンに達する信用取引の融資残高が市場の不安を増大させている。金融投資協会によると、今月5日時点での信用取引融資残高は28兆7715億ウォンとなっている。信用取引融資残高とは、投資家が証券会社から資金を借り入れて株式を購入し、まだ返済していない金額のことであり、個人投資家による「借金投資(レバレッジ投資)」の規模を示す代表的な指標である。

市場では、株式市場の調整局面が続いた場合、強制決済(反対売買)が殺到し、下落幅がさらに拡大するのではないかという懸念が出ている。信用取引を行う投資家は、担保となっている株式の価値が一定水準を下回った場合、追加の証拠金を差し入れる必要がある。これを満たせない場合、証券会社が保有株式を強制的に売却する「反対売買」が行われる。反対売買が一度に大量発生すれば、株価下落に拍車をかけ、さらなる反対売買を誘発するという悪循環に陥る恐れがある(メトロ経済)・・>>

 




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
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